駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

現代人の耐寒力は?

2017年01月05日 | 自然

      

 家を出て医院までの移動時間の寒さは多少辛くても耐えられるが、医院が朝寒いのには参る。暖房を入れるのだが暖かくなるのに二三十分掛かる。北海道などは室内暖房が行き届いているので、むしろ内地より暖かく、札幌から引っ越した患者さんが暖かいと聞いていたのに寒いとこぼす、外はさほどでは無くても家の中が局所暖房なので寒く感じるのだ。

 医院も自宅も暖房は全て電気なので、暖める力がもう一つ弱い。医院などは八台もエアコンを使い、随分の電気代を支払っているのだが、隅々まで非常に暖かいとはゆかない。二階への階段は勝手口と直結で殆ど暖房が効かず寒い。診察室は四畳半くらいの広さで狭いので、患者さんが下着だけになっても寒くない温度にはなっているのだが、どういうわけか私の手が冷たく触診の時、時々ご迷惑をお掛けしている。

 日本の家屋は夏の暑さに耐えやすいように出来ていると聞いたことがあるが、昔の人は寒い冬をどうやって凌いでいたのだろう。エアコンはスイッチ一つで二酸化炭素も出ず扱いは便利だが、部屋の上の方に位置しているので足元が冷える。家庭では床暖房という上手い方法もあるが、医院では設計士も勧めなかったし思いつかず採用していない。

 昔の人は耐える力が強かった上に身体を今の何倍も動かしていたのでさほど寒くなかったのかも知れない。看護師は比較的薄着なのだが、寒そうでないのは医者の何倍も動いているからだろう。診察室の椅子に座ったきりで口と指しか動かしていない医者はどうも足元指先が冷える。これは年寄り医者の繰り言かも知れない。尤も、患者さんも現代人のせいか冬は寒いので厭と言い、夏は暑いのは敵わんとおっしゃる方が多い、やれやれ。

コメント
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