駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ブランド志向嗜好思考

2010年01月13日 | 小考
 近江、飛騨、信州、日立から松坂、三田、米沢、仙台へと続くのは何か?。街道ではない、ブランド牛である。
 今回ほんの僅かだが飛騨牛を食した。なかなか旨い、が果たして値段が何倍もするのに納得したかと云われれば、うーんと唸ってしまう。私は比較的高齢でやや懐に余裕があるので、なるほどと思う所もあるが、食べ盛りで懐は寒風の若者には到底理解出来ないだろう。
 日本人のブランド志向は付和雷同性と主体性の無さの現れでもある。自ら見比べて食べ比べて違いを指摘できなければ、ブランドを味わい身に付けるのはなんだか奇妙で滑稽だ。
 もう三十年以上前だったと思うが「兼高かおる世界の旅」の中で、本物のダイヤと人工ダイヤを見比べる場面があった。兼高かおるだけがすぐ本物を見分けた。光学的には差がない所まで完成度の高い人工ダイヤも兼高かおるの眼を欺くことはできなかった。この人は凄い本物のレディだと思ったことだ。余計なことを云えば旅する途中で玉の輿の話がたくさんあったろうになぜと残念な気がする。
 それともう一つ、こうして法外に?高いブランド物が生きて行けるからくりに日本文化の接待と贈答があると思う。私も100グラム500円の細切れを自分用に100グラムの1200円すき焼き用を贈答で送付したことだ。細切れだって高い、でも旨かった。
 誰かすき焼き用を贈ってくれないかな。
コメント
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