Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

金色の継ぎ目(キンスジミノウミウシ)

2018-04-23 18:26:07 | ウミウシ

湿った南風が心地よかった本日のやんばるです。

後半は日差しもあって、汗ばむ陽気になりました。

今週は前半は雨交じりですが、後半は晴れ続きになりそう。

どちらにしても、夏日な一週間になりそうです。

当地はこれからユリのシーズン。港でユリを見つけてGWが近づいてるなぁ…とか感じるこの頃です。

風は南東。曇のち晴れ。

■■

『もったいない』とは、物の本来あるべき姿がなくなるのを惜しみ、嘆く気持ちを表す言葉。

仏教用語が由来の言葉ですが、日本人独特の心持ちを表現する言葉なのだそう。

『もったいない』を英語にすると『MOTTAINAI』となり、つまりこの言葉の全体的な意味を翻訳することは出来ないのだとか。

『もったいない』というのは日本人には馴染みの考え方だと思いますが、それを外国の方に説明するとなると、確かに難しいかも…。

冒頭のような気持ちって、ちょっと『わびさび』に通じるような感情のようにも思えますし。

あるいは『諸行無常』とか…。

そこで思い浮かんだのが、『金継ぎ』のこと。

『金継ぎ』とは陶磁器の破損部分を修復する技法のこと。

割れたり欠けたりしたお茶碗なんかを、漆で接着して金粉で装飾するので、金で継ぎ足したように見えるからこう呼ばれるのだそう。

これってまさに『もったいない』的考え方から生まれた技法ではないでしょうか。

しかも『金継ぎ』には芸術的な価値が見いだされ、文化財に指定されたり骨董として珍重されたりするものもあるのだとか。

割れ目に沿って金の筋が何本も入っている陶磁器を、アートとして楽しむ日本人的価値観もいいなぁ…とか思えたり…。

■■

さて…

〈Trinchesiidae科Trinchesia属キンスジミノウミウシ Trinchesia sp. 18年3月12日 沖縄島安和〉

背面突起にあるたくさんの筋からの和名なのでしょうね。

もちろん修復箇所ではありませんが、『金継ぎ』を連想してしまったり…。

 

コメント
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