菅さんの印象

　菅さんが首相になった。同年代で、若い頃から馴染みのある人なので菅さんと呼びたい。菅さんと言えば市川房枝を思い出す。叩かれ続ける小沢氏と同様に息長く、紆余曲折の変遷を経て来た政治家なのだ。
　高く評価していた鳩山さんの挫折を見て、ひょっとして理系の人は政治のリーダーに不向きなのではないかと懸念し始めているが、菅さんは草の根から始まり、もともと政治志向があったようで、孤立して理論倒れになる心配は少なそうだ。鳩山さんと違い、庶民感覚があり実務に優れると見ている。高邁な理想は欠かせないが、実行できない絵に描いた餅では、結局失笑を買ってしまう。とにかく実行力を示して行くことだ。
　仙石氏がどの程度有効に働くか、各閣僚がバラバラに持論を展開するようでは、内閣の機能が損なわれる。適材でなかった平野官房長官は鳩山さんの挫折を防げなかった。仙石氏はそうしたことはないだろうが、逆に首相までコントロールしかねない危惧を持つ。
　表紙のすげ替えで跳ね上がる世論調査などにたいした意味はない。劣化したマスコミを正し、付和雷同する大衆を導ければ大したものだが、大きな改善は無理だろう。今は腰を落ち着けて小さくても確かな是正を望みたい。
　菅さんには申し訳ないが、優れたリーダーの印象はない。一皮剥けるか実務短期に終わるか、この三ヶ月が正念場だ。