晴れ時々スターウォッチング

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C/2020 F8 スワン彗星 その2

2020年05月04日 | 彗星
Spacewerther.comにスワン彗星のUPDATEが載っていました。

「COMET SWAN UPDATE」 Thursday, Apr. 30, 2020
スワン彗星(C / 2020 F8)が急速に明るくなっています。ニュージーランド・ギズボーン在住のジョン・ドラモンドから「2~3日前に観測したときと比べてスワン彗星の明るさは劇的に増光しており、なんと肉眼で見ることができました。」と報告がありました。ジョンのほかにも、複数の観測者から、現在彗星の等級は5.5等級前後で肉眼で確認できる範囲内にあると報告が寄せられています。

ただし、肉眼で見えると言っても、現在のところはぼんやりとした滲みのようにしか見えません。望遠鏡を使って撮影すると素晴らしい姿を見せてくれます。ジェラルドリーマンがナミビアのチボリで撮影した写真です。

「これは口径30cmの望遠鏡で撮影したスワン彗星です。露出は30分です。」撮影したリーマンが述べています。「わずか40分間撮影した映像で作成したアニメーションを見ると、複雑な波と巻きひげ状の尾が波打つのを見ることができます。 Play the movie.

彗星の尾はとても長いので、リーマンはそれを視野に収めることができませんでした。 「私の写真の視野は約1.2度しかありません。」と彼は言います。 「しかし、私はより広いフィールドを撮影した友人から、尾が約8度伸びていることを聞いています。」ちなみに北斗七星のおわん部分の幅が約10度です。イメージの参考にしてください。

5月12日、スワン彗星は地球に0.56 AUの距離で接近します。0.56 AUという距離はそれほど近いものではありませんが、見る価値のある天体ショーになるかもしれません。現在の傾向が続く場合、スワン彗星は3等級あるいはそれ以上の明るさになると予想されます。3等級はプレアデス星団と同等の明るさです。

しかしながらスワン彗星の多くは不明のままです。観測から得られたスワン彗星の軌道は双曲線軌道です。このことはスワンが初めて太陽を訪れる彗星である可能性を示唆しています。そのような彗星は予測できないことで有名なので、今後何が起こるかは誰にも分かりません。今後の情報をお待ちください。

〈補足〉
ふ~む、明るくなっていますね~。2015年のラブジョイ彗星に似ている感じがします。
→過去ブログ「ラブジョイ彗星(C2014/Q2)1/24観望記録
日本でのスワン彗星観望好機は5/17~5/25頃でベストは5/21かなと考えていますが、いずれも高度が低いので期待薄といった感じです。

余談ですが、5/23にあのアトラス彗星とランデブーをします。

アトラス彗星(C/2019 Y4)の核がもっと大きければ、または崩壊せずサンバーンに耐える核であったら、二大彗星の世紀の共演が見られたかもしれませんね。おしいな~

スワン彗星の尾がこのまま10°をキープしたときの予想図

このような彗星が見られたら最高ですが、過度の期待は禁物ですね。薄~い期待を持って今後の情報をまちましょう。

*星図はステラナビゲーター11にて作成