玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*台湾(完)

2015年05月04日 | 台湾のこと

 都市の幹線道路を轟音を響かせて疾駆するスクーター群には圧倒された。中国における自転車のように台湾ではスクーターが道路を席巻していた。交差点の赤信号の停止線に、後ろから横からヘルメット姿のスクーターがぎっしり集結し、乗用車をしり目に一斉にスタートする様子は迫力がある。あちこちの歩道にスク―ターが整然と並べられている。それにしても北京、バンコクについで大気汚染が深刻のようだ。

 二つの弾圧事件を知った。1939(昭和5)年の中央山岳地帯で起きた霧社事件と、1947(昭和22)年のニニ八事件である。前者は日本統治時代に原住民のタイヤル族が蜂起して日本人入植者134名が殺害され、日本当局は爆撃や毒ガス弾で50日あまりかけて鎮圧した。後者は日本統治が終わった直後の混乱期に、まだアメリカの援助があった国民党軍により2.8万人の台湾民衆が犠牲になった事件である。民主化の台湾では現在でも二二八事件と白色テロ時代の調査が続いているという。 

 道路に沿って頭上には競い合うように看板が突きだしている。漢字だからどれもおおよその見当がつく。南部の観光地の周辺の道路で「法輪功」の日本語のパンフレットを手渡された。パンフの文字を追いながらここは台湾であることを一瞬忘れる。法輪功とは太極拳と同様の気功動作の他に「真善忍」に基づいて、常に自分自身を厳しく律することで心性を高めるという。同時に中国で迫害を受けている法輪功学習者を助けてくださいと訴えていた。

 観光の間に民芸品店、健康寝具店、茶芸館に案内されない日はなかった。台北では茶芸館から抜け出して、近くの街並みを散策していると小学校の正門があり子供たちが迎えの保護者と下校する様子を見学できた。日本の地質学者によって台湾の北投温泉で発見されたラジウムを放射する鉱石が「北投石」と命名され、後に秋田県の玉川温泉の鉱石も同じものであることが認定された。民芸店で健康グッズとして台湾北投石のブレスレットを買う人もいた。幸運なことに旅行中に雨具を使うことは一度もなかった。

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