無意識日記
宇多田光 word:i_
 



SMAPxSMAPに出た時に稲垣吾郎ちゃんとヒカルが互いに『Hotel Lobby』が好きだという事で意気投合していた。懐かしい。もう15年も前の話だ。ヒカルが言うには(Utadaが言ったことにゃ)『EXODUS』でいちばん気に入った曲だったんだとか。確かに、後に『Kiss & Cry』でメロディーを再利用したんだからよっぽどですわね。

この歌のストーリーは明解だ。友だちの制止も聞かず金のためだと人々の欲望渦巻くホテルロビーでコールガールに勤しむ女の子の物語。

『ホテルロビーで会いましょう
 誰しも皆孤独に見える
 そこに私はおもむろに歩み入り
 ロビーの鏡であなたと目が合う』

今勝手に私が訳したので新谷さんは関係ない。ポイントは、昔も散々語った気がするが、ここで主人公が鏡越しに客と会う点だ。

当時ヒカルにとって「鏡」は重要なアイテムだった。『ぼくはくま』の絵本でくまが水たまりに映った自分の姿にぼんじゅーるする場面が描かれていたが、鏡を通して自我と向き合った時に溢れ出てくる感情の数々をどう御するかが昔のテーマだった。

今の歌詞にはそういった色合いが薄い。特に『Fantome』以降は『あなた』に代表されるように強烈に他者(主に二人称…ともだちやら彼女やら…)について歌っている訳で、鏡の付け入る隙がない。自分自身と向き合っているターンではないのである。


…この話は長くなるな…また気が向いたら続きを書きます。

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@u3music : 宇多田ヒカルはタバコを吸いません。もう1年以上になるかな。ご心配なく。ヒカルはライブ先行のartistではなく、スタジオartistなのでその辺が他の沢山のライブを積んでいる方々と発声が異なるかな。特に今回は。teruzane

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これは今朝方英語圏民のファンからYouTubeのコメントを引用しつつ飲酒と喫煙を止めるよう促されるリプライを受けて照實さんがエアリプしたもの、のようだ。

何故日本語でしかも返信形態ではないのかが疑問だが、取り敢えず結果的には日本語民へのメッセージになっている。これからまたリプライが増えるだろうが、概ね好意的だろうことと「1年前までは吸ってたんかい」というツッコミがありそう、という予想はつく。

単純に1年前にはもうライブが決まっていたから止める理由があった、という事なんだろうか。20年も制作のお伴だった嗜好品を俄に止められるとも思えない。別に今更、と受け止めようにも、しかし、『Laughter in the Dark Tour 2018』でのパフォーマンスのクォリティをみるとそれで正解だったんだからもう縁を切ればいいのに、とも思う。

人前に立つときはいちいち歌手なので皆歌手の目で見るがヒカルの仕事の大半はプロデュース、そして作詞作曲編曲だ。住み慣れているとはいえ狭いスタジオか自宅で延々頭を悩ませている人間には手っ取り早い息抜きが必要だったろう。20年そうやってきていて、はて何か代替品は見つかったのだろうか。あわよくばその時に居る国と地域の法律に引っ掛からないようにしてうただきたい。

いや冗談ではない。喫煙についてコメントしている時点で日本語圏との常識の乖離があるのだ。照實さんだけのフライング、とは言い切れない。昔から言っているようにこれは世代の違いと業界の違いの足し算だからだ。その空気にいる人間全体の問題なのだ。

ほんの30~40年前までは普通のオフィスが紫煙まみれなんて珍しくなかった。灰皿は必需品で、たばこの煙を避けたい少数派は隅で縮こまっていたものだ。それが今や全く逆転していて、客商売ですら完全禁煙の方が儲かる始末。これほど世代間で感覚の違いが顕著な例もない。

更にミュージシャンは嗜好品にまみれるのがお約束。ヒカルは小さい頃から年上の音楽業界関係者とばかり仕事をしてきたので感覚が二世代くらい前のミュージシャンて感じになっていた(たぶん、過去形)。それがついに是正されていたのなら喜ばしいが、現実はどうなのか。悪い方に転がらないようにとただひたすら祈るばかりである。

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