玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

日加合作映画・「Toilet」

2013年01月23日 | ねったぼのつぶやき

 22日のTV欄で映画紹介(BSプレミアム)に目が止まった。カナダを舞台に、それぞれ問題を抱えた3兄妹と日本人の祖母との絆を描く。プラモデル(ロボット)・オタクの青年が、母親の死をきっかけに実家に戻る。そこには引きこもりのピアニストの兄と勝気で我儘な大学生の妹、更に生前母が日本から呼んだ英語を全く話せない祖母と、センセーと名付けられた猫が残された。 バラバラだった家族が、言語でコミニュケーションをとれない「ばーちゃん」に、表情やボデイランゲッジで意志を伝えあう内、兄・妹、祖母・孫間で家族としての絆を取り戻してゆくストーリーだ。

002 荻上直子監督は1972年生れで千葉大学工学部卒後渡米し、カリフォルニア大学院映画科で学んだ。この作品は2011年トロントで20日で撮影されたという。3兄妹はカナタのオーデイションで選び、「ばーちゃん」と呼ばれる唯一の日本人「もたいまさこ」は荻上作品の常連のようだ。衝撃的な表題は、2006年ヘルシンキで「かもめ食堂」を撮影した際、スタッフが日本のトイレット(トイレ+ウオッシュレット)に感激した際閃いたという。今回日本のウオッシュレットを解説するインド人・オタクのくだりには笑いを誘われたが、確かにこの機器(設備)は秀逸だ。

 「ばーちゃん」は決して言葉を発しない。表情も乏しく頑くなでほんの少し微笑む程度だ。その「ばーちゃん」がパニック障害を抱えるピアニストが意を決してコンテストに挑戦し、まさにパニックを引き起こしそうになった際、会場で立ち上がりモーリ~・クールと大声を発し、親指を立て、我に返って演奏し万来の拍手を得たのだった。祖母の発語はこの一声のみだっただけに一入輝いていた。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« *囲碁のタイトル戦 | トップ | *同窓会に招かれて »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ねったぼのつぶやき」カテゴリの最新記事