駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

失礼な感想、意外にしっかりしている

2017年02月23日 | 町医者診言

 

 強い風の後は土砂降り、手荒い春の兆しに敵わんなあと裾を濡らして出てきた。

 白昼に暗殺された金正男が滞在していたマレーシアの警察、以外と言っては失礼だが随分しっかりしている。どうも日本人は自分達ほどきちんと仕事をする国はないように思っているところがあるが、そうでもないのではと感じた。確かに列車の運行や素早いお釣りの計算など末端のきめ細かさに抜かりはないのだが、肝心の中枢の根太いところは必ずしも特別優れているとは言えないと観測する。

 知人と話していると東南アジアなんて抜かりが多く、末端の役人などいい加減だと行ったこともないのに断ずる人が結構いるが、マレーシア警察は北朝鮮にもはっきり物を言い、犯人らしき人物を手配し実行犯も拘束している。雑多な民族人種が入り乱れる亜熱帯の国にしては良くやっていると大変失礼な感想が浮かぶ。暑さのせいにしては筋違いかも知れないが、暑いので厳格正確な生活習慣はないかもしれないが、大筋を違えない国の運営はできているのではと思わせられた。

 文部省の天下りの醜しい身勝手さ、アメリカほどには権力に噛み付く力のないマスコミ、東芝の誤魔化しMRJの失態など大元の所は、日本が一番しっかりしているとは言いにくいと気付かされる。

 微かにではあるがNHKに顕れた変化に秘かに注目している。

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医業の軟着陸は難しい

2017年02月22日 | 身辺記

       

 また少し冷え込んできた。暖かくなったり寒くなったりというという揺らぎは気候だけでなくありあらゆることに付いて回る。

 二三年前から頭の片隅に引退を置きながら働いている。会社勤めではないので年齢で退職が決まるわけではなく、自分で決めなければならない。K先生のように65才で辞めると宣言して準備し辞められた人もいるし、A先生のように辞めたら遊ぶぞと公言しておられたが,75才で辞められて数ヶ月で入院しそのまま亡くなってしまわれた方もいる。

 奥様と旅行三昧のK先生は羨ましいようで、何だか毎日が日曜日もなあと思うし。A先生残念だったろうなあと思いつつ、死ぬまで働くのも悪くないかもしれないとも思う。仕事というのは大変だけれども、仕事ほど全力投球できる趣味や遊びを見つける自信もない。趣味はたくさんあるが、余暇だから楽しめるような気もするからだ。昔から晴耕雨読というが、それが准高齢者の理想の生き方かもしれない。

 午前中二時間ほどで十人の患者を診て暮らせたら、楽しいだろうなと思う。実は十人も患者が来れば、看護婦と事務員一人なら世間の倍の時給を支払っても十分やってゆける。経験と知識があるから、難しい病気が来ても、どこそこの何先生に診て貰えば良いかはたちどころに分かる。患者さん達の持っている情報は不確かで不十分なものが多いので、半径十数キロではどの先生が一番合っているかを教えて紹介状を書いてやれれば老医としては十分役に立てる。安定した病気の患者とは世間話をしていればいい。

 しかし現実には、医者は客商売だから来る人を拒むことが出来ず仕事を減らすことができない。絶対に無理というわけではないだろうが、掛かりつけ利用の患者さんが何千人も居るので、選んだり制限したりすれば不満が出るだろうし、変更するには役所手続きも煩雑だし職員を解雇しなければならず、物凄いエネルギーが入りそうで却ってそれで体調を崩しそうだ。

 どうしたものかねと考え辺りを見回しながら働いている。

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技術の裏付けがなくては、おもてなしも

2017年02月21日 | 診療

         

 昨日は春の嵐で突風が吹き、午後の患者さんは半減だった。そんな中95kgのM氏が吹き飛ばれそうでしたとやって来た。看護師と二人で怪訝な顔をすると、苦笑しながら私でもと付け加えられた。M氏は三国志や水滸伝に出てきそうな偉丈夫で、韓国中国香港台湾から東南アジアまで飛び回っている企業戦士だ。どうも風貌のせいか、何処に行っても御馳走責めらしく、我々の口うるさい指導で漸く100kgから少し痩せられた。他にも同じような地域を回って居られる企業の患者さんが居られるが、その激務?に耐えるには食事が鍵のようで、どうも脂っこくて困りますという方は長続きしないようである。

 春二番が吹き、日射しがあるとかなり暖かくなっては来たが、日が陰るとまだまだ冷たい。午後、往診に出かけると三寒四温で温かい日と冷たい日がある。「おもてなし」で勝ち取った東京オリンピックであるがこの「おもてなし」には心が肝心といっても、実は技術が伴わないと地に落ちてしまう。往診に行くと大抵のお宅で手洗いの水と手拭きのタオルを用意して下さるのだが、困ったことにハイハイと洗面器に手を突っ込んではいけないのだ。七、八軒に一軒、火傷しそうに熱いお湯だったり、ぞくっとする冷たい真水だったりするお宅があるからだ。そうしたわけで、まず指先をそっと入れてから手を沈めるようにしている。往診に伺う時間は時に十五分位ずれることもあるが、大体数分のずれで到着できる。勘の良いお宅は季節にあった適温になっている。

 例外もあるが一事が万事で、靴が揃えられ適温の手洗いのお湯が用意されているお宅は患者さんの介護もキチンとされていることが多い。心が籠もっているかどうかは無用の詮索だろう。言葉ばかり心が籠もっているようでも、技術と裏付けなければ、帰り道で首を傾げてしまうことになる。

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果たしてどんなものか

2017年02月20日 | 世の中

 

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 三寒四温で一昨日から比較的穏やかな陽気が続いている。発熱の婆さんは昨日は横ばいだったので経過を診たが、今朝も解熱せず食事も殆ど取れていない。本人も入院しても良いという。朝早くS病院に頼み込んで救急車で送った。外来が始まる前で当直も疲れているだろうが引き継げるせいか?二つ返事でOKが出た。高齢で予断を許さないがこれで一安心だ。

 ニュースを見ると錦織が又決勝で負けている。どうも準優勝男になってきている。勝てる相手でも優勝というプレッシュアが掛かると負ける。厳しい評価かもしれないが、ジョコビッチも指摘しているとおり錦織の弱点は精神力だ。外来でも家では正常値だが医院に来ると血圧が上がる患者さんが数多い。どうもここ一番で緊張し過ぎる人は珍しくない。尤も、かくいう私も緊張しやすく人のことは言えない。まあしかし、超一流になるには乗り越えなければならない壁だ。マレーが乗り越えた壁を錦織にも乗り越えて欲しい。

 金正男の死因が未だ不明と報じられている。毒物によっては容易には特定できないだろう。今更ながら事実は小説よりも奇なりという言葉とオーム事件を思い出す。悪の独裁者は酷似している。

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これでいいのか

2017年02月19日 | 小考

      

 バカボンのパパなら「それでいいのだ」と言ってくれるだろうが、週末の病気は困るのだ。ヘルパーさんが付いており、孫は市内にいるのだけれども95才の一人暮らしのおばあさんが土曜日の午後に熱を出すと困る。もう十年見ているから、救急車を呼べとは言えず駆けつけ警護で診に行って来た。

 今朝から元気がなく、ヘルパーさんが来たときには38.5Cでぐったりしていたとのこと、意識はしっかりし血圧も普段と変わりはないが、食欲がなく少し咳が出る。インフルエンザの検査は陰性だった。上気道感染でよさそうだが、果たして投薬だけで十分だろうか、救急車を呼ぶことも考えたが、大歓迎ではない面々の顔が浮かぶし、婆さんも「大丈夫」(全く当てにならない)と言うので処方箋を渡して、ヘルパーに日曜日に調子が悪ければば救急車を呼ぶように伝えて、逃げるように帰ってきた。

 土曜日の夜はトランブ(万年初心者のコントラクトブリッジ)の例会に出たのだが、調子が悪くM氏に色々ご注意を受けた。今日はホテルで昼食の予定で、何も気がつかない家内から服装の注意など・・を受けているのだが、どうも妙に気がかりで落ち着かない。昼頃ならヘルパーが居合わせるかもしれない、電話を入れてみるか。

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