駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

専門家にトランプ現象の解説を聞く

2017年01月25日 | 政治経済

     

 昨夜BSのプライムニュースで「2017年の世界情勢 歴史視点から読み解くトランプ現象の大波」を見た。プライムニュースは一つのテーマを専門家や関係者をゲストに招き時間をかけて議論し理解を深めようとする優れた番組で、時間があれば見るようにしている。

 専門家にもトランプの影響を予測するのは難しいのだが、ゲストの五百旗頭真 熊本県立大学理事長と細谷雄一 慶應義塾大学法学部教授は共にさすが専門家だなと感心する世界情勢とトランプ現象の読解を披瀝された。勿論,優れた分析解説が出来ても、どうなるかを予測するのは非常に難しい。というのはこうすれば良いと言う道を示せても、ポピュリズムを利用しながら損得で動く指導者とポピュリズムを生み出す人達は相手への配慮を欠き全体のことが視野に入らないから行き過ぎ衝突する恐れがあるからだ。思想や規範に価値を置かない損得勘定のトランプはしたたかに計算して動いてゆくだろうが、いつまでどこまで持つかはわからない。

 損得だけで動く人が少数であれば社会は避ける譲る懲らしめるなどの緩衝作用で、摩擦や被害を小さく出来るが多数になると社会や国の破綻が生ずるかもしれない。終わりの方で五百旗頭さんは破綻回避にドイツと日本の役割が大きくなるからメルケル首相と安倍首相に期待すると言いながら、慌てて?安倍さんは右寄りだったが今はプラグマチックだから大丈夫?と注釈を入れられた。演ずればそれが実態ということか。

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症状がないからと通院を止める患者さんも

2017年01月24日 | 診療

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 年に二人ばかりいつの間にか通院を止めてしまう患者さんが居る。実際に通院しなくなる患者さんはもう少し多く六、七人居られると思う。それは引っ越したり何らかの理由で転院する患者さんで、多くは紹介状を所望される。

 引っ越しや転院でなく通院しなくなる患者さんは、要するに医者通いを止めてしまった訳で軽い認知のある高齢者に多い。その多くは自覚症状がないから止めてしまうらしいのだが、中には経済的な理由や長い距離を歩くのが大変になったなどの理由もあるようだ。そうした患者さんは家族が居ても孤立しており、家族は通院を止めたことに気付いていないことが殆どだ。

 そうした患者さんが半年、一年ぶりに家族に連れられてやって来ることがある。眩暈がして救急を受診したら血圧が200あったとか、この頃物忘れがひどくなったとかいう場合が多い。

 慢性疾患で通院される患者さんには家族構成を聞き、自覚症状がなくても受診の度に現在の状態を説明しているのだが、取り敢えずまともな受け答えがあればそれ以上踏み込まないことが多く、返事だけで実際には良く理解できまなくなっている人を見逃すことがあるようだ。多少認知があっても人は誰しも自分の考えがあるので、通院を続けても意味がないと判断されるのだろう。

 こうしたことが起きる一つ理由には、来る物は拒まず去る者は追わずを原則にしているので、急性憎悪が疑われるような場合でなければ、医院側からこの頃来られませんがと連絡することはしていないからだ。何らかの理由で他の医院に変わられたり(患者さんは変わりたくなくても家族の意向と言うこともある)、入院していたり、亡くなっていたりすることが多い。そうした訳で連絡しても、お互い厭な思いをすることもある。尤も、自覚症状がないからと通院を不十分な自己判断で止めて悪くなることもあるので、そういう患者さんには何らかの連絡を取った方が良いのかも知れない。この辺りの見極めは難しい。

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トランプは予測不可能か

2017年01月23日 | 小考

   

 今日は寒い上に風があり、肩をそびやかして歩いてきた。冷たい風は敵わん。

 昨日のテレビは新しく誕生したトランプ米大統領番組が目白押しだった。アメリカ製と日本製といくつかを垣間見たのだがどちらにもこれでよいのかこれからどうなるのかの懸念が溢れていた。アメリカのメディアは多種多様なのだろうが、権力者を恐れず批判をするメディアが存在するところには感心する。

 アメリカ製の方が率直でトランプはとんでもない人物とあからさまに批判する発言が聞かれた。日本の方はどうも専門家という人まで予測不可能だとか戸惑う発言が多かった。果たして日本の外務省はどういう見方をしているのだろう。相性の良い安倍首相頼りということはないと思うが、相対の取引が得意のトランプ大統領に引けを取らないようにしてほしい。中露に加え米までの難題で外務省医務室では頭痛薬が大量に処方されているだろう。

 日本の経済界の交渉能力が世界的に見てどの程度のものかよく知らないが、技術力はトップクラスでも交渉力はもう一つなのではないかと危惧する。どうも誠意が通じる人ではなさそうで、こうすればお得ですよと何とか互恵に持って行くのが最善のようだ。脅しに屈するのは拙いが、脅しに乗って只では転ばない方式が得策かも知れない。

 トランプ大統領は似たもの同士だと上手くゆくのだろうか、似ていてもお互いに自分の利益が一番とすれば争いが起こる心配もありそうだ。トランプ大統領は自分の利益最優先に立ち回っても原理主義的な印象は薄く、世界各地の内向き現象をトランプ現象と捉えてよいのか疑問も湧く。分断という現象面では似ていても、内容は違っているような気がする。この辺りは専門家の意見を聞いてみたい。

 難題としても外交政治評論家はトランプは予測不可能ですと言わないで戴きたい。それなら私でも言える。

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K君の帽子

2017年01月22日 | 人物、男

        

 この頃帽子をかぶっている人を見かけることは少ない。尤も、記憶を辿っても帽子をかぶっている人が多かった時代を思い出すことは出来ない。どうも帽子をかぶる人が多かったのは戦前のことのようだ。 

 外来に時々帽子をかぶった中高年女性がやってくるが、殆どはぼさぼさの頭を隠すためのもので、おしゃれというのとは違う。それでも我が町にも一軒帽子屋がある。外から見たところ女性用のようだが、ついぞお店内に客さんを見かけたことはなく、他人事ながらやっていけるのかなと余計な心配をしてしまう。昔は花嫁が帽子をかぶったものだが、最近はどうなんだろう。

 シルクハットのロンドンでも帽子屋は減っているようで、帽子屋には苦虫を噛みつぶしたような親父が佇み、壁に面白半分でかぶってみるのはご遠慮をと書いてあった記憶がある。今はシティもカジュアルになってるのではと想像する。シルクハットの帽子屋はなくなっているかもしれない。

 友人のK君は私より3、4才若いのだが、よく帽子をかぶっている。ハンチングというのだろうかベレー帽に一寸ひさしが付いたようなスポーティな感じの帽子だ。髪の毛は年齢相当で、禿げ上がっている訳ではないので、本人は否定するかもしれないがオシャレなのだろうと思う。当然よく似合い、スポーティで一寸品の良い感じが漂う。170cmで60kgくらい、いつも微笑を浮かべどちらかと言えば醤油顔なのだが、陽関を出たシルクロード辺りで羊でも飼っていそうな雰囲気を持っている。

 帽子は髪型に依ってはかぶりにくいし、馴れないと一寸煩わしいかもしれないが、ネクタイ以上に雰囲気を変えオシャレな感じがするので、一寸似合う人には是非かぶって欲しいと、帽子屋の回し者のようなことを書いてしまう。K氏は穏やか謙遜な人柄で、彼が居ると場が和んで楽しい。帽子効果かもしれん。

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施政方針演説を読む

2017年01月21日 | 政治経済

         

 安倍首相の施政方針演説を読んだ。戦後七十年を踏まえ新たな七十年を見据え展望する演説としては自画自賛が基調で、過ぐる七十年の理解と評価も通り一遍、未来への展望も理念が希薄で格調が高い内容とは言えないと感じた。

 言葉ではなく実行をと謳い現内閣の政策の成果を誇っているが、批判を唾棄すべきものとしながら、自らも前政権と支持しない者を陰に陽に批判している。謙虚さと寛容の精神に乏しく、首相は敵愾心の強い人だと改めて感じた。

 新農政、中小企業対策、新たなイノベーション、働き方改革、成長と分配の好循環、個性を大切にする教育の再生・・・、一つ一つ誠にもっともなことばかりでその通りと首肯したい。ただ何故か、・・・しようではありませんかと呼びかけられても、ポツダム宣言をよく知らない立法府の長の元ではなくと感じた。一体どうしたことだろう。

 太平洋の向こうではトランプ新大統領が就任演説をしたようだ。未だ全文をを読んでいないが、特に新しいものはなく選挙中の主張を少し手直しし繰り返した内容と報じられている。

 政変のある酉年と聞く、市井末端の准高齢者も身と心を引き締めて、生きていかねばと思ったことだ。

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