モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

いつもと違う楽しさ

2022-03-03 21:31:00 | 小学生 絵画

日中外に出ると春の匂いがして嬉しいですね、ホノカです。
長きに渡りご紹介してきた小学生クラスの日本画も完成の足音が近づいてきましたね。今回、日本画のモチーフには、蓮や睡蓮などの花の写真と、好きな水辺の生き物の写真を組み合わせています。そのため色味が共通している水の青や、葉の緑、花の白は同じタイミングで塗ることで多くの色を作れるというメリットがあります。

絵具は青や緑、朱色など、塗るそれぞれの対象によって限りなくたくさんの色を作っていきます。この場合の『作る』というのは、混色ではなく、岩絵具を膠で溶いて水と混ぜる作業のことを差します。基本的に混色できないと2月17日のブログでも説明しましたが、その為にアトリエでは218色の岩絵具を用意してあります。(現在も買い足して増えています!)
完成間際には、水で溶かすだけで絵具になる『顔彩』や『透明水彩』も、細かいところの仕上げに併用しています。これらも利用することで、岩絵具にはなかった色味も描くことができます。

岩絵具は基本的には天然の石や、人工的に作られた釉薬の塊を砕き、その粒子の粗さで色を分けたものになります。そのため、色名としては一つでも、粒子の大小によって色の違いが生み出されます。また、岩絵具は粒子が粗くなればなるほど、粒子の反射が少なくなり色が濃くなるという特徴があります。
中世ごろには人工の顔料は存在していなかったため、日本画だけでなく油絵で用いられる油絵具も、石を砕いたものに油を混ぜて作られていました。他にも、アクリル樹脂を混ぜればアクリル絵具、アラビアゴムを混ぜれば水彩絵具という様に、日本画では膠を使う部分を変えることで普段使っている絵の具にもなるんですよ!

そして、金箔や銀箔を花の中心の部分や、水面に散らしていきます。金箔のみを控えめに貼る生徒もいれば、金も銀もたくさん使いキラキラにする生徒など、ここにも性格が現れますね。普段は元気によく喋る子が金箔も銀箔も少しだけでいい!といっていたのは意外な一面が垣間見えました。
最後に、朱色の絵具で判子のようにサインを入れ、完成です!

日本画特有の線を生かした描き方や、使い慣れない岩絵具などの画材。普段の絵画とは違う部分も多くあり苦難していた時もありましたが、完成してみてどうでしょうか?日本画は他の画材に比べても挑戦する機会が少ない画材です。また、西洋画とも違い、輪郭線をそのまま残すこともあり、完成した絵もいつもとは全く違う雰囲気になっていることでしょう。完成した作品は飾るのが私的なオススメです!

コメント
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