駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

津野さんの文章

2011年11月10日 | 

 図書11に津野海太郎が書いている。久しぶりに津野さんの文章を読んでとても懐かしく感じた。今回は追悼文で、ちょっと悲しく淋しいところもあるが、なんというか適度な距離感に自由で味のある文体で、心のご馳走を戴いたように感じた。

 「歩くひとりもの」。自分は割とよく歩くが独り者ではなく、書いてある内容自体にあまり親近感を覚えないのだが、文体と視点が性に合うのか何度も読む本になっている。

 残念ながら女性で繰り返し読む文章家にはまだ出会っていない気がする。岸本佐知子さんや森まゆみさんは有力な候補だが、どうも女性は紙一重、己を上手く語れないように思う。まあ岸本さんはその点はほぼクリアしている気がするが、逃げ足が速い。須賀敦子さんも有力な候補であるが私にはやや難解だ。

 文は人なりとすれば、どこか微かに女性を意識して落ち着かないのであろうか?。

コメント
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