ずっと以前に書いたものです。
西鉄バスジャック事件で重傷を負った山口由美子さんの講演を聞いた。
その中で山口さんは、以前は河合隼雄が好きだったが、「心のノート」なんかを作ったりするので嫌いになった、ということを話され、思わず笑う。
私も河合隼雄が嫌いになった一人だから。
河合隼雄文化庁長官が中心となって作った「心のノート」は、文部科学省が全国の小中学校に配布している副読本である。
「お国のために命を投げ出しても構わない日本人を生み出す」(西村真悟衆議院議員)ために教育基本法を改正しようという動きとつながっている。
私が河合隼雄を嫌いになったのはそういうことからではなくて、ニューエイジかぶれだからである。
「心のノート」にもニューエイジの影響があって、「心のノート」5,6年生用に、
わたしたちを生かす自然は不思議な摂理につつまれている。
目に見えない神秘の世界がある。
人間の力を超えたものがある。
目に見えない神秘の世界がある。
人間の力を超えたものがある。
という文章があるんですね。
袴谷憲昭『仏教入門』(入門書とは思えない高度な内容だが、一読三嘆のオススメ)には、
「心のノート」の「心」とはおそらく仏教が否定したアニミスティックな「霊魂」とは無縁のものではないだろう。
と書かれている。
すなわち、ニューエイジと保守反動が手をつないでできたのが「心のノート」ということでなのか。
そういえば船井幸雄もニューエイジと保守反動のごった煮です。
河合隼雄の『宗教と科学の接点』という本も、れれれと思うおかしいところが多々あり、しかしあの河合隼雄先生が書いているんだから私の思い過ごしかと思いました。
「心のノート」は極めてうまくできた本で、予備知識がなしに読んだなら、これまた一読三嘆したかもしれない。
お恥ずかしいことです。
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