駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

安倍談話の秘密

2015年08月15日 | 政治経済

         

 安倍談話が出たので、先ず英語で読んでみた。というのは英訳が直ぐ出ると報道されていたからだ。何だか随分歴史的な背景のことが書かれているなあと読み進んだのだが、どうも形容が多く翻訳調でごてごてして名文とは言えない印象を受けた。勿論、私は英語教師ではなく医学情報を英語で読むだけだが、これを暗記しろと言われたら英米の学生は難しいと言うのではないかと感じた。流れが途切れ羅列的で、回りくどいからだ。さすがに優秀な官僚も微妙な日本語を訳すとなると大変なんだろうと思った。

 ところが午後になってから日本語の談話を読んだら、何だか英語から訳したような翻訳調のすっきりしない文章で驚いてしまった。政令や通達ではないので、もう少し日本語としてこなれた分かり易い文章に出来ないものかと感じた。その理由はあちこちからあれこれつつかれないように細心の注意を払ったのと、後から色々追加手直しをしたせいだろうと思う。

 四つのキーワードを入れたのは公明党や安保法制の不人気に気を配ったせいだろうし、引用にしたのは安倍さんに現在形ではお詫びしたくないという気持ちがあったせいだろう。女性への長い言及は韓国と女性票への気配りのせいだろう。こうした憶測には失敬なという反論があるだろうが、今までの口跡と対応から、失礼ながらそんな風にも読める。

 こうした揣摩憶測は別にしても、既に多くの識者が指摘しておられ、私ごときが付け加えるのは笑止千万だが、公式の言葉として表に出た以上それに則した行動が求められ、今後の発言では常に整合性が問われて行くのは当然のことだろう。それが安倍談話の意味と重みだと申し上げたい。

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