駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

どうやって暑さを凌ぐか

2015年08月06日 | 町医者診言

                   

 高校生は夏休みと言っても部活があるようで朝早くから電車に乗ってくる。中に大胆不敵な女子高生が居る。股を広げ間に部活用バッグを置いて、スカートを膝上まで上げて、涼を取っている。なんだこいつと顔を見ればショートヘアで日焼けした仏頂面だ。残念というか本人も心得て居るのだろうが、セクシーではない。

 ハリルジャパンの韓国戦を見た。ぎりぎり合格点と言うところだ。五分五分の実力と判定する。マスコミは期待しすぎというか過大評価をしている。欧州組が入ればもう少し力が上がるだろうが、日中韓北は僅差で競り合っている。紙一重強くなるにはJリーグの内容を変える必要がある。ハリルの言うようにフィジカルにも問題があるが、メンタルでも物足りない選手が三分の一くらい居るように見受けた。

 壁にぶち当たっている日本サッカーの現状に協会はどの程度危機感を持っているだろうか。一朝一夕で実力を上げるのは難しい。短期中期長期の見通しと対策が欠かせない。情報が少ないが、協会の意思決定はオープンそして科学的だろうかと気になる。広く意見や要望を聞いて、決めたことはぶれず浸透させなければ前へ進まない。スポーツ紙は人気を煽るのも仕事の側面があるので、一概に過大評価をするなとは言わないが、中韓北を正確に分析した冷静な評価も必要だ。分野は違うが囲碁に起きたことを参考にする視野の広さをお願いしたい。

 カバの私も知っている。井の中の蛙で内弁慶、これが間違いを引き起こす。

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高齢者には厳しい暑さ

2015年08月05日 | 診療

           

 異常に暑い日が続いている。猛暑日が続く地方も多い様子だ。電力不足を心配する声が聞こえないが、空調フル運転でも大丈夫なのだろうか。この高温では、空調使用自粛なんて無理で、まさかの大停電にならないように供給側できちんと備えをして欲しい。

 厳寒ほどではないが酷暑も高齢者には乗り越えるのが大変な季節で、発熱や脱水で入院を要する病態の患者さんが増えている。既に二人入院後亡くなった。本人やご家族には申し訳ないが、やむを得ないというか仕方がなかったと感じている。勿論、万全なことが出来たかと問われれば、そうとばかりは言えないのだが、できることはさせて戴いたからと思うようにしている。

 在宅でも病院でも直接介護に関わったご家族から不満の声が出ることはまずない。時にご不満を口にされるのは遠くから来られた縁者で、それも一時的なことだ。憤懣のはけ口と甘受してきた。

 昨日もKさんが亡くなったと病院からFaxが入っていた。西陽の入る四畳半に寝かされ、介護する奥さんも高齢で、往診に行くたびに介護をするのが大変と病人以上に訴えが多かったから、自宅で看取れなかったが、密かにこれでよかったと思った。

 色々な患者さんご家族が居られるが、正直に告白すれば市井の臨床医は亡くなったあとにお礼のご挨拶があると本当に心が安らぐ、やむを得ないとは思いながらも心の負担がないわけではないので。

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迷惑ってどういうこと

2015年08月04日 | 町医者診言

              

 暑い日が続くので、頭も身体も動きが悪い。患者さんとどちらともなく「暑いですね」と言い合っている。

 磯崎首相補佐官がつい口から出た本音で国民与野党の皆様にご迷惑をおかけしたと謝罪しているが、国民の私は迷惑を受けた覚えはなく謝罪して貰うような筋合いはない。迷惑したのは与党でしょう。もっと正直に表現して欲しい。

 いずれ首相からは時と場所をわきまえろという注意があったと推定するが、綸言汗のごとしで、撤回しても取り消しても覆水は盆に返らない。とにかく形と手続きを踏んで忘れっぽい国民の性質に期待しているのだろうと思う。何時までも言えば、謝ったのにいつまで言うかと、どこからか加勢する人達が現れ逆ねじを巻き始めるのだろう。

 もし本当に法的安定性が重要なら一内閣の憲法解釈で自衛権の範囲を変えるのはおかしい。ここは正直に法的安定性よりも日本の自衛力を高めるため集団的自衛権を解釈で可能にする事の方が重要だと主張するべきだ。個別的自衛権よりも集団的自衛権の方が自衛隊員は安全に海外で任務に就けるというのは何度聞いても理解できない。正直に危険度は増すが日本を守るためにはやむを得ないと言って欲しい。

 国民がそれくらい簡単な理屈を理解できないと思っているのだろうか。言い回しで国民をたぶらかそうとするのは止めて欲しい。東北なまりで朴訥な感じで良い人の印象を与える髭の佐藤議員と慇懃無礼な印象の磯崎補佐官を交換したらどうか。言葉だけでなく印象でもまぎらわそうとしていると感じる。政策にもコマーシャル的な戦略が見え隠れしている。

 

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多面的に患者さんを診たい

2015年08月03日 | 診療

               

 高血圧で十五年通院しているNさん、来年は八十になられる。通院を始めた頃、工場で機械に巻き込まれ右手が不自由になり、随分辛い思いをされたが今は持ち前の陽気な性格を取り戻され楽しく診察させて貰っている。先日ちょっとと真顔になり奥さんのことを相談された。腰痛と不眠症で整形外科と精神科に通院しているが一年で5kgばかり痩せた、何か病気が隠れているのではと心配だ、付いてはきちんと調べて貰いたいので、総合病院を紹介してくれないかということだった。

 それではと総合病院の総合診療科に紹介した。紹介状を書く時、一度診察した感触では胃癌や糖尿病などの病気が隠れている印象はなかった。

 一週間ほどして返事が来た。器質的な疾患(癌や糖尿病)はない、認知症が出てきて食事量が減っているのが体重減少の原因と思う。もう総合病院へ来る必要はないと説明しました。ご主人も理解が悪いようで認知があるのではないかとしたためてあった。納得の行く結論であったが、返事の書き方には微かに違和感を持った。 

 病院の先生方の中には世間話などする暇はない、それは患者を集めたい開業医がすれば良いと極端なことを言われる人も居る。難病や重症の多い病院では一面の真実でも、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣の関わる病気を診てゆくには信頼を築くためにも世間話は必要なのだ。患者を集めようと愛想良くしているわけではない。

 総合診療科の医師がそういうことを思っておられる訳ではないと思うが、Nさんが理解が悪いというのはちょっと違うんだがなと思った。Nさんは露骨に言えば教育がなく、慣れないところでせかされては理解していても上手く受け答えが出来ないのだ。希望を言えば、なにがしかのリスペクト(敬意)を払ってあげれば上手く話せたと思う。医学用語の飲み込みは悪くても、板の削り方ではプロなのだ。

 

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もう八月二日

2015年08月02日 | 小考

           

 光陰矢の如しというのだが、この矢には加速度があり段々速くなるから厄介だ。え-もう八月の二日というので、驚いている。私の乗っている戦後一号に、もう少しゆっくりお願いしますと頼んでもちっとも遅くならずえらい勢いで前へ前へと進んで行ってしまう。これでは壁にぶつかったり崖から落ちたりしそうで行く末が心配になる。

 幸いというか、私も含め殆どの人は、不可知のことにいつまでもあれこれ思い煩うことがないように出来ているらしく、そういえば親爺もそう言っていたなあとお茶を飲んで濁すことになる。

 まあそれでも長く生きていると、何某かを学びいくらかは真贋を見分けることが出来るようになる。いつも書くのだが安保法制からTPPまで、語られてきた言葉を時系列で思い起こせば、語る人の狙いと中身が見えてくる。事実と真実よりも歓心を買うことに終始する言い回しに巧言令色鮮し仁を思い出す。

 学んで思わざれば即ちくらし、思うて学ばざれば即ち危うしは今も変わらぬ要の教えだ。物忘れが始まる年齢になって、より一層英知に敬意を払わねばと思うようになった。

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