駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

老化、三つのい印

2017年01月13日 | 町医者診言

           

 今朝は晴れているのに日射しが弱く、おまけに風があり冷たい道中だった。まだまだ四寒三温で寒くなる。

 準高齢者などと呼称を変えて古来希ならぬ近来溢れる我々を、若く扱おうとするのはなるほどではあるけれど、痛い痒い近いの三つい印を押された身としては複雑な心境になる。

 階段を上ると膝が痛い、暖まると腰回りが痒い、お茶を飲めばトイレが近い。これらは全て老化のなせる業で、個人差があるとはいえ紛れもなく寄る年波を告げている。

 思うに学会長とか閣内政治家とか活躍する芸能人は欲と活力で淘汰された人の集まりで、平均より元気な人が多いと診る。ご自分を基準にあれこれ判定して戴いては困る。言葉の煙幕を張る首相に並の人間庶民の生活感覚があるとは思えない。戦略的な基準を用意しないようにお願いしたい。

 確かに四半世紀前と比べたら、老化が十年ほど遅くなった。それを直視し受け入れる社会作りが必要だ。しかし三つのい印が消えた訳ではない。柔軟で多様に適応できるシステム作りを是非ともお願いしたい。杓子定規はお役所の専売特許であったが、これからは個体個性に対応できる伸縮自在のゴム製の定規でお願いしたい。それが無駄と無理を排し、AIが出て来る社会で人を生き延びさせる最良の作戦と申し上げたい。

コメント
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