ターザンと言っても半世紀以上昔の話、今の人はご存じないかもしれない。ターザンのような男が好みと言う女性作家?が居たと記憶する。体格がよく勇敢で、余計な考えを巡らす知恵はないのが宜しいということらしい。男を見る目があると自負する年増のご意見と承るが、今もこうした意見に賛意を表する女性が多いかどうかは知らない。
まあ異性の好みなど、蓼食う虫も好き好きで、特別の法則はなさそうだが、そういうものかと記憶に残った言葉だ。
数多い患者さんの中にはターザンのような人も居る。Kさんはターザンなら引退しそうな五十代だが、仁王様のモデルになれそうな立派な体格で迫力のある面構えの人だ。恐そうだが、全然そうではなく気のいい人で、十分には守れていないが、指示にはいつも素直に従われる。唯、目から鼻に抜ける知恵は持ち合わせておられないようで、山道の法面保護工事など単純危険作業に従事しておられる。「崖を登るなんて怖くないですか」。なんでそんなことを聞くのかという風に「全然」。と答えられる。果たしてどんな奥様かは存じ上げないが、朝が早いから弁当は自分で作ってゆくと言われるので、朝寝の方のようである。
ターザンのような男が好みなのはいいが、果たしてターザンは賢く優しい伴侶に恵まれているだろうか?。