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原発と外交-アルメニア原発放射能漏れを疑うトルコ-1

2011年10月28日 | 原発・核・311

トルコ国境に近いアルメニアの原発の放射能漏れについて、トルコとアルメニアでもめているようです。

産経新聞 (20111026日)

アルメニアがトルコ非難 地震で「原発損傷」と報道http://sankei.jp.msn.com/world/news/111026/asi11102620560005-n1.htm

トルコ東部地震の影響で震源地に近い隣国アルメニアの原発から「放射性物質が漏れた」とトルコ紙が23日の地震発生直後に報道、アルメニア側はこれを否定しトルコの反応を「政治的」だと非難する一幕があった。同原発が旧ソ連型で「世界一危険」とされることや、両国の歴史的対立が背景にある。

 トルコ紙は同国原子力機関の話として、両国国境から十数キロにあるアルメニアの老朽化した原発が損傷し、放射性物質が漏れたと伝えた。同国エネルギー・天然資源省は24日「その事実はない」との声明を発表した。

 アルメニアのメディアによると、同国の原発担当閣僚は、トルコはアルメニアに新規原発を造らせず、電力不足の状態を続けさせたい政治的意図があると強調した。(共同)

さて、上記記事には原発の名前が書かれていませんが、この原発は「メツァモール原発」といって、一度旧ソ連が停止させたものを、西側諸国が稼働させてしまったものです。

詳しくは、廣瀬陽子氏の『世界で最も危険な原発、アルメニア原発』(SYNODOS JOURNALhttp://webronza.asahi.com/synodos/2011051300002.html に書かれていますので、是非お読みください。

この原発を再稼働させてしまったことについては、廣瀬氏のレポートにあるように、それなりの背景があり、アルメニアの電力不足のためには致し方ない部分があったでしょう。

しかし西側諸国は軽薄、そして旧ソ連に関しては、原発を止めた英断は評価できますが、旧ソ連にはもともとこのような原発を作ってしまった罪があり、そして米ロの外交上の対立が間接的にアルメニアのエネルギー問題に打撃を与えている部分もあると思います。そしてアルメニアの外交ベタもこれに輪をかけてしまっている。

外交といえば、今回「放射能漏れ」とアルメニアを避難しているトルコとて実はギリシャ、キプロスあたりから、「地震があるのだから、原発など作るな」と言われているのに強行しようとしている身。

トルコはアルメニアと違って、むしろ米露を振り回す役割をするくらい強か、頼もしくさえみえるときがありますが、この原発問題に関しては、理屈にあわないことをしているようです。

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