モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

可憐に戦う

2022-03-17 20:56:22 | 学生


千佳 中2 岩絵具・金箔/パネルに和紙

ザ・季節の変わり目という具合の気候が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか、ホノカです。今回は学生クラスの日本画から、千佳の作品の紹介です。幾重にも重なる花びらの繊細さや艶やかな色のチョイスが素敵ですね!

完成した作品は少し大人びた印象のある色ですが、実は塗り始めた時には花びらにかなりビビッドなピンクや、明度の高いピンクが使われており、調整を重ねてこの色味になりました。日本画で使われる絵具は基本的に混色が出来ません。また下塗りを行うと、その色の影響を受けて、見たままの色で発色しないということもあり、自分の思った色を出すことが難しい画材となっています。彼女もその難しさに悩みながら試行錯誤で完成させていましたが、その塗り重ねがとても生きていると思いませんか?
というのもピンクを何度か塗った段階で、影の色として深い青色を入れており、その上から落ち着いた赤みのピンクを重ねていました。そのため花びら全体に青が透けており少し冷たいような、花の凛とした雰囲気が感じられます。また、日本画らしい線で描かれた様な部分と、花びらを一枚一枚丁寧に描いた繊細さが相まって薔薇のような可憐さもありますね。完成間際には葉の部分が違う気がする...と言いながら透明水彩で描き足していましたが、落ち着いた色にしたことで、より花びらの色が目立ち存在感が増したのではないでしょうか!

彼女は現在中学2年生ですが、とてもそうは思えない落ち着きのある色の選択や、金箔も花びらの隙間からちらりと見える上品さがありオシャレですね!サインも背景と近い色ですが、明度が高くなっているため絵全体が重いだけにならない見事なチョイスです。私としてはこの落ち着き具合を同じクラスの中1女子たちに見習って欲しいばかりですね...
慣れない画材との戦いだったと思いますが、最終的に作品としてまとめ上げたところに彼女の技量を感じます。今回の作品を経てさらにレベルアップしたことでしょうし、次はどんな作品が完成するのか楽しみにしてます!

コメント
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