駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ザックの心境

2011年11月25日 | 身辺記

 税理士の報告を聞く。

 「先生この三年1%ずつ売り上げが減っています(収益減に連動)。患者数は殆ど同じです。あ、いや、ごく僅か増えていますか」。

 「仕方ないじゃないか。実質保険点数は下げられたし、長期投薬が増えているからな」。(保険点数は見かけでは下がっていなくても、請求しにくい指導料などでの補填のため、それを請求しない当院では実質低下)。

 「これは県の内科系医院の統計です」。

 「あれ、収入が下がっていないね。横ばいじゃないか。患者数が増えているのかな?」。

 「いや、患者数は少し減っていますね」。

 「どういうこと」。

 「単価が上がっているんですね」。

 「成程。単価を上げて、減収をカバーしているんだ。うちはそうなってないなあ」、(事務長の白い目)。

 「患者数が減っていないのは立派ですよ」。

 「どうもなあ、敗戦のザックの心境だな」。 

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ブレア城

2011年11月24日 | 

    

 絵画教室で今春訪れたスコットランドのブレア城を描いている。八割方完成で、あと一息だ。白く瀟洒な城で要塞という印象はない。絵画も音楽も大陸に比べ見劣りするイギリスなのだが城と庭は味わいがあるように思う。大した知識はないのだが、ささやかな見聞からの独断である。

 入り口で受付の人に、昭和天皇が若き日ここに宿泊されたのをご存じかと聞かれ、ご存じなかった私は驚愕した。若き日に泊まられた部屋も見ることが出来、歴史を目の当たりにする大きな感動を受けた。戦後の民主教育を受けたにも拘わらず、強く日本人を意識し深い感慨があった。

 それにしても大正の時代によく皇太子を外遊させたなあと感心する。大英断であったのは間違いないが、それがどのように結実したかは、歴史としてこれから詳らかにされていかねばならないと思う。

 城はシンプルだが味わいのある庭に囲まれている。驚いたことにその庭の芝生を孔雀が悠々と歩いていた。ブリティッシュ否、スコティッシュの遊び感覚なのだろうか。

 

 

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おばさんの感覚

2011年11月23日 | 世の中

    

 絵画教室でスコットランド旅行で撮影した城の絵を描いている、一緒に習っているおばさんの一人が「これどこ?」。と聞く。

「スコットランドですよ」。

「スコットランドって、北極の近くね?」。

「そんなに北じゃあないですよ、イギリスの北の方ですよ」。

「スコットランドはイギリスなの?」。

「うーん」。と言い淀む鋭い突っ込み。イングランドの人はそう思っているのだが、スコットランドの人は?。

 

 おばさんの患者さん。「軟膏は壺入りのはないかね」。

「え、なんで」。

「チューブだと全部使えないから癪じゃない」。

「あー、なるほど」。

 

「吉井*子さん」。

「はーい」。

「あれ、吉田さんじゃない、吉井さん」。

「そうか、どうも早いと思ったんだ」。 

(だいたい*子じゃないし、4人も飛び越しちゃあ・・・)。

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落合監督ありがとう

2011年11月22日 | スポーツ

        

 中日の日本シリーズ優勝はならなかった。まあ、あの貧打ではやむを得ない、よく三勝三敗の接戦に持ち込んだと思う。

 はっきり言って落合は日本シリーズを盛り上げ面白くした功労者だ。巨人が強くなくてもプロ野球は生き延びてゆけることを、スポーツ新聞記者も気付いたのではないか。

 昔から落合を評価していた私は最近の落合評価の論調に片腹痛いが、見直されることは嬉しい。業界の手垢のついた既成価値観から自由な見方が生まれることは、プロ野球界の新たな活路を開くものかもしれない。

 PS 横浜がどうなるかはプロ野球だけでなく、横浜市民力の試金石だと見ている。駄目横と言われないように起死回生を目指さなければ元田舎(今?)の千葉の後塵を浴びるだろう。

                                Photo. R.Ogawa

 

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御免では済まないのでは

2011年11月21日 | 医療

            

 土曜の午後は休みなのだが、Yさんの奥さんから尿が真っ赤という電話で雨風の中を出かけた。午前の診療が終わって一息付いていたのにと嫌になるが、病気は容赦してくれない。

 Yさん(61歳)は交通事故で下半身が不自由になり、4年前から寝たきりだ。膀胱にバルーンという管が入っている。話を聞くと、昨夕施設から戻る時、運んでくれた男二人がバルーンの管を踏んだか挟んだかで強く引っ張ったらしい。「痛い!」。とYさんは叫んだのだが「ごめん」。でお仕舞い。今朝、溜まった尿を見たら真っ赤なのでびっくり、様子を見ていたが改善しないので申し訳ないのですが、お電話しましたとのこと。「いつもは女性の方が付いてくるのに男の人ばかりで心配したんですが、どうも乱暴で」。と言う。Yさん違和感はあるが痛みはもうないという。応急処置をして、血尿が続いたり、尿の出が悪ければ明朝電話するよう指示する。

 時々ある事故なのだ。家の人や本人の粗相なら仕方がないが、こうした病人を扱い慣れているはずの介護施設の人間がそんなドジでどうする。これは御免じゃあ済まないと腹が立った。治療費を請求してもよいのではと言うと、奥さんは預かってもらえなくなると困るから言いにくいと情けない顔をする。それが現実なのだ。あれこれ管が入った患者さんを預かってくれる施設は少ない、みんな頼み込んで受けてもらっている。 

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