ローランギャロスの全仏オープンはナダルの連覇で幕を閉じた。第一セットの出だしはあれあれという出来の悪さで、これは駄目かと思ったら驚異の粘りで逆転、7-5で奪取。これで勝ちだと、早めに寝てしまったのだが、案の定連覇。通算六度目の男子シングルスの優勝を勝ち取っていた。
フェデラーは見た目も文字通り貴公子なのだが、実はナダルも貴公子の名にふさわしい人物なのだ。一見、礼儀をわきまえぬ野生児の風貌に見えるが、ナダルは生まれも育ちも中身も貴公子と呼ばれるに相応しい洗練された品性のある男だ。スパニッシュで、何処か微かに地中海を渡るカルタゴの風を漂わすナダル、おめでとう。
もう一つの話題は女子シングルス、アジア初の女王りーナ(中国)の誕生だ。個人的にはシャラポアに勝って欲しかったのだが、リーナは強かった。顔は紛れもなく東洋人だが、体躯は欧米人に全く見劣りしない。中国はそういう体躯の持ち主が数多く控えている実は多様な国なのだ。スポーツで国力を語るのは筋違いかも知れないが、危ういようで中国はやはり強大国と感じる。