駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

どういうつもり

2010年06月14日 | 診療
 「どうされましたか」。
 「この頃足が浮腫んで赤い斑点が出来るんです」。
 「いつ頃からですか」。
 「四、五日前から」。どれどれと診せて貰う。向こう脛を押すと凹む、茶色の色素沈着が多数認められる。
 「これは四、五日前からではありませんね。もっと前からでしょう」。
 「半年くらい前からあったと思うけど、この頃ひどくなったんです・・・」。
 どうもあやふやなので根掘り葉掘り聞いてい行くと、数日前娘さんに指摘され、医者にちゃんと見て貰えと指示された。それでどういう訳か、何時も血圧で診て貰っているT内科医院でなく、駅前の当院へ来たらしい。どんな薬を飲んでいるかと聞くと、沢山というだけでよく分からない。
 これはいつも診て貰っているところで相談した方が良いですよと言うと、「心配ない」と言われたと言う。「本当?それなら、良いじゃないですか」。「いや、ちゃんとは診て貰っていない」。とはっきりしない。
 どうもよくわからない。当院へ変わりたいというのかなとも思ったが、もう一度T先生によく相談して、それですっきりしなかったらこちらで内科の病気を診るのでまた来てください。足の浮腫は血圧心臓腎臓などと繋がっているので、それだけを診ることは出来ないんですよ。と話して帰って貰う。
 これでよかったかどうか。患者さんの意図がはっきりしないので難しい。なんとなくお試しで、良ければ変わって来ようと言う積もりだったのだろうか。
 医療には信頼が欠かせないが、それは医療者と患者の双方で醸成するものと聞いている。
コメント (2)
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