駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

景気下方に未浸透

2013年03月24日 | 世の中

           

 アベノミクスで景気は一見上向きである。それは総計での話で、工業土木金融系の活性化と資産資金のある人の動き出しが効いているからだ(町医者の観測だから余り当てにならないが)。

 しかし就職最前線は相変わらず厳しい。中層以下までは景気回復が浸透していない。医院の事務職の求人をハローワークに出したところ僅か二日間で二十名の応募があった。余りに多いので、一端打ち止め保留にして貰った。

 応募者の年齢背景は様々だが、何とかして安定した職を得たいという気持ちが滲み出た切羽詰まった方が多い。仕事は熱意だけでは出来ないので、冷静に厳しく面接して行くことになるが、十年前よりも就職前線は厳しさを増していると感じた。

 差し障りのある表現かもしれないが、派遣会社に居られる方は、なかなか抜け出せず定職を求めて苦戦されているように見受ける。派遣方式が中小企業のショックアブゾーバとして機能しているのが垣間見えた。

 不況時のために手に職をとよく言われるが、看護師免許は最強の手職の一つだろう。友人の消化器科開業医が俺んとこは半年前から看護師の募集をしているが、未だ見付からないと嘆いていた。一方、特別な資格を持たない女性にとって今も安定した職を得るのは極めて難しいようだ。

 職業に貴賎はなく、こうした切り口はあざとく感じられるかもしれないが、現実には違いない。

 

コメント
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