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三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

久保田正志『オウム真理教事件と解離性障害 中川智正伝』(1)

2025年05月30日 | 問題のある考え
久保田正志さんは中川智正さんとは中学1年のときの同級生で、それ以来の友人です。
逮捕されてから、そして死刑が確定してからも外部交通者として面会、文通を続けていました。

中川智正さんとの間では、生前に伝記を出すことについては合意ができていたそうです。
その伝記が『オウム真理教事件と解離性障害 中川智正伝』です。

『オウム真理教事件と解離性障害 中川智正伝』に中川智正さんは温厚で人の悪口を言わない、友人も多いとあります。
中川智正さんには一度会ったことがあります。
すごく気さくで話しやすい人でした。
藤田庄市さんの本に中川智正さんは巫病だとありますが、巫病でなければ患者に信頼される医師として活躍しただろうと思いました。

控訴審で弁護団に精神鑑定を依頼された佐々木雄司博士によると、巫病とはシャーマンになる途中などで神秘体験と結びついて起こってくる心身の異常。
巫病に陥ると、神や霊のごとき超自然的存在がその者に介入し、傍目には精神異常としか映らない態様を示す。
コントロール不能で、時や場所を選ばず頻発する。
幻覚、妄想に翻弄されて混乱するが、統合失調症の幻覚、幻聴とは違う。

中川智正さんは昭和37年(1962年)10月に生まれる。
幼少期から神秘体験の萌芽があった。
遠くの山を眺めていると、光の粒がサーッと落ちてくる。
小3のとき、母方の祖父が亡くなった。
その夜、そばに祖父がいて語りかけているような感じがした。

中学に入ると、ノストラダムスの大予言や占いに興味を持つ。
占いへの興味は逮捕後も持ち続けている。
同級生の死などから、死や運命について考えるようになった。

高校2年のとき桐山靖雄の本を読み、運命を変えるという触れ込みに魅かれて、阿含宗に入った。
しかし、運命を変える方法を教えてもらえないなど不信が募って足が遠のいた。

一浪して昭和57年(1982年)、京都府立医科大学に入学。
高校から大学にかけても宗教的なものに関心は持ち続ける。
統一教会のビデオセンター、モルモン教徒が共同で住んでいるマンションに行ったことがある。

大学2年の時に先輩が亡くなり、葬儀の合間に山を見ていると、細かな光の粒が降り注いで、身体の中を上から下へ流れていった。

昭和61年(1986年)に麻原彰晃の本を買っているが、完読したわけではない。
25歳の時、昭和62年(1987年)の秋ごろから身体に変調を来すようになった。

昭和63年(1988年)2月6日、オウム真理教の竜宮の宴にどうしても行かなければならないと思い立ち参加する。
催しの最中に身体の中を風が吹き抜けるような感じを受ける体験をしている。
2月7日か8日にオウム真理教の大阪支部を訪れたが、入信する気はなかった。

オウム真理教への入信の契機は2月10日にあった神秘体験である。
『オウム真理教事件と解離性障害 中川智正伝』に引用されている上申書「最初の体験から入信まで」(平成23年11月18日)を孫引きします。

寮の部屋でのことである。
私はしばらく座っていたのですが、目をつぶった視線の方向、自分の尾骶骨のあたりが白く光り輝きはじめたのです。昼間に太陽を見た時の光の強さよりも強烈で、輝く光でした。
そして、その光が尾骶骨のあたりから背骨の位置に沿ってゆっくりと上に登りはじめるのが見えました。目をつぶっていても、身体的な感覚で尾骶骨や背骨の位置はおおよそわかるものですが、正にその位置に光が見えたのです。
その光は明るさを増しながら胸の付近まで上がってきました。そして、まっすぐな一本の棒のように上がってきた光が左右に枝を出してループを作り、三本になって私の胸の位置で再び一つに交わったのです。その瞬間に目の前が、ストロボが光ったように真っ白になりました。
それまで私は上から見下ろすような視点で光を見ていたのですが、この時は視点が二つになって、自分の目の前にも映像が出ました。まばゆい光の中に自分の背骨と肋骨だけが骨格標本のように黒く映し出されたのです。私はそのまぶしさと何が起こったのか訳が分からない恐怖から目を開けました。
目を見開いて、吐き出すような溜息をつきながら、私は最初と変わらない姿勢であぐらをかいていました。。

これはクンダリニーの覚醒と言われる体験です。
広瀬健一さんも麻原彰晃の本を読んで一週間ぐらいして、ある夜クンダリニーの覚醒をしています。
https://blog.goo.ne.jp/a1214/e/d524a50ddae81dc4fa1525676330bc9d

中川智正さんの体験とは少し違うようですが、麻原彰晃の本を読んだり、オウム真理教の催しに参加したことがきっかけという点では同じです。
突然こんなことになったら、オウム真理教に助けを求めるのは当然の成り行きだと思います。

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