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行き止まりの世界に生まれて

2021-03-30 19:11:54 | 映画(映画館)
Minding the Gap@早稲田松竹/監督:ビン・リュー/キアー・ジョンソン、ザック・マリガン、ビン・リュー、ニナ・ボーグレン、ケント・アバナシー、モンユエ・ボーレン/2018年アメリカ 

少年たちの手探りのあした——

「典型的ラストベルト」イリノイ州ロックフォードに暮らすキアー、ザック、ビンの3人は幼い頃から、貧しく暴力的な家庭から逃れるようにスケートボードにのめり込んでいた。スケート仲間は彼らにとっての居場所であり家族のようなものだった。いつも一緒だった彼らも、大人になるにつれ少しずつ道を違えていく。ようやく見つけた低賃金の仕事を始めたキアー、父親になったザック、そして映画を撮り始めたビン。ビンのカメラは一見明るい3人の悲しい過去や葛藤、思わぬ一面を露わにしていく——。 

寂れた町で必死にもがく若者3人の12年を描くエモーショナルなドキュメンタリー!

ラストベルト=鉄鋼や石炭、自動車などの基幹産業が衰退し、アメリカの繁栄から見放された<錆びついた工業地帯>。従来民主党支持であったラストベルト労働者層の不満が2016年、トランプ大統領誕生に大きな影響を与えた。映画完成時20代であったビン・リュー監督は、閉塞感のある環境で生きる若者たちの姿を通して親子・男女・貧困・人種…さまざまな<ギャップ>を見つめる。

趣味のスケートビデオから始まったこの映画は、若者たちのパーソナルな物語でありながら世界の現状を鋭く切り取り、「21世紀アメリカの豊かな考察」(ニューヨーク・タイムズ)、「ドキュメンタリーの新時代」(WIRED)と評された。アカデミー賞ノミネート、サンダンス映画祭はじめ59の受賞、ロッテントマト100%と全米の批評家・観客、そしてオバマ元大統領も絶賛。痛みと希望を伴った傑作が誕生した。



オバマが年末によい音楽を選んで発表するのは知っていたが映画でもやっていて、この映画。しょせん映画のことでもあり私は「よく分る、3人とも幸せに生きてほしい」とか言いたくないですね。アメリカの都市型リベラルとトランプ支持層は、たとえばトランプが制したテキサス州でもヒューストンやオースティンといった都市部ではバイデンの得票が上回るというようにはっきり分かれる。その関係はウシジマくんの小堀と板橋の関係にも似る。

小堀はどの面でも見下せるから就職同期の板橋と付き合う。板橋が堕ちていき、「おまえ(道連れにしようとした小堀)が来てくれたからそれでいい」と一人死地に赴く。板橋がオホーツクに沈んだことを小堀は知らない。人種・宗教・教育…。マス対マスとしてせめぎ合うトランプ支持層が「リベラルが分ってくれたからそれでいい」となる筈がない。そもそも分らない。


「あの、ご結婚されてます?」
言葉は丁寧だがズケズケと踏み込んで人を査定し、場合によっては排除してくる。死ね!! 安倍の泥船と一緒に沈んでろ。

コロナ第1波のころツイッターで流れてきた映像、振り込め詐欺の「出し子」とみられるおばさんがATMを出たところで多数の警官から任意で署まで同行を求められ、おばさんは猛烈な調子でゴネまくって、そうするうち結局逮捕状が届いて連行。終始マスクをして普通のおばさんぽい絵面が面白かったな。私が結婚してるか確かめようとする主婦ならずとも、わーくには多数派に従いますよというポーズをとっていないと生きづらい不自由な社会である代り、コロナのようなことではすぐにマスクが多数派になって自粛警察まで現れる。犯罪者も目立つことを恐れマスク。

アメリカのトランプ支持層はツイッターの永久凍結であるとか身バレして解雇であるとかを受け、一斉にウヨ専門SNSに移動する動きがあるが、日本のネトウヨはツイッターに固執。事実はどうあれ自分たちが世間の多数派であるという雰囲気をかもし出していないと不安なのだろう。富国強兵の延長上で高度成長~バブルとなる昭和の終りに思考停止したまま、失われた30年。芸人のラジオを楽しく聞くものの、有吉とハライチは才能があってマルチに成功しているためCMめいた古い価値観に基づく驕りを覗かせることがあるのが難。そんなにテレビで売れていない空気階段はかわいらしい。太って時間を守れず借金のある鈴木もぐらは飲む打つ買うに頼らなければ生きられないようなタイプの闇。痩せたイケメンだが大学に馴染めず3ヵ月で中退ししばらく引きこもっていた水川かたまりはマザコン的な中流家庭の闇。お互いの闇を照らし、補い合って2人で完璧という関係性のかわいらしさ。大好きな芸人であるが親しみあるクズキャラのもぐらが単独でテレビで売れる兆しがあり少し心配。

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