Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

夜の色彩(ブチブダイ)

2018-07-02 18:36:59 | ブダイ科

まだ台風7号の強風域内にすっぽりと収まっているやんばるです。

まあ、暴風域は抜けましたので、風雨はずいぶん弱まりましたけど。

明日までは、台風の余韻を引きずりそうです。

風は非常に強い南南東。強雨のち曇。

■■

赤、青、白、黒は、日本で古代から用いられている色名なのだと、以前に書きました。

この4色は日本語の基本色名であり、この4色には形容詞がある。ということもそのとき書いたはず。

すなわち、『赤い』・『青い』・『白い』・『黒い』の四つ。

新たに付け加えるならば、副詞的用法をもつ色もこの4色だけです。

すなわち『赤々と』・『青々と』・『白々と』・『黒々と』というような表現が出来るのもこの4色のみということです。

この4色は、そもそも色そのものではなく、明度や彩度を表していたのだとか。

『アカ』ならば、明るいということを。『アオ』ならば淡いということを。

『シロ』は顕し(しるし)、つまりはっきりしているということを。そして『クロ』は暗いということを。

赤、青、白、黒の順番で書きましたけど、少し違和感を感じませんでした?

アカが明るいならその対語は暗いのクロ、アオが淡いなら、その対語ははっきりしているシロですよね。

実は原始日本語においては、クロの対義語はアカであったと考えられるのだそう。しかしいつの間にかアカとシロの間で言語の逆転現象が起こってしまったよう。

奈良時代にはすでにクロとシロが対義語として捉えられるようになっていたのだそうです。

暗い、あるいは暮れると同源とされる黒。

夜の色彩、というイメージかな…。

■■

さて…

〈ブダイ科アオブダイ属ブチブダイ Scarus niger 18年5月22日 沖縄島安和〉

画像は幼魚。

学名種小名は『黒い』の意。

成魚も幼魚も黒みがかってはいますけど、真っ黒という印象ではないような…。

ところで『ブダイ』という名は、マダイに比べて不細工に見えるから『不鯛(ブダイ)』あるいは『醜鯛(ブダイ)』になったとか。

あるいは大きな鱗が武士の鎧のように見えるので『武鯛(ブダイ)』となったとか。

さらには舞うように泳ぐから『舞鯛(ブダイ)』となったとか、諸説あるのだそうです。

 

コメント
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