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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

本を拾い読む日曜日

2016年05月16日 | 

        

 天気が良いので近くの山へドライブに出かけた。人出が多かったようで、軽い渋滞に巻き込まれたが、携帯電話も鳴らず、日曜日らしい日曜日を過ごせた。

 読書家のつもりでいるが、本をたくさん買うだけで、最後まで読み通す本は五冊に一冊もないので、積読書家でしょと言われそうだ。ただ、同じ本を繰り返し読み、同じ著者の本を読むという点では読書家と言えるかも知れない。

 久し振りに川本三郎さんの「そして、人生はつづく」を拾い読みした。いつだったか、どうもこの題はしっくりしないと書いたと記憶する。大分慣れたがまだあんまり好きになれない。本の中には川本さんが居られ、小さい旅をしながら土地の風情や友人知人そしてまつわる小説や映画の話が語られている。該博な知識や凄い記憶力に驚く。今まであまり気に止めなかったのだが、最近めっきり自分の記憶力が落ちてきたせいか、半ばお仕事とはいえ凄いなあと感心してしまう。

 好みは異質な人でもどこかに自分に似ている所がある人に対して生まれやすいと思う。小平邦彦 開高健 小野寺健 野田知佑 津野海太郎 川本三郎 椎名誠 多和田葉子・・のエッセイを繰り返し読むが、どうも共通点が思い浮かばない。

 川本さんの場合はこんな所に住んでみたい、住んでみたらどうだろうなどと空想されるところ、かなりの距離を徒歩で歩いてしまわれるところは自分もそうなので、成る程そうかとよく分かる。お陰で日本のあちこちを旅した気分になれる。夏の小旅行は何処にしようかと考えているのだがお勧めの函館は一寸遠い、盛岡も川本好みのようで候補に入れておこう。

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又吉がいい

2016年05月15日 | 小考

             

 芥川賞を取った時には漫才の人がと一寸妙な気がした。ところが又吉を見聞きするたびに作品を読んでいないのに成程と思う。それどころか彼のファンになってしまった。申し訳ないが、漫才の芸は知らないので、語り口と話すことに魅かれたといえばいいのだろうか。正直に言えば見た目も、何だか土器と同じ扱いで悪いが縄文的で味わいがあり、世界どこに行っても街に馴染む雰囲気を持っておられる。

 率直とは少し違うが脚色するような人ではなく、あまり女性に持てないという告白もそうなんだとすんなり理解できる。今頃、仕舞ったと思っている女性が居るかもしれない。当然、文学の才能に恵まれておられるのだが太宰がお好きということで、その辺りはちょっと違い、作品を読むようになるかどうかはわからない。インタビュアーとしてレポーターとしての活躍を楽しみにしている。町工場を訪ねる又吉、診療所を訪ねる又吉、農家を訪ねる又吉・・・、カトマンズを旅する又吉、ブルックリンを旅する又吉、チュニジアを旅する又吉・・・。又吉企画があるかどうか知らないが、お願いしたい。

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Eyes of King & Queen

2016年05月14日 | 世界

               

 本物の王女かどうかを敷き布団の下に豆一つを置いて気付くかどうかで試す話がある。まあ実際にそれ程極上の寝具で育てられるものかどうかは知らないが、別世界極上の環境におられるのだろうと想像する。

 しかるにエリザベス女王も天皇陛下も、驚くべき広い視野と常識をお持ちのようにお見受けする。今回のエリザベス女王の中国要人に対する発言、運悪く漏れてしまったようだが、宜なるものと平民の私は感じる。はしなくも品性は現れる。物議を醸すことはないだろう。物議を醸す人はその程度の人と相手にしないことだ。

 宮殿や皇居にお住まいになり、庶民と接する機会はないはずなのに、どうやって広い視野と常識を育まれているのであろうか、不思議な気がする。エリザベス女王はそれこそ世界中の要人とお会いになる機会があり、実際に太平洋の島国までお出かけになった経験をお持ちだ。陛下も数多くの国を訪れになり、全国津々浦々まで行幸をされている。そうした折節に、濁りのない目で人民や物事の有り様を見ておられるせいであろうか。

 誤魔化しや醜い争いが横行し、不安定な平成時代ではあるが、クイーンや陛下を戴く民は幸運なのかも知れない。

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桝添氏を選んだのは都民

2016年05月13日 | 町医者診言

                     

 三寒四温が三涼四暑に変化してきた。三涼四暑などという言葉はないと思うが、気温の揺さぶりが続いている。今朝は歩くと汗ばみ、今年の夏は猛暑ではと、今から懸念している。

 暑いといえばマスコミが桝添東京都知事の話題で沸騰している。詳細は知らないが、どうも非難の斉唱で、些か違和感を感じる。

 舛添氏は確か厚労大臣として官僚の評価は高かったはず、行政手腕を買われて?知事に選出されたのではなかったのか。単に芸能活動で知名度が高かったからではないと思っていたが。いずれにしても都民の選んだ人だ。品性にいささか疑問があることは都知事選の時に駅前糸脈でも指摘しておいた。それでもバランスが取れ有能な人物だとして、都知事に選ばれたのだろうと地方都市在住の私は理解していた。

 勿論、都民全ての声ではなく、例によってマスコミ記者が毛嫌いする人物であったことも災い?しているのだろう。私の選んだ人が、二三年で違ったとかいう事例には事欠かないが、そうした場合は恋は盲目ということもあるだろうといくらかは理解するが、舛添氏の場合は十年の長きにわたり晒しの仕事をしていた人物なので、思ったのとは違ったあるいはそれ見たことかの斉唱にはどうも同意しがたい。完璧な人物なんていないのが世の中、人畜無害ならともかく有能な人には、影が付きまとうものだ。けしからんと息巻く人もスケールは小さくても、まったく後ろ指をさされないということはないだろう。どうも人を糾弾する時は、急に立派な人物になるのはおかしい感じがする。

 当然、私も品性に問題のある行為と思っているが、返済はともかく辞めろとまでは思わない。賢い人だ、品性は治りにくいが、態度を変えることはできるるだろう。

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薬効の差を感知することが出来るか

2016年05月12日 | 医療

                             

 毎年いくつかの新薬がでる。この数年の間に糖尿病で素晴らしい新薬が二つ出た。それはDPP4阻害薬とGLP1作動薬だ。先にDPP4阻害薬が発売された。売る方も使う方も最初はどれほどのものかと思っていたのだが、期待以上の効果と使い易さ(体重を増やさない、低血糖を起こしにくい)に、糖尿病治療は一変といっても大げさでないほど変わった。当然、売れ行きは物凄く、薬品メーカーの目の色が変わった。同種同効薬八種がくんずほぐれつ入り乱れての売り込みで、説明というか宣伝を聞いている方は何が何だかよくわからない状態になってしまっている。

 十数年前に出た高血圧の新薬ARBの時には加熱する売り込みに釣られ?、結局ほとんどすべての同種同効薬を使う羽目になってしまった。メーカーやメーカーお抱え?の専門家の話では細かい差があるということで、なるほどとどんどん採用してきたが、正直なところ十分な使い分けはできていない。中にはこれとあれとは違うなあと感じるものもあるが、高々十数例の症例で感じられる差が、本当に意味のあるものかどうかは難しい。どうしても何百例何千例でのデータや、専門家の意見を参考にせざるを得ない。これは臨床医の性なのだが、少しでも良い治療をしたいという気持ちが良いといわれるものに走らせてしまう。

 今のところDPP4阻害薬は五種類に抑え?ている。果たしてGLP1作動薬は現在2種類を採用しているが、最終的に何種類を使うことになるか不明だ。薬には使い心地というものがあり、それは臨床医の大きな財産で、あまりに多種類の同効薬を採用するとそうした感覚が形成できなくなってしまう。勿論、多症例でのデータや専門家の意見も参考にするわけで、どの新薬を採用するかは売り込む方も大変かもしれないが、採用する方には本当に難しい問題なのだ。

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