駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

わしゃ知らん、刑事コロンボ

2011年06月26日 | 人物、男

 

 刑事コロンボを演じたピーターフォークが亡くなった。視聴者には犯人がわかっているのだが、よれよれコートでポンコツのプジョーを乗り回し、とても辣腕刑事 (実際には警部補)に見えないコロンボが、とぼけたように見えながら鋭く、そしてのんびりしているようで執拗に矛盾を嗅ぎだし、動かぬ証拠を暴き出してゆくのを楽しんだ。なるほどと感心した捜査謎解き手法がいくつか記憶にあるが、絵に自分の指紋を残した機転(二枚のドガの絵)が最も鮮やかに印象に残っている。

 ピーターフォークは小柄だが存在感があり、義眼と締まった顔立ちが個性的で、粘り強い上に実は鋭い閃きを見せる役柄にぴったりだった。

 吹き替えの小池朝雄の声としゃべりが絶妙で、本物よりも雰囲気が出ていた。私は吹き替えはどこか微かに不自然で好まないのだが、コロンボの小池氏には脱帽で、日本語のわかるアメリカ人の意見を聞いてみたいと思うくらいだ、「いやほんと、小池さんの方がいい」。と言うのではないか。

 さて10mの彼方からどうしてそこに甘い物があるのがわかるのか、時々我が家に小さき侵入者達が現れる。隊列を作り、次から次とやってくる。台所や居間で金切り声が上がり、うちのかみさんは「あなたが、***、***」と濡れ衣を着せてくれるが、わしゃ知らん。証拠も何も、最初から犯人を決めてかかり、しかも反論を許さないなんて、コロンボの爪の垢を煎じて飲ませたい。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする