終息しそうなインフルエンザが三月に入っても尾を引いている。まだ毎日数人インフルエンザの患者さんが受診される、ここに来てややB型が優勢で、7割くらいがB型だ。最近の検査キットは感度が上がり、時期を外さなければほぼ百パーセント検出できるようだ。唯、発症早期だと出ないことがあり翌日や翌々日に再検査して陽性ということもある。困ったことに続けて二回検査をすると、保険診療が認められないことが多く、わざわざ他の医療機関に回す医院もある。
私の所ではそれは手間だし初診料が余計な負担になるので、自院で再検査している。レセプトにはくどくどとなぜ二回検査が必要だったかを添付している。寛容な審査員に回ればよいのだが、杓子定規の審査員だとばっさり切ってくる。
インフルエンザは症状所見からインフルエンザだと診断した場合は検査も陽性のことが多い。ところが、違うと判断しながら念のためと検査した症例でも陽性のことが二三割ある。こうした症例では、職場やクラスで流行しているという病歴があることが多い。勿論、周りにインフルエンザなんて居ないという人でも罹患する。街中で隔離生活なんてあり得ないのだ。人間は原因を求めがちなので、なんで俺が私がと言う顔をされる人も居る。ワクチンを打った人も結構掛かかるのだが、大阪と違い?、ワクチン打ったのにと不満げな方が居られないのはありがたい。
小児のことは知らないが、寝たきりあるいは準寝たきり老人にはインフルエンザは結構怖く、何年かに一人寝たきりの方がインフルエンザで体調を崩され入院したり亡くなったりする。可愛い曾孫が影の刺客のこともあるのだ。
今年のインフルエンザは例年より一ヶ月遅れで流行した。暖冬だったためとか色々な解釈があるようだが、経験から言えば十年に一度くらいこうしたことがあるので、異常だという感じはしない。
タミフルが本当に異常行動を引き起こすかには、様々な意見があり否定的な見解もあるが、取り敢えず日本式に十代にはタミフルを使わないよう指導があるので使っていない。ついこないだまで使っていて異常行動の経験はないので、私はタミフルのせいではないような気がしている。少なくとも十八歳以上は選挙権もあることだし、タミフルは大丈夫と思う。