ALQUIT DAYS

The Great End of Life is not Knowledge but Action.

獅子吼

2010年02月13日 | ノンジャンル
獅子はわが子を千尋の谷へと突き落とし、
自らの力で這いあがってきた子を育てる。

この獅子は伝説の動物で、麒麟や鳳凰と同じであり、
ライオンのことではない。

獅子は、己を知り、己の生き方を知り、
己の為すべき事を知る。

それを後に継承させていくこともその務めであるなら、
わが子を突き落とすにも躊躇はない。

ただ、這いあがって来いと願い、祈るのみである。

わが子を突き落とすなど、何たる親か、何たる非道、
非情であるかと、周りで騒ぐものを、獅子は静かに嗤う。
小賢しい狐や狸にその崇高な心の奥がわかるはずもない。

どれほど狐や狸が口汚く獅子を弄ろうと、罵ろうと、
眉一つ動かさない、静かな剛が腹の底にどっしりと
座っている。

そんな雑音は、一たび獅子が咆哮を上げれば、跡形もなく
消え去るのみである。

天を覇す鷲、地を覇す獅子の精神を、一個の人間として
心に宿したいものである。