駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

次の人が座りますので

2017年01月10日 | 

      

 今日は晴れ上がっていたが放射冷却はさほどでもなく、気持ちよく駅まで歩けた。着ぶくれというのでもないだろうが、何だか電車が混んでいる感じがした。

 「いいよ、大事な物は入っていないから」とつぶやきながら、中待合に上着や手荷物を置いて診察室に入る患者さんが居る。看護師のAさんは申し訳ありませんがお手元にお持ち下さいと声を掛ける。看護師のSさんは次の人が座りますのでと注意する。

 看護師が席を外している時、診察室に入った患者さんがドアを閉めないことが結構ある。私が腰を浮かせて閉めるとあっそうかと気付き「申し訳ありません」と言う人と黙って早く診てくれ?とじっと坐っている人とが居る。

 細かいことだが人様々で違いがある。余程の非常識でなければ、患者さんに注意することはないが、社会で気持ちよく生きて行く作法は身に付けたい。相手のことを考えたさりげない気遣いのある社会は生活しやすい、もっと踏み込んで生きやすいと言っても良いかもしれない。旅をして住んでみたいと思う土地は風光もさることながら、暖かみを感じさせ気持ちが落ち着く土地柄だ。勿論、特に北国の人などは奥ゆかしいというか控えめなところがあるから、直ぐにはその良さが分かりにくい場合もあるだろう。それに自分の感覚の方がずれているかもしれない。妻と私では育った土地柄の違いからか、旅をしてここに住んでみたいと思う場所が違うことが多い。私は静かで人によってはちょっと淋しい感じがする所が気に入ることが多いのだが、妻は賑やかで洒落た街が好きなようだ。

 東京は広いので一口では言えないし褒めすぎかもしれないが、無関心のようでいてさりげない気配りが利いている大都会だと思う。ここら辺りならと思う街角も多い。

 東京街角案内文といえば川本さんが定番だったが、最近又吉さんが出てきた。一寸心象風景的なところもあるが、うんそうだなと心の中で相槌を打ちながら読んでいる。えっそうなんですかと嬉しそうに言ってくれそうな気がする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする