2006年初夏に、私はフランクフルトに駐在していた友人Tと彼のご家族を尋ねてフランクフルトに入り、そこから、アルザス・ロレーヌに車で連れて行ってもらいました。
(このときの私の旅のパートナーは同世代の友人Aさんで、友人Tとは初対面。)
この旅行から帰ったあとに彼に送ったメール、たまたま、昔宿泊したホテルのことを調べようとしたときに見つけたのですが、よかったらどうぞ。
「(前略)
私がフランスで感じたのは「親日的」というより、「日本文化に対する憧憬を感じた」と言った方がよかったかもしれません。
今回の旅行では現地に人とふれあうことがなかったのですが、シャトーホテルのレストランシェフ(オーナー?)が日本びいき、レストランのお皿なども日本から買ってきている、と、慣れぬ英語でしてくれたボーイさん。ナンシー派博物館でガイドさんから「ジャポニズム」の説明を受けているフランス人学生の団体は、近くを通りかかった私に嬉しそうに微笑みかけてくれたり。それ以外にも観光中のちょっとした視線などからそう感じたのです。
ナンシーはアールヌーボーの町で、ガレなどが日本の影響をうけていることなどから日本に対する思いいれみたいなものがあったのかもしれません。そしてナンシーに限らず他の町でも、私は何度か「ジャポネ~」という言葉を耳にしたような気がします。そしてそれは揃って好意的な響きを持っていました。
そういえば昔モルディブに行った時も似たようなことはありました。当時大晦日をモルディブで過ごす日本人は少なく、客はほとんど欧州人でした。夕食の時など私達の後ろで「フジタ(画家の)」名前が出たりして、振り向くと必ず微笑みが返って来たり、日本の芸術、文化について聞かれたり。
また、気難しそうで誰とも打ち解けなかったギリシャ人の一人旅男性(当時たぶん60代後半くらい)は、私に対し伯父のように接し、可愛がってくれました。彼は若い頃九州の八幡にいたことがあったらしく、文化がどうのというわけではなかったようでしたが、何か良い思い出があるようでした。
(中略)
ドイツ人に関しても、フランクフルト空港で電話のかけ方がわからなくて困っていたのを助けてくれたお兄さん、電車でニコニコ私達をみていたおじいさん(彼に駅について質問したら、本当にうれしそうに答えてくれました。)、ストラスブールに観光に来ていた日本のサッカー選手が贔屓の高齢夫妻等々。まあ、そういう人たちは別に相手が日本人でなくても親切なんだとは思いますが・・。
同じく全般的に旅行を楽しんで帰ったAさんですが、彼女は、フランクフルトのデパートの店員1,2名に無視された、値段をごまかされた、と言い、また、フランス、ドイツ共、(あまり好意的でない)視線を時々感じたと言っていました。
私はメッスの大聖堂を観光していた東洋系のカップルのうち男性が、若干敵意のような眼差し(女性の方からは敵意は感じませんでした)を向けているのを感じたくらいで、あまりいやな記憶はないです。単に鈍感、能天気になっただけだったのか・・・。
(後略)」
さて、このとき一泊したシャトーホテルは、ナンシーの近くの村、リュネビルにあるシャトー・ダドミニル。
ちょうど、『上から読んでも下から読んでも』さんが、このシャトーホテルに宿泊したときのことをブログで紹介してくださっていましたので、リンクを。
http://ameblo.jp/matsuge8/entry-11218010167.html
http://ameblo.jp/matsuge8/entry-11218016891.html
http://ameblo.jp/matsuge8/entry-11218527310.html
http://ameblo.jp/matsuge8/entry-11219355295.html
http://ameblo.jp/matsuge8/entry-11219817624.html
当時私もAさんも「シャトーホテルなんて一生縁がなさそう」と思っていましたが、Tのたっての希望もあって、宿泊しました。
(シャトーホテルといっても、私たちが宿泊したとき(2006年6月)は、一泊一部屋160ユーロ(朝食なし)、つまり1人80ユーロ。日本では考えられません。
こうしたこじんまりしたシャトーホテルは不便な場所にあるものがほとんどなので、今後は行くこともないと思いますから、これは良い経験になりました。)
このブログ主さんが泊まられた部屋は、窓からの眺めや家具など見る限りでは、友人T家族が泊まった部屋と一緒の気がします。私とAさんの部屋はその隣のツインで、壁紙はバラ色一色のファンシーな部屋でした。
ところで、このシャトーホテルの部屋で印象に残ったのは、お風呂と洗面所で一室、トイレで一室と独立していたこと。(お風呂からトイレ出入り不可。)
実はこの前日に泊まったストラスブールのホテル(ベストウェスタン系の三ツ星)なども、完全に独立はしていないものの、バスルーム内は左側バスタブ、正面トイレ、右手に洗面台と”コ”の字型に配置されていて、トイレは扉付き(つまり非常に狭い個室。)でした。
日本のホテルでも、部屋内トイレが個室になっていることは稀なのに、立て続けにこうした扉付のトイレ。
アルザス・ロレーヌにはバスルームとトイレが独立していることが良くあるのか、それとも、これも日本の影響なのか(特にシャトーホテルの場合、日本びいきのシェフがオーナーを兼ねていたとしたら、日本式を真似たのかも。)、謎です。(→英国、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの住居に独立トイレ仕様はあるみたいです。http://en.wikipedia.org/wiki/Bathroom)