玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*台湾の尼僧

2023年03月23日 | 台湾のこと

 またしても市立図書館のリサイクル本だが「台湾に三巨人あり」を読んだ。講談社から香港返還の3年前の1994年に出版されている。三人とは李登輝(1923~2020)、王永慶(1927~2008)、證厳法師(1937~)である。この本が出たときは三人とも健在だった。李登輝元総統の死去の際には日本でも大きく報じられた。あとの二人は私は今回初めて知る名だった。

 目次には、王永慶は「台湾で〈経営の神様〉と呼ばれる男」、證厳法師は「台湾を慈愛の灯明で照らす尼僧」とあった。王永慶は米屋の丁稚から世界一のプラスチック王国を築き、日本以外では松下幸之助よりも有名で華人社会では知らぬものはないとの記載があった。2008年に滞在先のアメリカの病院にて91歳で死去した。(モクレンとハナダイコン)

  

 貧民救済事業である「慈済功徳会」は、1966年に一人の小柄な尼僧が台湾の東海岸にある花蓮で30名の主婦たちとともに、一人毎日50銭の貯金をすることから始まった。もともとは家庭の主婦から始まったが、今では数多くの一般社会人までが加わり会員数はうなぎのぼりに増加し、その事業は海外まで広がりをみせている。1989年李登輝総統は「慈悲救済」の字額を贈って台湾で最も高貴なる人であると讃えた。

 證厳法師は言う「成仏の意味は覚悟であって、覚悟ができる人はみな仏になれるのである。これと同じく菩薩の意味は善行であって善行ができる人はみな菩薩になれるのである」法師はいまだに布衣にわらじ履きで、質素な生活に甘んじ、政治活動には一切関与せず、現在も貧民救済の先頭に立って、慈善、医療、教育、文化の四大事業に邁進している。台湾では仏教が生活の中に根づいていることに感銘を受けた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« *映画館に行こう! | トップ | *都電で飛鳥山公園へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

台湾のこと」カテゴリの最新記事