崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

投票率

2008年08月03日 06時31分21秒 | エッセイ
 投票率が低下していると言われる中、本日は山口県知事選の投票日である。投票を棄権する人が多いということである。民主主義を奪取した体験がなかった日本国民にとって投票の重要性を実感しにくいようである。政治や社会に不満を持っている人も投票によって政権を変えることは「私」の投票では無理のように思う人が多い。今、社会的に政治的に効果的に変化をもたらす一番合理的な方法は選挙である。しかしある立候補者は氏族や企業などの基盤を強く持っているので通過儀礼のように決まったと思う人が多い。
 一方民団などは地方政治参政権を訴えている。日本籍ではない「在日」の人には選挙権がない。民族の被差別と誇りを語りながらそれを政治的にパワー化することができない。彼らが投票するようになれば日本の政治家たちの彼らに対する関心は変わるはずである。彼らはデモで抵抗運動はしても効果的な方法として国籍の取得を考えていない。それは国籍が手段か道具ではなく民族のアイデンティティとして考えるからである。私は彼らに寄留、戸籍、国籍などから解放されることを言いながらも自分は小さい肩書きを頼りにして生きる稚拙者であることを思うとまさに同じで50歩100歩である。