ショートステイの施設で働く人やヘルパーさんの中には思わぬ美人が居る。二十代の人はまず居ないので中高年の女性達なのだが、アマチュア画家で仕事柄数多い女性を見てきた私が言うのだから間違いない。彼女達の特徴はあっさりしていて自分のことを特別美人と思っていない?ことだ。十人並みでそこそこと思っているかもしれないが、ちょいと美人特有の意識というものは感じられない。
いわゆる女性的な柔らかさというか阿りというか、しっとりした感じはなく、あっさりしてストレートな物言いで意思伝達ができる。仕事も手際よく、動きが素早いのが特徴だ。尤も、そこが難しい所なのだが美人だなあと意識して見たりすると、さすがに何かを感じることはあるようだ。丸顔や小太りの人は少なく、やや面長ですらっとした女性が多い。
勿論、どこか私の好みという偏りがあるかもしれないが、美人というものには本人の意識も関わっていることを浮き彫りにする観察かもしれない。ちょっと美しいというのは女性にとって一つの才能というか武器だろう。しかしながら、それを生かして生きるのは結構難しいというか面倒なところがあると思われる。だから極く普通並みで生きる路線を選び、いつの間にかそれが地になって施設やヘルパー業務で働いているのかもしれない。
審美眼的にはあれこれ微妙なところもあるが、美女と野獣が教えているように内なる美しさというものがあり、見た目に恵まれていなくても気立ての良い人は美しく見えてくるという古今東西の真実があることも書き添えておこう。