三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

佐藤愛子・江原啓之『あの世の話』2

2005年09月20日 | 問題のある考え

『あの世の話』では佐藤愛子氏も負けずに変なことを言っている。

今、寿命を技術の力で引き延ばすということをやると、宇宙律みたいなものが……。例えば自然淘汰で、人口がふえ過ぎると減るとか、疫病がはやるとか、戦争や自然災害で調節できてますでしょ。それがめちゃくちゃになってしまいますでしょ。

疫病や戦争で大勢が死ぬことが宇宙律なんだそうです。
ヒトラーやスターリンみたいな人が定期的に出現してもらわないと宇宙律がめちゃくちゃになるわけです。
何万人、何十万人もの人が虐殺されたり、エイズの感染者が増え続けていることも、佐藤愛子氏にとっては宇宙律を守る結構な話なんでしょうね。
それに対して江原啓之氏は「そう思います」と冷静に答える。

霊の世界や生まれ変わりを説く人は、人の痛みに驚くほど鈍感だと思う。
この手の人は自分は特別な人間なんだというエリート意識の臭みを強く感じる。
戦争とか災害とか疫病とかで死ぬのはよそ事だ、自分とは関係ないと思ってるんじゃなかろうか。
スピリチュアルの、生まれる前に人生を選ぶとか、生まれ変わりをくり返し様々な経験をすることで向上していくとか、カルマの清算とか、そういう主張は結局のところどんな悪をも、殺人だろうとなんだろうと肯定することになる。
たかだか100年の人生ではなく、もっと長い目で見たら、そんなこと大したことはない、というわけだ。

で、ネットで『あの世の話』を検索してみました。
「この本に出会えて本当によかった!★★★★★」
「霊的現象や心霊科学を分かりやすく説明されているので素人にも楽しく読める」
あなたは自分の子供が殺されても、「子供が死ぬといういい経験ができてよかった」と喜ぶのですか、と聞いてみたくなりました。

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8 コメント

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アホにもほどがある。 (プロジェクト卍)
2005-09-21 15:22:51
 まさにカール・マルクスのいう「アヘン」ですね、スピリチュアリズム。人生にはいろんな不条理なことが起こり、それをどう受け取めるかということは大事な課題だと思います。けれど、明らかに被害を与えた側と被害を受けた側がいるのに、その被害を与えた側を免責し、愛せよ、と。



 支配の側に立っている人にとってこれほど、都合のいい考えはありません。アスベスト被害を与えても、放射能事故を起こしても、BSE牛を輸入しても、私たちはあなたのカルマを背負ってあげてるのだ。国債を乱発しても、不良債権をとりっぱぐれても、消費税をあげて国民から搾り取ればいい。社会保障は、切り捨てていい。ホームレスが増え、自殺する人が多くなってもいい。宇宙律に照らし合わせれば、そんなことはたいしたことじゃあない。私はこの世でステージを高めるために来たのだから、ってか?
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社会派のススメ ()
2005-09-21 16:36:35
ニューエイジについてまとめたくて、しかしニューエイジの問題点は何かが今ひとつはっきりしません。

プロジェクト卍さんのご意見で思ったのは、現実を見なくなる、ということが問題の一つだなということです。

苦しんでいる人を見ない、もしくは苦しんでいるのはその人個人の問題だと切り捨てる。



>明らかに被害を与えた側と被害を受けた側がいるのに、その被害を与えた側を免責し、愛せよ、と。



仏教では、苦というのは自分の心が作りだしたものだというわけです。

それはそうなんですが、戦争や飢饉、病気、差別などなどをも、要は自分の心の問題なんだとしてしまうことがある。

自分が作り出した苦と、社会が生み出した苦とはちゃんと分けるべきなのに、ごっちゃにしてしまう。

仏教が体制を護持するためのものとなってしまうのは、そこのところなんでしょうね。



蓮如は病院や孤児院、養老院を作らなかったのか、と思います。

かといって、社会派というのも胡散臭さがなきにしもあらず、です。

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江原の「スピリチュアルカウンセリング」 (京都 8月2日)
2006-07-24 23:04:46
言う本あります。なぜか相談者が女性ばかりですが・・・・その中に40代の女性で、実父に7歳の時に強姦されて、それがトラウマになっていて恋愛や結婚をふみとどまっているという方がでてきます。それに対して江原は、

「私自身は、レイプによるトラウマを克服するための1つの考え方として、レイプという経験をあくまでも無機質に、もしくは物質的に淡々ととらえてみるのも一案だと思っています。肉体はしょせん物質です。現世だけで消えてなくなるものです。あなたは心までレイプされた訳ではない」(江原啓之 スピリチュアルカウンセリング p189)

と答えています。女性のファンが多いと言われる江原ですが、読者の女性は、この発言を読んでどう思うんでしょうかね?私は、この発言おかしいと感じたし、腹もたちました。本書を読んだ女性のブログでも「癒された」とか「江原さんのやさしさが、いっぱい詰まったオススメ本」

と書いている人もいます。本当、霊とか宗教以前の話しですよね。皆様は、どう思われますか?
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お言葉を賜る喜び ()
2006-07-25 21:28:22
うーん、江原啓之の答えは普通に考えたらおかしいのですが、その方にとってはツボにはまった答えだったわけなんでしょうね。

というか、江原啓之に相談することは、どういう答えが返ってくるかということはどうでもいいわけで(どうせ霊とかカルマといった答えでしょうから)、答えてもらうこと自体がその人にとっての救いじゃないかという気がします。

つまりは相談者と回答者が宗教的な関係にあるわけですね。

ま、やっかいな問題です。
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江原批判 (京都8月2日)
2006-09-07 16:03:49
 ネットやブログを色々見ても、江原批判って少ないですね。個人ブログでも、私の探し方が悪いのもあるのですが、3人程でしょうか。それが事実だとしたら、恐ろしいですよね。大槻教授が雑誌で、江原批判を掲載しようとしたら、連載打切りになったと、自らのHPでおっしゃってますが、しばらくして江原の神社か何かを巡る本を、その出版社から出てたりしてます。

 世間では、江原タブー言うのが出てきたのでしょうかねえー?   
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マスメディアの責任 ()
2006-09-07 21:01:47
ずいぶん江原啓之にこだわっていますね。(笑)

これは江原啓之だけの問題ではないと思います。

江原啓之や細木数子は視聴率を稼ぐ、本が売れる、だからマスメディアは批判を取り上げない、ということでしょう。

血液型性格診断や星占いだって同じことで、マスメディアがもうかるからと、何でもかんでも垂れ流ししているわけで、責任重大です。
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おっしゃるとおりで (京都8月2日)
2006-09-08 11:27:26
 面目ございません(笑)。本質的に、私のこだわり過ぎも江原ファンと同じ心理かも・・・・・そうですねー細木から血液占い、他に、ガンが治る水等ありますね。近所の会社社長が、「私はB型しか採用しないよー。現にこれで会社の業績がいいのよ」と言ってました。

 社長本人は悪気無いですけど、それが性質悪いですね。会社採用されたいから血液入れ替えるなんか不可能ですから。 私の江原嫌いは・・・・なぜ女性に人気があるんだと言う、個人的なひがみもありますね。それが、他の隠れた問題から目をそらしていたんですね~御指摘感謝いたします。
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江原啓之批判のサイトを作ってください。 ()
2006-09-08 16:52:34
私も、飯田史彦と○○とか、こいつ絶対に許せない、という奴がいます。

じゃ、どこがどう許せないのかとなると、好き嫌いは感情ですから、自分でもはっきりしない。

そこをしつこくあれこれと考えることが大切だと思うんですよ。

江原啓之を一点集中突破することで、江原の同類を一挙にやっつけるという道もありますからね。

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