駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

家族への言葉が今を生きる我々に

2016年05月19日 | 人生

                      

 今日も晴れており、医院着いた時には軽く汗ばんでいた。郵便受けに届いていた、総合病院へ紹介した患者の返事を読む。高々四百字程度であるが、診察してくれた医師の性格と力量がよくわかる。N病院のM先生にはまた患者さんをお願いしよう。

 しばらく前になるがNHKで森山良子のファミリーヒストリーを見かけた。森山さんの父親、日系二世の久さんの数奇な運命に最後まで見てしまった。運命に弄ばれる東京ローズのことも出てきた。

 森山久さんは日本人とアメリカ人の良いところを併せ持っておられた方のようで、従容と覚悟を決めて静かにおおらかに生きようとされていたように受け取った。中で心に残ったのは、過酷な運命に対峙した時 We must live と家族に告げて生きようとされたことだ。

 生きている者生き残った者は生きてゆくのだという強い意志を感じた。余計な講釈を言わない人の心の奥に、秘かに宿っていた決意に感じるものがあった。

 自分と自分の家族へ発せられた言葉が、自然の脅威、科学の進歩と人間の愚かさが錯綜し混迷する今の世の中へのメッセージとも受け取れる。

 We must live.

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