駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

寒い朝は出足が悪い

2010年01月06日 | 診療
 寒い朝は患者さんの出足が悪い。北国ではどうなのだろうか。ここは比較的温暖な地なので、寒い朝といっても摂氏2,3度なのだが、朝診療所を開けても誰も待って居ないことが多い。今日は暇だなあと思っていると10過ぎからぞろぞろとやって来てあれれということになる。
 半世紀前に通った小中学校ではコークスのストーブがあり、鉄が赤くなるほど焚いて、周りに集まって暖をとったものだ。当院はエアコンだけで暖房しているが、一番寒いこれからの季節でもなんとか22,3度は保てている。中待ちでは足下には温風器をおいて患者さんの足が冷えないように配慮している。
 本当の北国の人にはそれは寒いと云わないと笑われそうな寒さで、自分が育った土地と比べても4,5度は暖かいようだが、当初暖かいと思った冬も住み慣れると寒く感じるようになるものだ。
 本当は寒いのは苦手なのだが、身に凍みる寒さを評価している。評価というと分からないだろうが、人間の精神を引き締めるものとして欠かせないものと思っている。寒い方が頭が冴えるのだ。従姉妹の旦那は哲学者で東京の人なのだが、冬の長い北海道は良く本が読めると気に入り、就職した札幌に住み着いてしまった。なんだかよくわかる。
 寒い朝手袋をはめてぶるぶると出勤する。患者の出足が悪ければ、のんびりすればよい。寒さは脳味噌には薬?だというのは、土着の人にはわからない感覚かも知れない。この程度の寒さで、出てこないのだから。
 もっともこれには科学的な根拠があるわけでなく、なんとなく私はそんな気がするだけで、中には暑い方が頭が冴えるという妙な?人もいるかも知れない。
コメント
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