駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

廻る悩みは

2015年08月25日 | 趣味

      

 既に旧聞に属するが碁の張栩九段が居を台湾に戻した。高々五年前までは複数のタイトルを保持する囲碁の第一人者であったのだが、井山裕太四冠の台頭により次々にタイトルを奪われ,三年前に棋聖を失い無冠となった。碁会二人目のグランドスラム達成者としては、この数年の成績には納得できないものがあったようで、生まれ故郷に帰ることにしたようだ。天才の心境を忖度するのは筋違いで大変失礼なことと承知しているが、ついふるさとに向かう六部は気の弱りを連想してしまう。

 元よりどのような経緯、心境の変化かは分からないが、何某かの悩み迷い鬱屈があったものと思われる。囲碁将棋はスランプが長く続けばそれはスランプではなく、実力の低下だと言われる厳しい勝負の世界だ。悩むから力が出ないのか力が出ないから悩むのか、どちらでもあるだろう。

 居をふるさと台湾に移すことによって、心がほぐれ気持ちが晴れれば良いと思う。三十五才は弱くなる年齢ではなく、捲土重来、会心の笑顔を再び見せて欲しい。婦人は囲碁棋士小林泉美さんで、台湾転居のため休場されるという。最強の女流棋士の一人なのにと残念な気もするが、第三者がとやかく言うことではなく、決意を心から尊重したい。

 どちらかと言えば生真面目で少し思い詰める傾向のあるお二人に見受けるが、泉美さんも台湾の水に馴染まれ、お嬢さん二人とご家族で馥郁と生きられることを願っている。

コメント (2)
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