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駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

医局は会社に似ている

2016年03月10日 | 小験

           

 昨日は暖かく、まとまった雨が降った。今朝は舗道は濡れていたが雨は上がり風は少し冷たいといってもさほどではなく、三寒四温の寒も和らいできた。

 昨夜は三、四回外来を手伝ってくれた女医さんが病院を変わられるので、送別会に顔を出した。大学の医局に属しているので、手薄な病院に移ってくれと言われれば会社員と同じでハイと二つ返事で移らねばならない。大学によっては四、五百キロの移動も希ではない。医局制度の功罪は色々あるが、所謂関連病院と大学とのつながりはおいそれと無くなるものではなく、五十年後も何らかの形で残ってゆくだろう。

 医局は制度としての問題もあったと思うが、問題教授、医局長そして院長という人達が足を引っ張った面もあると思う。関連病院というのは一種の領地で代々受け継がれてきたものだ。欲得なしには人間は頑張りにくいし、名誉、教育、恩義には人を動かす力がある。医局制度の中には、そうした原動力があった。

 実際に医局と関連病院というシステムにより、多様な医師が適正に配置され大きく育った例は数多い。単に希望者を採用する方式では、都会など子育てや生活に都合のよいところへ医師が集中してしまう。それに面接ではどんな人物かよく分からないので、採用してから合わなくて困ったと言うことも出てくる。医局があれば、合わない医師は動かすことが出来るので、院長の頭痛の種も減るし、異色の医師も他の病院では伸びる可能性もある。

 そうしたわけで医局は会社に似ていると思う、と言っても自分は会社で働いたことはないので類推しているだけだが。

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