Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

外国人にとっての観光後進国日本

2015年09月04日 | 異文化

インド人の知人が講演会を兼ねて一週間ほど日本を滞在するお手伝いをしています。

彼が当初、広島に行くことを考えていたため、広島のペンフレンドのサチエさんに情報提供をお願いし、助けていただきました。 

結局、彼は今回の行き先を京都に変えて広島にはいかなくなったのですが、今日サチエさんから頂いたメールに書かれていたこと、日本に来る外国人の友人達の相談に乗っている私としても、毎回同じことを思うので、貼り付けさせてもらいます。 

「先週昔親しくしていたドイツ人の友人からメールがあり、日本へ仕事の出張でしばらく滞在していたようですが、まずホテルの予約ができない(田舎なので英語でのサイトで部屋を取るのが難しかったようです)  結局仕事場から通うのに片道2時間も離れた場所のホテルへ泊まらなければいけないのだと言ってました。 私がサイトで調べると「じゃらん」など日本語のサイトでは充分まだ部屋が余っていたみたいでした。

何か困った事があったらメールをもらえれば手助けする事ができるとおもうよとメールしました。 

すると今度は次の仕事場から上海へ行くのにホテルのある場所から空港までのバスの予約が英語では取れないので私にお願いしたいとメールがありました。 

彼が頼んできたのが日付の変わった真夜中過ぎのメールだったので私がそれを見たのは彼がバスに乗る当日で、すでにネットでの予約は不可能になっていました。 

結局電話で予約を頼んだのですが、もちろん電話口の女性は英語はしゃべれないので外国人が自ら電話予約をするのは不可能なのです。

私が予約して彼と同僚の男性は無事バスで空港まで行けたのです。 

日本を旅行する場合ほんとに言葉の問題が大きいです。 特に地方へ行くと英語を話せる人はほとんどいない状態で、彼もその事について不平をもらしていました。 

あまりに話せない人ばっかりだったので「70年代に初めて日本へ来た時と何も変わっていない」と辛らつな言葉がメールに書かれていました。  

これからもっと多くの外国人の観光客をと言われていますが、受け入れ側である日本人の語学力の問題は深刻だと思います。」 

私がイタリア、フランス、ドイツ旅行に行くときに見る交通機関のサイトは英語バージョンが充実しています。
宿泊所も、田舎で小さい宿だと現地語のサイトしかないも当然ありますが、外国人が宿泊する可能性がありそうな宿では大抵HPには英語バージョンもあります。
市や観光局のサイトに関しても、英語のサイトがない方が少ないのではないかという印象です。 

これらと比べて特に気になるのが、日本の交通機関。

「10時に○○につく電車は」「○○にたどり着くにはどうやっていくか」
日本語ができないと、簡単にこれが調べられません。 
(JRの英語のサイトでは、まず何線に乗るのかを入力する必要がある。)

ドイツ国鉄などは、英語以外の言語対応をしているだけでなく、目的地につく地下鉄やバスも検索はできる、(これは陸続きだから可能ということもありますが)国際列車も同様。 

イタリア国鉄は言語対応の数では負けますが、英語はもちろんあるし、私が観ている限り、ドイツ国鉄より乗る電車の情報がわかりやすい。 

(フランス国鉄は上の二つには劣ると思います。 )

日本は「おもてなし」と言うなら、まずはここを何とかしなくてはならないと思うのですが、これは後進国並み。 

日本礼賛番組でインタビューを受ける外国人たち-非英語圏の人達も英語のうまい下手に関わらず高齢者以外は大抵しゃべります。
特別に国際畑の仕事をしているとか、外国人相手の仕事をしているとかでない人も、学生も。

(日本礼賛番組を喜んで観る人は、そんなことには気が付かないでしょうね。
サチエさんが言うように「日本人の語学力」の問題は大きいです。そしてそれより大きい問題は、「完璧な英語を話さないとはずかしい」という日本人の自意識過剰にもあるのではないか、と思います。 )

彼らはたとえ英語は苦手でも、英語の表示がたよりです。自分達が非英語圏に旅行したときのことを考えればわかることです。

日本へ来る外国人観光客のことを思うなら、Cool Japanのサイトを充実させたり、ドラえもんのようなボランティア向けのユニフォームを作る時間とお金があったら、まずは、交通機関の英語検索を充実させるべきではないかと思います。 

英語の検索ができないところは当然、英語での検索ができても、調べている外国人に鉄道の知識がないと調べられない方式であるのは問題です。

若者が作った外国人向けのサイト、MATCHA http://mcha.jp/ を見習ってほしいですね。
英語はもちろん、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、ベトナム語も作成しています。
まだまだ多言語対応しているページは不完全ですが、彼らは「外国人目線」を持ち続けて開発しています。

追記:

外国人でも日本語を片言でも勉強しているような日本好きの外国人には、HPの英語バージョンの不足、日本で英語表記が少なかったり、英語があまり通じないことよりも、「日本の駅などでエレベーターが少ない」といった設備に関しての不満の方が多いかもしれません。
それに対しビジネスで日本に来る外国人や、特別な日本びいきというわけではない外国人観光客には、「主要先進国に名を連ね、海外でビジネスを展開している日本がどうして?」と、言語による不満が大きくなるのではないか、と思います。

コメント
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