生活保護というと、外車に乗ってるとか、暴力団の組員がもらっているとかいう話になる。
和久井みちる『生活保護とあたし』によると、不正受給は国全体の生活保護費支給額の0.4%。
その中には高校生のアルバイトという事例も含まれている。
生活保護を受けている人は、収入があれば申告しなければいけない。
「生活保護の利用者は、最低生活を上回る金額での生活は原則として認められていませんので、収入があったら必ず福祉事務所に申告をしなければなりません」
収入の金額を申告することは当然であるが、高校生の子供のアルバイト代も収入として扱われる。
後からアルバイトをしていたことが発覚すると、不正受給とされ、お金を返還させられることになる。
「高校生が学費の足しにするために自分で働くことを感心だなと思うことはあっても、不正だと思うことは一般的にはないでしょう」
知人の話だと水商売などでバイトしてて、収入を申告しない人は結構いるという。
市町村によってはケースワーカーが抜き打ちで訪問することがあるから、昼間に働くとばれるので、夜の仕事をするそうだ。
生活保護利用者のうち8割が病気や障がい、あるいは高齢で働けない人である。
知らなかったのが、保険証がないので、受診の際には医療券を、薬をもらうときには調剤券が必要だということ。
受診の前に福祉事務所に申し出なくてはならない。
医療券と調剤券には申し出た病院名や薬局名があらかじめ印刷されており、記載された以外のところでは受診も薬の調剤もしてもらえない。
そして生活保護利用者は、特別な場合を除いて生活保護の指定医療機関にしか受診できない。
「まるで今までは何の制限もなしに、好きなところへ何か所でも勝手に受診できていたかのような報道がなされています。
あれは真っ赤なウソです」
へえ~と思って、これまた知人に聞くと、市町村によって異なるそうだ。
前もってケースワーカーに「○○病院の××科を受診します」と電話すると、ケースワーカーから病院に連絡がいく市があれば、緊急に受診するときのための保険証(?)が支給される市もある。
和久井みちる氏は通院移送費(病院に通うための交通費)が削減対象になると、往復1000円だとして、一週間通院すれば7000円になると危惧している。
「まともに治療が受けられず、ずるずると改善もせず、いつまでも痛みや不快な症状を抱えて自宅に引きこもっていれば、それで良いのでしょうか。
早く少しでも良くなって、働けるようになった人は仕事に励み、治りにくい病気の人はそれ以上悪化させたり、暗い気持ちで生活しなくていいようにする。そういうことが「急がばまわれ」の生活保護の在り方ではないかと、あたしは思っていました」
またまた知人に尋ねると、生活保護受給者にはバスや電車の無料、もしくは半額パスをもらえる市町村があるそうだ。
もっとも、これも廃止になるかもしれないが。
最新の画像[もっと見る]
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- 植松聖「人を幸せに生きるための7項目」 4年前
- ボー・バーナム『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』 5年前
- 森達也『i -新聞記者ドキュメント-』 5年前
- 日本の自殺 5年前
- 日本の自殺 5年前
- アメリカの多様性 5年前
- 入管法改正案とカファラ制度 6年前
- マイケル・モス『フードトラップ』 6年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます