Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

フランス映画『アメリ』とアナグラム

2024年06月28日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

前回紹介した「ラッコの映画生活」さんの『アメリ』の記事、

『アメリ』ジャン=ピエール・ジュネ監督(フランス2001) | ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

こんな記述がありました。

「さてここから冒頭に書いた「政治性」や「胡散臭さ」の問題。それはオドレイ・トトゥ演じる主人公「アメリ・プーラン」という名前だ。「AMELIE POULAIN」という綴りを並び換えると「OUI A L'AMI LE PEN」となる。訳すと「友人ル・ペンに賛成」ないし「友人ル・ペンにYESと言う」といった意味だ。LE PEN(ル・ペン)とは何者か。フランスの極右政党FNの党首ジャン=マリー・ルペンだ。彼は移民排斥やEU脱退、ユーロではなくフランス・フランへの回帰、その他右翼的主張の政治家だ。そのことを知ってこの映画を解釈し直したらどうなるだろうか。ここで語られるのはル・ペンないしジュネ監督の理想とする、移民のいない正当フランス人だけの伝統的なフランス人庶民の小さな幸せの礼賛ではないだろうか。そう言えばタイトルロールでフラン硬貨も大きく映されフランス人の郷愁を刺激するし、市場のみかんの価格ボードの原産地FRANCEの文字もしっかり映される。そう解釈すると、無邪気な顔をしたこの映画、普通のフランス人に監督(ないしル・ペン)の理想とする社会の良さをしみ込ませる洗脳的、マインドコントロール的映画と言えるのではないだろうか。」

「アナグラムで、政治的メッセージ」という説。

 

『アメリ』の原題は、『アメリ・プーランの素晴らしき運命(Le Fabuleux Destin d'Amélie Poulain)』なので、「友人ル・ペンの素晴らしき運命を(Oui a Le fabulex Destin  d’ami Le Pen)」と並び変えることも可能なのでしょうか? 

いずれにしても、監督のことも分からないので、これが偶然なのか、計算されていたのかはわかりません。

ジャン=ピエール・ジュネ - Wikipedia

アメリ - Wikipedia

2000年代初期が恋しい人も、知らない人も幸せになれる『アメリ デジタルリマスター版』新予告編【2023年11月17日公開】 (youtube.com)

 

ジャン・マリー・ル・ペンは、マリーヌ・ル・ペンの父親です。

フランス大統領選マリーヌ・ル・ペンの実像は- - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

“Groupe Collaboration”は今も続いているか?-2(マリーヌ・ル・ペン&ジョルダン・バルデラ) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

政治的で思い出しましたが、「アメリ」が恋をする「ニノ」を演じたマチュー・カソヴィッツは、2011年ににニューカレドニア独立運動の時のフランス政府の隠蔽を批判する映画「裏切りの戦場 葬られた誓い」を作りました。

マチュー・カソヴィッツ - Wikipedia

ニューカレドニア暴動に思う-1 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

参考:

アナグラム - Wikipedia

アメリはKGBのスパイだった⁉ 映画『アメリ』の知られざる12の事実 (ellegirl.jp)

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欧州映画ファン

2024年06月28日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

フランス映画『ミナ』とユダヤ人-7(マルティーヌ・デュゴウソン) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

の末尾に記事のリンクを載せましたが、『ミナ』の映画の感想を書いている人を探して見つけたのが、「ラッコの映画生活さん」

ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

 

彼のブログは、欧州映画ファンにとってはたまらないかもしれません。(見逃している良作に気が付かせてくれると思います。)


もともと私はフランス・イタリア中心に、欧州映画は好きでしたが、昨年観てより興味を深めてくれた映画が『ふたりのベロニカ』と『トリコロール三部作』。

これらの作品について彼が書いているのはこちら。

『ふたりのベロニカ』クシシュトフ・キェシロフスキ監督(フランス・ポーランド1991) | ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

[ヨーロッパ映画]の記事一覧 | ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

 

私が書いたブログ記事-最近は映画の内容と同時に、その映画の背景が気になってしまっているので、その映画の感想というのは違ってしまって、単なる覚書になっていますが…。

『トリコロール三部作』と『ふたりのべロニカ』-1 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

『トリコロール三部作』と『ふたりのべロニカ』-2(『赤の愛』が無視された理由は…) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

『トリコロール三部作』と『ふたりのべロニカ』-3(1980年の短編ドキュメンタリー『Talking Heads』とキェシロフスキ監督) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

私の評価もそれほど高くはないものの、印象に残った映画の記事。

『モンテーニュ通りのカフェ』ダニエル・トンプソン監督(2006フランス) | ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

ここで彼が、

(夫ピアニストのマネージャーをする奥さん役のローラ・モラントという人、美しかったな~、特に目が!)とカッコ書きで書いているのは、イタリアのラウラ・モランテ。

ラウラ・モランテ - Wikipedia

Laura Morante - Wikipedia

彼女は本当に上品できれいです。(『神様の思し召し』『息子の部屋』映画では、彼女は中流階級の中年主婦役だし、ストーリーと関係がないのに、露出度が高い洋服を着せられたり、ベッドシーンがあったりしたのは、気の毒でした。彼女は声もきれいなので、『見わたす限り人生』のナレーションも担当。)

たまたま調べものをしているときに、彼女がアルベルト・モラヴィアの最初の妻エルサ・モランテ(この人も美しい!)の姪であることを知りました。ラウラの日本語版とイタリア語版Wikipediaを調べることになったのは、このつながりを知ってから。

アルベルト・モラヴィア - Wikipedia

エルサ・モランテ - Wikipedia

(ついでに-アルベルト・モラヴィアは反ファシストグループ「正義と自由」を立ち上げて殺害されたカルロ&ネッロ・ロッセッリ兄弟の甥です。
Ugo Matteiと本当の反ファシスト-4(反ファシストと全体主義) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

欧州映画、良いですよね!

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フランス映画『ミナ』とユダヤ人-8(エテル役のエルザ・ジルベルスタイン)

2024年06月28日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

この映画で、エテルを演じたのはエルザ・ジルベルスタイン。

エルザ・ジルベルスタイン - Wikipedia

Elsa Zylberstein - Wikipedia

エルザ・ジルベルシュタイン(本名エルザ・フローレンス・ジルベルシュタイン、1968年10月16日)[1]はフランスの女優。演劇を学んだ後、1​​989年に映画界に進出し、60本以上の映画に出演。『ずっと愛してる』(2008年)でセザール賞助演女優賞を受賞。

生い立ち

ジルベルシュタインは、パリでエルザ・フローレンス・ジルベルシュタインとして生まれ、アシュケナージ系ユダヤ人のポーランド人父アルバート・ジルベルシュタイン(1938年生まれ)とフランス系カトリック教徒の母リリアン・シェナール(1940年生まれ)の娘。父は物理学者、母はディオールの美容師。[2] 兄ベンジャミン(1970年生まれ)がいる。ジルベルシュタインはユダヤ教徒とキリスト教徒の両方の信仰を持っていたが、現在は「仏教の儀式に惹かれている」[3]。彼女は子供の頃からクラシックダンスを練習してきました。バカロレアA3を取得した後、大学に入学して英語を学びましたが、芸術的な追求に強く惹かれました。彼女は、飛行機で偶然出会ったシャーロット・ランプリングの勧めで、クール・フロラン[4][5]でフランシス・ユスターに指導を受け、演技を学びました。また、アクターズ・スタジオの教授のもとでも働いています。[6][7]

(中略)

ジルベルシュタインは1997年から2005年までアントワーヌ・ド・コーヌと交際していた。その後、2005年から2008年までニコラ・ベドスと交際していた。[9] その後、彼女はフランス元大統領ニコラ・サルコジの顧問ジョルジュ・マルク・ベナムーと交際したが、彼女は社会党の熱心な支持者である[要出典]。 2009年、ジルベルシュタインは映画監督ロマン・ポランスキーが1977年の性的虐待事件に関連してスイスで逮捕された後、彼の釈放を求める請願書に署名した。[10]

監督は「エテルは北アフリカ出身のユダヤ人」と説明していたらしいですが、エルザの父親はポーランド出身のユダヤ人です。(たまに東欧出身であれセファルディムの家系のユダヤ人もいますが、苗字や名前から考えれば、アシュケナジムでしょう。)

映画の中のエテルと同じように裕福で恵まれた環境に生まれています。

 

ミナを演じたロマーヌ・ボーランジェの父親の両親、どちらかがユダヤ系とは書いてありませんが、わざわざロマン・ポランスキー(ユダヤ系ポーランド人)から娘の名をつけるほどだったので、ユダヤ系であったのではないかと思います。

ロマーヌ・ボーランジェ - Wikipedia

リシャール・ボーランジェ - Wikipedia

Romane Bohringer - Wikipedia

抜粋Google翻訳:

ロマーヌ・ボランジェ(フランス語: [ʁɔman bɔʁɛ̃ʒe]; 1973年8月14日生まれ)は、フランスの女優、映画監督、脚本家、衣装デザイナーである。彼女はリチャード・ボランジェの娘であり、ルー・ボランジェの姉妹である。両親は彼女にロマン・ポランスキーにちなんで名前を付けた。

 

監督が「エルザは北アフリカ出身-セファルディム」としたのは、「裕福層で、異教徒を馬鹿にするアシュケナジム達(エテルの母親やお仲間たち)」を描いてしまうと、「ユダヤ人はすべて戦争の被害者だった」という例外を描くことになったからだったのではないでしょうか?

 

7月11日追記:

映画でエテルが母親の葬儀のときにでてくる「オレンジ花水」が、エテルが北アフリカ系ユダヤ人を現しているようです。エテルは「ミナはなぜオレンジ花水をもってきてくれないの?」とつぶやきますが、仮にミナとエテルが喧嘩別れしてなくとも、東欧系ユダヤ人のミナには「オレンジ花水」はなじみはないので自ら持ってくることはなかったでしょう。-ユダヤ人同士の文化の差-

“Mei Zohar” (Orange Flower Water) - Israeli Box

Google翻訳:

「ペレグの物語は、1906 年にアブラハム プリグとその家族がスパイスとともに暮らしていたリビアで始まります (当然のことですが)。1948 年にアリーヤー (移住) し (ケシの実を意味するペレグに改名)、イスラエル全土にスパイスへの愛を広め始めました。家族の次世代は家業 (そして土地への愛!) を受け継いで生まれました。メイ ゾハル (オレンジ フラワー ウォーター) は、柑橘類のつぼみから精製プロセスを経て作られます。北アフリカのユダヤ人、特にリビア人は、マラビやサクレブ (レシピはブログで公開中!) を作るときにこれを使用したり、人生のさまざまなイベントでさわやかな香りを放つために手に塗ったりします。」

 

参考:

フランス映画『ミナ』とユダヤ人-1 - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

フランス映画『ミナ』とユダヤ人-4(「ゴイ」とは) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

フランス映画『ミナ』とユダヤ人-7(マルティーヌ・デュゴウソン) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

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フランス映画『ミナ』とユダヤ人-7(マルティーヌ・デュゴウソン)

2024年06月28日 | 芸術・本・映画・TV・音楽

この映画の原作、脚本、監督を務めたマルティーヌ・デュゴウソンの情報は少ないです。

彼女が1958年5月8日パリ生まれの映画監督、脚本化であることと、作品についての情報ばかり。

Martine Dugowson — Wikipédia (wikipedia.org)

Martine Dugowson - IMDb

 

ただ、映画の内容からもいわかりますが、ユダヤ人の女流映画作家の紹介欄に乗っているので彼女はユダヤ人。

Filmmakers, Independent European | Jewish Women's Archive (jwa.org)

抜粋:

Among the more recent generation of Jewish women directors in France, some are children of survivors who migrated there. Others are émigrées from Morocco. Two who stand out are Martine Dugowson (b. 1958), who directed Mina Tanenbaum (1993), Portraits Chinois (1997), and Louba’s Ghost (2000) and Yolande Zauberman, who directed Ivan and Abraham (1993), Clubbed to Death (1997), and La Guerre à Paris (2002).

Dugowson delves into themes of women’s friendship and the passage of time. In her first and third films the young protagonists are born into families of Holocaust survivors. Whether first or second generation, this trauma of their family histories affects the way that they see the world. In Mina Tanenbaum Dugowson juxtaposes the moody artist Mina of Eastern European roots with her best friend Ethel, whose family is from North Africa. Ethel is more social, but her life is weighed down with a feeling of not belonging. Mina and Ethel share friendship in their “outsiderness” but come from different cultures, which dictate their life choices. These themes recur in Louba’s Ghost.

Google翻訳:

フランスにおける最近の世代のユダヤ人女性監督の中には、移住した生存者の子供もいる。モロッコからの移民もいる。特に目立っているのは、1993年『ミナ・タネンバウム』、1997年『ポートレイト・シノワ』、2000年『ルーバの幽霊』を監督したマルティーヌ・デュゴウソン(1958年生まれ)と、1993年『イワンとアブラハム』、1997年『棍棒で殺す』、2002年『パリ戦争』を監督したヨランデ・ザウベルマンだ。 デュゴウソンは、女性の友情と時の流れというテーマを掘り下げている。彼女の最初の作品と3作目の作品では、若い主人公たちはホロコースト生存者の家族に生まれている。1世であれ2世であれ、家族の歴史のトラウマは、彼女たちの世界観に影響を与えている。ミナ・タネンバウム・デュゴウソンは、東ヨーロッパ出身の憂鬱なアーティスト、ミナと、北アフリカ出身の親友、エセルを対比させています。エセルは社交的ですが、彼女の人生は疎外感で重苦しくなっています。ミナとエセルは「部外者」という点で友情を共有していますが、異なる文化の出身であり、それが人生の選択を左右します。これらのテーマは、ルーバの幽霊でも繰り返されます。

 

相変わらず監督の情報はほとんどないですが、この中に、映画『ミナ』の主人公のミナが東欧系ユダヤ人(=アシュケナジム)で、エテルが北アフリカ出身のユダヤ人(=セファルディム)であると言っています。予測は付くけど、映画には説明ははいりません。

(上記の文章だと、あたかもミナとエテルがフランスに移民してきたたように見えますが、ミナには父方の祖母がいたはずだし、エテルも祖父母がいたと思うので、彼女たちと親たちはすでにフランス人であったのではないかと思います。)

「部外者と感じている」ミナはわかりやすいけれど、エテルの生まれ育った環境からは「部外者」と感じる要素はなさそう(ただし、肥満児だった時を覗いて。)。

 

まあ、この映画はフィクションなので、つじつまが合わないことがあっても受け流すべきでしょう。

(この映画自体も、「統一感がない」という欠点はありますが、その欠点も受け流せます。)


ただ、逆に言えば、なぜこの原作・脚本・監督をしたこの監督は、実在しないはずのミナとエテルの設定を、作った後にも付け加えていくのでしょうか。

この映画は、調らべ出したら止まらなくなるかもしれません。

「ゴイ」という単語は今だったらきっとNGワードにされていそうですが、知ることができました。

フランス映画『ミナ』とユダヤ人-4(「ゴイ」とは) - Various Topics 2 (goo.ne.jp)

 

参考:

『ミナ』マルティーヌ・デュゴウソン監督(仏・ベルギー・オランダ1993) | ラッコの映画生活 - 楽天ブログ (rakuten.co.jp)

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