崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

花火

2008年08月10日 07時29分02秒 | エッセイ
 夏になると全国いろいろなところで花火が行われる。一昨日の夜は北京オリンピックで花火が世界的に多くの人を感動させた。中国や韓国の伝統的なものに似ているのが爆竹、つまり邪気を追い払うために小正月や結婚式などで行われるものである。中国では時々それが過剰になり、火事になったことも多い。中国で行われる冬の爆竹に反して日本の花火は夏のお盆頃が多い。お盆も祖先供養など宗教的な意味が強い。さらに爆竹のような脅かす音より夏空を美しく飾る芸術になっている。
 私は初めて花火を見た時は美しさを鑑賞するというよりは戦争中の照明弾や爆撃を連想し、抵抗がなかったわけではない。わが家のベランダから13日関門花火大会を観賞するために友人、知人たちが集まる。ただ芸術としてはなく、邪気を追い払う意味を一緒に悟る契機にしたい。平和の時は「空」は平和であるが戦争の時は核兵器、爆撃などの恐ろしい「空間」になりうることを追い払う美しい空になるようにと祈願する夜にしたい。