無意識日記
宇多田光 word:i_
 



2014年の2月も今夜で終わり。来月は多分1ヶ月ずっと「First Love15周年祭り」になるだろう。考えてみれば不思議なもので、普通大々的に祝うならデビュー15周年記念日のある2013年12月な気がするのだが様々な事が組み合わさって斯様な事に相成った。確かにFirst Love アルバムは間違い無く歴史的金字塔であって、この作品を超える作品はもう出て来ない、と言っていいだろう。内容ではなく、その凄まじい影響力において。

なんだけど、私にはあんまり関係ない。今回の企画はそれはそれは嬉しいが、出来ればこれで終わって欲しくない。まだ聴いてないので気持ちがどちらに動くかはわからないが、総ての音源をハイレゾで出し直して欲しい、なんて風に思いそうな気がする。そういう意味で、「FL15は始まりに過ぎなかった」と言えるようになる展開が望ましい。

高音質を求めたい、という点で現実的なのは、UTADA UNITED 2006とIn The Flesh 2010のBlurayの発売だろう。両方ともHDカメラで撮影したのだから音質も(本来なら)高い筈だ。

現実的ではないが強く求めたいのは桜流しのリマスタリング/リミックス/リプロダクションである。楽曲も歌唱も図抜けて素晴らしいがそれだけにサウンドクオリティーが相対的に低いのが残念だ。何とかならないものか。

熊淡についても触れておきたい。「だゆーんだゆーん」はあのままいくとトレンドに載るんじゃないのかという程リスナーのウケがよかったが、肝心の「半拍ずらすアイデア」にスポットが当たらなかったのは痛かった。手拍子がきこえづらかったからだが、私としては、今回ヒカルが直接言ってくれるまでこのアイデアに気が付かなかった事を激しく悔いつつ、「そうそう、こういうアイデアに気が付いた時って興奮するよね!」と首肯の相槌を打っておきたい。最小限のアレンジで同じメロディーの印象を違える事が出来る―しかも、聴き手はその理由になかなか気付かない。「なんかよくわからないけど、おんなじメロディーなのに、違う感じがする」、そう思わせる為のアイデアがただシンプル且つ大胆に「半拍ズラす」だけだったのだから、ヒカルは結構に誇らしい気分であった事だろう。こういう話を聴けるだなんてやはり熊淡は至福の時間である。来月で最終回と言われる恐怖と現在格闘中だ。もしそうなったらまた4月分を4月に聴き返していこう…繰り返す12ヶ月…これが
サザエさん時空か…(精神崩壊)。

そういった貴重且つ至福な時間は味わえないが、甘酔の一時間も実に楽しい。当時のヒカルのノンプレッシャーぶりは一体どういう事なんだと苦笑いする我々大人たち。今31歳の大人の女性が今の自分たちと同じ位の年齢の頃どんな感じだったのかを知れる、という点で、もしかしたらこの番組は今10代のファンが聴く事が最も意義深いのかもしれない。何難しそうな事言ってんの!と当時のヒカルなら笑い飛ばしそうだけど。

甘酔の方は3月いっぱいで終了する事が決まっているので、覚悟は出来ているがこれで熊淡も同時に3月に終わっちゃったらその喪失感たるや想像するのも恐ろしい。もしかしたら、今まで努めて「ヒカルの気が済むまで人間活動を」と大人なフリをして冷静に振る舞っていたヤツが「早く活動再開しやがれ」と言い出すかもしれない。誰だそいつ。俺か。はてさて、2014年3月はどんな月になるのやら。今から期待と不安で胸がいっぱいである。

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さて、FL15と熊淡と甘酔に加えて明日3月からはCSでのTV放送が加わる。いやはや、めまぐるしい事この上ない。全部カバー出来る人どれ位居るのだろう。

しかしこれで、何というのだろう、過去の宇多田ヒカルにばかりスポットが当たって、今の宇多田ヒカルから目を逸らす事が出来ればしてやったりなのではないか。今のヒカルは先月ラジオを休んだり結婚予定を発表したりと何かと"勘ぐられる"要素が散見される為、こちらに注目されてしまうとどうにもゴシップの餌食になりやすい。それが、15年前の話ばかりで埋め尽くされれば、随分と楽になるのではないか。そんな風に期待してしまう。甘酔もFL15もCS放送も総て15年前を中心としたヒカルの話題を提供するものだから。

とはいえ、逆にそれによって宇多田ヒカルという存在自体への注目度が全体として高まってしまい、結局今のヒカルにも注意が向けられてしまう、という可能性もまた考えられるのだ。今月の熊淡では、番組冒頭での発言が番組放送中にWeb記事としてUPされてしまうというネット時代ならではの展開をみせた。本来このスピード感が当然なのだが(いいわるいは別にして)、これは記者の皆さんが準備万端で熊淡の放送に臨んでいた事を意味する。即ち、それだけ今のヒカルの話はまだまだニーズがあると思われている訳だ。

果たして、どちらに転ぶか。CSは地上波と違い、一部の人しか観ない為広がりは限定的だろう。甘酔も、いや熊淡だってInterFMの放送で、関東ローカルに過ぎない。今度から名古屋(愛知県西部という意味だろうか)でもオンエアされるらしいけど。熊淡が4月以降も放送してくれればねぇ。でだ。結局は、ゴシップの目から逃れられればいいのだから記者さんたちのお母さんを連れてきてメガホンで説得…いや違った、出来ればヒカル自身も昔の話ばかりすればいいような。それは違うかな。Twitterはローカルではない、全世界ネットで、フォロワーも154万人強という"一大メディア"なのだし、熊淡の様子からも記者さんたちはヒカルの発言に目を光らせているのだから、ヒカル自身の昔話はよい目眩ましになるかもしれない。

鍵となるのは、まず、10日に発売になるFL15のロングインタビューか。直前の記事で「これこれこんな事が書いてあります」的な報道も為されるだろう。宣伝にそういうメディアを使うからゴシップカテゴリーに入れられちゃうんでしょといつものように思うけれどもね今更言っても仕方がない。ヒカルはPop Musicianなのだから。その世界で地道にカイゼンを続けていくしかない。もっとも、まだまだ精神的外傷は癒えないだろうから、ゆっくり、ゆっくりね。

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おいおい、2月が短いお陰でFL15のフラゲ日まであと…えっと、何日になるんだ? 9日ならあと10日間だが、日曜日なので普通は入荷がない。正式な店頭着日は7日の金曜日なんだが、果たしてその日に店頭に並べるような真似をするかな? 或いは特例として、ユニバーサルから店頭陳列日指定が出されるかもしれない。ここらへんは、メーカーと小売店の力関係で決まるので何ともいえない。レコード業界はそこらへん出発業界とかとは違うんだなー。

3月10日なんて随分先だと思っていたのにもう目の前である。発売日までに書きたい事が沢山あるのに全然回数が足りない。そして、買った後にはまた語りたい事が山ほど出てくるだろう。俺に宇多田ヒカル2万字インタビューを与えるなんて日記エントリーをわんこ蕎麦状態にしろと言っているようなもんだ。(?) ホントいい加減にしろよ。(by満面の笑み)

しかし、1日々々である。明後日の甘酔再放送だって忘れてはいけない。土曜昼は出掛けてる人が多いのか放送がある事自体を忘れている人が多いんだが、その日その時に聴いておかないとなかなか後から聴くタイミングなんてないぞ。熊淡を1ヶ月に10回位聴き直す私ですら甘酔を聞き返す回数は限られている。言ってるうちに3月10日が来る。

怖いのは、3月10日に更に新しい発表があったりしないか?という事だ。先日もCSでヒカルを特集する番組が幾つも放送される旨オフィシャルのNewsで触れられていたが、何だかちょっと多過ぎる。三宅沖田梶のスリーヘッズが顔出しだなんて、活動休止中のアーティストに対してそんなに時間を割ける程暇ではないだろうに彼らも。

かといって、ヒカルが活動再開を視野に入れているのかというと流石にまだ時期尚早だろう。結婚式の日取り(大体PoLEPの発売日あたりである)を考えると、流石にそこまでは活動再開のニュースは出ないだろう。その後1ヶ月くらいハネムーンに出掛けるかもしれないし、やっぱりこの前後のヒカルは静かにしていそうだ。

となると、うーん、3月にEMIレーベルが何をしてくるか、やっぱりさっぱり読めない。まぁ、いきなり何か来て驚かせて貰えるのがいちばん楽しいので、今はFL15祭と甘酔と熊淡に集中する事にしようかなん。

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こんなエントリーを書き続けているというのに今週のアクセスは普段より随分多い。やれやれだぜ。

さて今回は基本に立ち返って「高音質の何がいいのか」という話。

ヒカルの音楽のファンである場合、2種類に大別される。いや3種類や4種類でもいいか。幾つかあるのだ。

まず作詞家宇多田ヒカルのファン。彼女の詞は歌とわかちがたく結び付いているとはいえ、何を言っているかわかればその魅力は十分伝わる。彼女の詞を堪能したくば全く高音質は必要なく、音質はAMラジオ程度あれば十分である。

次は作曲家宇多田ヒカルのファン。メロディーメーカーとしては日本商業音楽市場屈指の才能だが、これもメロディーラインが聞き取れるレベルならその魅力は伝わる。AMラジオで十分だろう。

アレンジャー/トラックメーカー宇多田ヒカルのファン。これは、少なくともステレオを鳴らすシステムは必要だが、肝心なのは、ヒカルはミックスダウンにはクレジットされた事がない、という点。プロデューサーとして作業に立ち会い最終判断を下してはいるだろうが、音質へのこだわりはわからない。つまり、楽曲の構造が伝わるだけの音質があればアレンジャー/トラックメーカーとしての宇多田ヒカルの魅力は伝わる。FMラジオや標準音質のMP3で十分である。

歌手宇多田ヒカル。高音質を求めるべきなのは、この層である。ただ歌の巧いの知る為だけならばAMラジオ程度の音質でもOK&Alrightなのだが、彼女がどれだけ繊細に歌い分けをしているかを知りたければ音質は高ければ高い程いい。音域は広く、解像度は高く。

圧縮音源から非圧縮音源、そしてハイレゾ音源へと音質が上がるにつれ、歌の、ヴォーカルの何がより伝わっていくか。それは高音のピアニッシモの部分だ。私は高音で歌えるぞと声を張り上げるシンガーは数あれ度、高音で強弱をつけて繊細に歌えるとなると宇多田ヒカルは他の追随を許さない。特に、声にエアを混ぜて儚げに切なく歌い込む場面は独特である。ここが、高音質であればあるほどよく聞き取れるようになる。ああ、こんな風に歌っていたんだという発見が目白押しである。

そしていちばん高音質の恩恵を受け、かつマニアックなのは「ブレス」の部分だ。最早歌の一部と言っていいかどうかもわからないこの「息継ぎ」の部分は、MP3よりCDで、安価なイヤフォンより高価なイヤフォンで、より鮮明に響いてくる。ここが聞き取れるかどうかで何が変わってくるかというと、歌手のリアルさである。ブレスがよく聞こえれば聞こえる程、「宇多田ヒカルがそこに居て歌ってくれている感」が強くなる。そのリアリティに喜びを感じ取れる人であるならば、高音質は誠に価値ある追究対象となるだろう。


結論。曲のファンは音質にこだわらなくてよし。MFiTやハイレゾ配信はスルーで構わない。彼女の歌唱力、そして、肉体的な彼女の存在自体に魅力を感じる向きは、存分に高音質を追究すべし。万単位の投資も見返りがあるだろう。ヒカルの存在をそこに感じ取れる事が嬉しい―そう思えるなら貴方は立派な宇多田貧乏になれるのです。いやはや、財布が軽いわ。(涙)

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ウォークマンF880シリーズの購入を検討している人には付属のイヤフォンの高音質は朗報である。これ、実売価格だと大体5000円前後の代物で(amazonだと4000円位)、3万円位の製品の付属物としては結構なものだと思うが、ハイレゾ対応を謳った製品に付属しているのにハイレゾ非対応イヤフォンってどうなの、、、と最初は思った。しかしこのイヤフォンで聴いてもCDからのロスレス音源とハイレゾ音源の区別はつくし、ハイレゾならではの「音の鳴っていない空間の広さ」を十分感じられる。ハイレゾ音源の準備に際して、プレイヤーだけでなくハイレゾ対応イヤフォンや対応ヘッドフォンを用意しなければいけないのか、と思った人も居るかもしれないが、結構これで事足りる気がする。つまり、対応イヤフォンorヘッドフォンを買い足さなくてもハイレゾの"よさ"は味わえそうだ、このウォークマンだけ買えばよし、という事だ。

考えてみれば不思議な事だ…と言いかけたが、そうでもない。今回私が購入したハイレゾ音源は24bitではあってもサンプリング周波数は44.1kHz、つまりCDと同じだ。一方、ハイレゾ非対応イヤフォン&ヘッドフォンというのは、高音域の再生限界が20kHzというのが"非対応"の理由である事が多い。(44.1kHzならば高音域は22.05kHzまでサンプリング可能、です念の為) 即ち今回の試聴音源は対応非対応関係ないのである。あとは24bitの高解像度がどこまで再現出来るかの勝負であり、付属のイヤフォンでもその効果は体感できそうだ、と。


それにしても不思議なものだ。いや、今度は本当に不思議だ。私が今まで書いてきた「ハイレゾらしさ」というのは、つまり、音の天井のなくなる感覚というのは、サンプリング周波数を44.1から48や96や192に上げた時に出てくるべき感想であって、本来16bit→24bitという変化は、各音素のきめ細やかさが増す事で感じられる筈なのに。

しかし、私の拙い耳によれば、ひとつひとつの音の粒の鮮やかさ、肌理細やかさはロスレスもハイレゾもあまり変わらず、また、音の鳴っている音場の広さや定位、バランスも変わらないのだが、その音の響いてる空間の後ろ或いは外側に広がる空間の質が違うのである。音の粒ひとつひとつが伸び伸びと鳴り響いている。これは、何なのだろう。

以下は私の勝手な妄想なので桜流してうただいて、いやさ聞き流していただいて結構だ。思うに、CDの44.1kHz16bitという設定は間違っていたのではないか。解像度の割に高音域まで音が出過ぎている。バランスが悪いのだ。16bitなら22.05kHzなんていう高い音が出るのは音像をざわめかせすぎてかえって邪魔、そこまで高い音を出すなら24bit位の解像度がないと音が素直なバランスで鳴ってくれないのではないのだろうか。つまり、ハイレゾ音源の魅力とは、ただ高音域&高解像度というのではなくて、音域と解像度のバランスにあるのではないか。だとすると、非対応イヤフォンでもハイレゾの魅力を感じとられる説明がつく気がするのだが…これ以上の妄言は流石の私でも無理だ。もう少しハイレゾ音源を幾つか聴いてみてから、このテーマを振り返ってみたいっす。

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では早速買ったばかりのF886のレビューを。

やはりハイレゾ音源のよさは、自分の耳だとそれ単独では判断がつかないと思い既にCD音源を持っているものを購入してみた。2月18日にフライングゲットしていた(つまりヒカルのハイレゾ配信が発表される前日)IRON SAVIORの「RISE OF THE HERO」の音源だ。これは44kHz24bitでビットレートは2.1MB、ファイルサイズはロスレス(CD音源)の凡そ2倍である。

結論から言うと、両者を聴き比べる必要はなかったかもしれない。ハイレゾ音源は、CDとは違う音がする。比較する以前に単独で"ハイレゾ独特"のサウンドが響いている。店頭試聴時も感じた事だが、「世界の蓋が取れた」ような感覚があるのだ。

CD音源は、MP3等の圧縮音源に較べて高音域に遠慮がないのが特徴である。その為、例えばヴォーカルのサ行の発音やハイハットシンバル等が同時に鳴った場合"所狭しと"高音域がでばってきて耳にシュバシュバ突き刺さるような感覚があった。

ハイレゾは、そういった感覚が全くと言っていい程、無い。確かに圧縮音源に較べて高音域がハッキリと出ている為音の輪郭が繊細なラインを描くのだが、同時に画面全体の高音域が方々で響いても、サウンドの"せせこましさ"みたいなものが皆無なのだ。その為、音像全体に余裕が生まれ、CD音源と比較して妙に威風堂々と自信満々な演奏に聞こえてくる。ハイレゾマジックである。

だからこれは寧ろ、CD音源が苦手というアナログ世代の人に強くお勧めかもしれない。MP3のまるい音の輪郭に慣れた人はCDの突き刺さるような高音域が苦手かもしれないが、そういう人にもこの、抜けがよく自信と余裕に満ちたサウンドは、久々に"無条件で耳に心地良く"響くんじゃないかな。

正直、聴く前はまさかここまで差があるとは思わなかった。何しろ今回購入した音源は44.1kHzはCDと同じで、16bitが24bitにアップしただけの、いわばハイレゾ音源としてはいちばんグレードの低いサウンドである筈なのだ。それがここまで違いを生み出すとなると、96kHz24bitに生まれ変わったFirst Loveのハイレゾ音源もかなり期待が出来るのではないかと今から胸が高まってしまう。

しかもこれ、私が試聴に用いたイヤフォンはハイレゾ"非"対応の製品なのだ。いやはや、そんな事があるのかい、という話からまた次回。

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続いてはSONYのウォークマンF880シリーズについて。

ハイレゾ音源の再生については、ZX1と同じデジタルアンプを使っているだけあって、敵いはしないまでも素晴らしい。3万~4万円の価格でこれだけの音が出るのなら文句はない。付属のイヤフォンが非ハイレゾ対応という事らしいのだがこちらは試していないので何ともいえない。

ここで注目したいのは、(ZX1でも採用されている)「DSEE-HX」である。何と読めばいいか未だにわかんないんだけど、これがずっと言ってる「既存のファイルをハイレゾ擬きの高音質にアップコンバートするソフトウェア」である。カタカナ多いな。要は、MP3をもっといい音で聴けますよという事だ。ドラゴンボールでいえば超神水、いや界王拳かな。

で、試聴してみたところ、なるほど、確かにMP3音源ではごっそりと丸められている高音域の音が補完されている。結構自然に「いい音」になっている。ただ、自然過ぎる為私の第一印象は「やけに保守的だなー」というものだった。手堅すぎる。今ある音からそのまま素直に音を補完している為、ちゃんと整って聞こえるのはいいが、生真面目過ぎてダイナミズムに欠ける。その為、高音域は出ているのに開放感はやや薄めである。ハイレゾ本体が屋根を突き破って大空を見せるとすれば、DSEE HXはとんでもなく天井が高くなった、という感じ。悪くはないし、実際音はよくなるのだが、「もっといけるんじゃないの?」という感が否めない。

恐らく、それも織り込み済みなのだろう。まだこの、ウォークマンレベルでの疑似ハイレゾアプコンは始まったばかりで、まずは「アプコンで音が変になったりしないように」という点を第一に考えているのではないか。段階的なアプローチの第一歩としては全く正しい。という事は、今後DSEE HXはアップデートされ進化していくという期待が持てる、という事だ。未来が楽しみな技術である。

それはつまり、さてこれが我々の関心事なのだが、最大でも48kHz24BitでしかないFirst Loveのアップコンバートは、DSEE HXよりも数段優れていると期待できる、という意味をもつのである。HXはあらゆる音楽に対して最大公約数的なアプコンしか出来ていないが、First Loveに関しては超一流のエンジニアがこのアルバムのサウンドに特化してアップコンバートできるからだ。少なくともまだまだ保守的なDSEE HXよりは遥かに期待出来る。

ただ、DSEE HXが予想通りに今後進化していくとすれば、次第にFirst Loveに今回施されたアプコンの価値は薄れていくだろう。裏を返せば、この3月10日にハイレゾ音源を購入して聴く分には、かなり大きな感動も期待出来るかもしれない、いうなれば、買って聴いて価値があるのは今のうちかもしれない、という事になる。実際に購入するかどうかは、貴方の判断次第です。私は買うけどね~…というのも、さっきそのF880買ってきちゃったので♪ 次回はまだ無理かもしれないけれど、後日タップリレポートしますね~。実際にmoraでハイレゾ音源を購入して、聴き比べしてみます☆ ザ・人柱!(笑)

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昨日店頭でハイレゾ対応ウォークマンを試聴してきたのでメモ。結論は昨朝書いたまとめと変わりがないので高音質に興味のない人はこのエントリーは読み飛ばしてくだされ。

ZX1ヤバイ。現行ウォークマンの最上位機種。店頭価格75000円。訊いてみたら今注文しても1ヶ月待ちなんだそうな。しかしあのサイズであの音質とは。あのまま据え置き用に転用しても全く問題ない。ハイレゾ音源自体もそうだけど、320kbpsのaac音源でも相当な音が鳴る。

一応、そばにあったハイレゾ対応ヘッドフォンで聴いてみたのだが、接続端子が不調なのか何なのかやたらと音場が狭く解像度も低い。なので手持ちのイヤフォンでの試聴となったのだが、これが上限20kHzな為公式上はハイレゾ非対応イヤフォンに分類されている代物である。そのつもりで読んでね。

ハイレゾ音源は96kbps24bitで、えぇっとこれは配信予定のFirst Loveと同じビットレートかな。合計で4.6Mbps。通常のCDが1.4Mbps相当だからその3倍以上、DVD-Videoと同等のデータ量だ。

ZX1で聴いてみて、ハイレゾの特徴のひとつがわかった気がする。鳴っている音自体は、320kbpsの音とそこまで変わらない。感触が大きく変わるのは、"音の鳴っていない空間の感じ取られ方"の方なのだ。何を言ってるのかわからねーと思うが以下略。

つまり、目の前に、或いは頭の中に、「音楽の響く空間」が出現する感覚なのだ。しかも、今までイヤフォンで聴いていてずっと感じていた、いや、今初めてそう感じていた事に気が付いた、と言った方がいいのかもしれない、「音の天井」みたいなものがすっかりなくなってしまったような開放感がある。まさに大空に向かってどこまでも音が鳴り響いていくような感覚。これがイヤフォンで(しかもハイレゾ非対応の、だ)味わえるのが大きい。これは、高音質を聴いたというより、何か新しい感覚を体験したと言った方がいいかもしれない。


ちょっと大袈裟に書いたが、それ位ZX1はいいものだという事だ。しかし殆どの読者にとって、この度のFirst Loveのハイレゾ配信について75000円の出費はキツいだろう。という訳で同じくハイレゾ対応の廉価版、2万7000~4万円のF880シリーズの方も試聴してきたので次回はそのレポートを。

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ハイレゾ配信話の次はFL15BoxSetの話になる。

…のだが、これはハイレゾ以上に語る事がない。Single Collection同様、テッドがリマスタリングしてくれている。どんなサウンドになっているか楽しみだ。以上。これで終わりである。

詳細を見ると、確かに色々と書いてある。アルバム本編はプラチナSHM、Luv LiveはDVD、カラオケはSHM-CD、B&レアトラックス集はCD、とそれぞれ異なる"円盤"が割り当てられている。尚、通常盤の方はアルバム本編がプラチナSHMではなくSHM-CDになっている。違う円盤なので、マニアは両方購入する事になる。どうせ買うからいいのですけど。

で、プラチナSHMとSHM-CDは何が違うのかというと、まぁ検索すればすぐ解説出て来るんだけど、プラチナSHMの方は気張ってプラチナなんてものを使ってしまったせいで、CDの規格を外れてしまって"CD/Compact Disc"を名乗れなくなったという位気合いの入った代物だ。あれだ、CCCDと同じである。いやまぁあれは全く方向性が逆で、再生出来なかったり音質に問題が出たりしたのだが、プラチナSHMは音質を上げようと躍起になった挙げ句なので、今度は反対側にはみ出しちゃった感じ。

SHM-CDはもう少し控えめなので"CD"を名乗れる。いずれにせよプラチナSHMもSHM-CDも、CDの読み取り精度を上げて音質を上げようという沢山の試みの一つであり、これはユニバーサル・ミュージックが採用している規格である。もしEMIのままだったら、SHM-CD以外の、例えばHQCDとかになってたかもしれない。まぁ現実はこうなっている。


何故私がこの話題に乗り気でないかというと、CDプレーヤーを回して音楽を聴く事がなくなったからだ。イヤフォンだろうがスピーカーだろうが、ipodに繋いで聴くのが日常になっている。非圧縮音源の高音質を楽しみたい時は、CDから音源を非圧縮で吸い出してそれを再生してじっくり鑑賞する。今時の光学ドライブの読み取り速度はとんでもなく速く、80分のアルバムでも5分とかからない。その都度吸い出しても大した手間じゃない。そこまでしたくない時は最初っからipodの圧縮音源を再生するんだし。

まぁ、そんなライフスタイルなので、CDプレーヤーに乗せて回した時に綺麗な音が出ますよという触れ込みのSHMに関しては、全くテンションが上がらないのである。理屈では、非圧縮音源を半導体メモリに置いてそこから読み込めばエラーはゼロのままデジタル信号を音に変えられるのだから、何故みんなそんな躍起になっているのかよくわからないのだ。何か私誤解してるんだろうか? 半導体メモリから読み込むより美しい音が出せるのなら、素晴らしいんだけどね~。

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もう一度ハイレゾまとめ。

PCを持ってる人はフリーソフトをダウンロードできればハイレゾ音源ファイルを再生出来る。スマホも無料専用アプリをダウンロードできれば同じく。というわけで「再生するだけ」なら、PCとスマホのバージョンが今日的であれば初期投資ゼロ。

しかし、勿論それではハイレゾの意味がない。特にCDを持っている人はそっちを再生したのと違いがわからないだろう。昔First Loveを配信で購入していた人もそれがiTunesPlusならほぼ無意味。レンタルなどでリッピングして128kbps以下のファイルしかない人には意味があるが、それならMFiTを買った方が手軽で安価だ。

結局、ハイレゾ音源は99%の人々にとって意味がない。今回調べてみてつくづく痛感したのは、今更だが、マスター音源の音質と再生機器の質が、音質にはいちばん大きく、ファイルのビットレートは殆どの人にとって192~256kbpsもあれば十分である。ハイレゾ音源の4000円のFirst Loveを買う前に、その位の値段のイヤフォンをまず購入するべきだ。

まだ仮の見立ての段階で実地には体験していないが、イヤフォンでいえば3万円以上、ヘッドフォンでいえば1万5000円以上でないとハイレゾ音源を購入する意義は薄い。同じような基準で、128kbpsならイヤフォンは8000円以下で十分だし、256kbpsの粗が気になるのはイヤフォン1万円台からだろう。アンプとの組み合わせを考えると気が遠くなるので逃げるが、手元の再生機器をみて「そこまでお金かけてないわ」と思った人はハイレゾ音源はスルーしてよい。

そもそも、マスター音源のビットレートが44kHz16bit~48kHy24bitなのだから、これを96kHz24bitでリマスタリングしてどこまで効果があるか未知数である。

もしソフトウェアレベルでのアップコンバートなら、調べたところによると、ソニーのハイレゾ対応ウォークマンなら2万円台のものでしっかり対応している。内蔵のデジタルアンプもハイレゾ対応だ。つまり、このウォークマンにMP3音源を入れれば手持ちのファイル全てを"疑似"ハイレゾクォリティーの音質で楽しむ事が出来る。ハイレゾ音源アルバム一枚4000円と比較するとコストパフォーマンスは圧倒的だろう。あとは、それぞれのアプコンのクォリティー次第だ。

更に、BoxSetの方にはプラチナSHMとSHMCDが採用されていて、そちらでもリマスタリングが施されている。高音質には事欠かない。ハイレゾ音源の購入は、余程のコレクター以外は購入を見合わせた方がいい、というのが暫定的な私の結論である。まとめでした。

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テッドによるリマスタリングといえばSingle Collection Vol.1を忘れてはいけない。早速First Loveの聴き比べを行ってみた。よう考えたら10年前はBlogやってなかったから、同盤のリマスタリング特集やっとらへんのやな。こん時のリマスタリングは曲ごとに効果のバラつきがあって…ってまぁそれはまたの機会におくとして、First Loveの話、話。

この曲のリマスタリングは効果がわかりやすい方だ。意図ははっきりしていて、オリジナルでは低音部が他の楽器と混ざり合って不鮮明になりがちだったヴォーカルを、クッキリハッキリと際立たせる事に成功している。一言でいえば、ヴォーカル・オリエンテッドなサウンドに生まれ変わっているのだ。これは、この時のリマスタリングの中でも成功の部類に入る。

それと、恐らくだが、テッド(とSterlimg Studioの皆さん)はこの時かなり気合いが入っていて、日本のマーケットに自分を売り込むチャンスだと思ったのだろうか(実際このアルバムは同年図抜けた売上で年間No.1になった)、「ほらほら、リマスタリングをするとこんなにサウンドが生まれ変わるんだよ」アピールが強すぎる位に強い。要するに「あざとい」までに自分の腕を見せつけてくれるのだ。実際、(曲によっては)ミキシングの終わった音源をこうまで違うサウンドに出来るのかと驚いたものだ。

その時の印象が強い為だろうか、今回のリマスタリングについても、それ位の変化を期待していたのだが、御覧の通り私にはリマスタリングしたかどうかすらわからない。とほほである。

比較対照対象として今回、非圧縮音源(WAV)とも聞き比べてみた。つまり、1stアルバム収録のFirst LoveのFMiT2014ver., iTunesPlus, WAV, それにSCv1収録のFirst LoveのiTunes Plus, WAVの計5種類のファイルを聞き比べてみたのだ。

ひとつ驚いたのは、iTunes Plus 256kbpsの音質のよさである。正直、単独で聞かされた場合、これが非圧縮音源だと言われても私はコロッと騙されるだろう。WAVと並べて聴いて初めて、あぁちょっと圧縮してるかなと感じるレベル。いやはや、エンコード技術の進化の賜物であろうか。私は音楽の買い物はiTunes Storeで十分らしい。安い耳。

それより更に驚いた事がある。5つのファイルのいろんなパートを何度も聞き比べ続けてみたのだが、この曲、何度聴いても感動的である。掛け値無しの国民的名曲・スタンダードナンバーな為普段意識していないのだが、こんなに何度聴いてもまた聴きたくなるメロディーと歌唱は貴重、いや奇跡であろう。一通り聞き比べてみたあとで、「じゃ、最後に最初から最後まで通して聴いてみようか」モードに入った自分に気が付いて笑ってしまった。このエントリーを書き終わった後にももう一度聴かせて貰おう。どんだけ好きなんだ自分。


それにしても。今週の最後にこれだけは言っておきたい。Mastering For iTunesというからには、iPodと付属のappleイヤフォンで聴いてもその効果がわからなきゃダメだろーに。私がこんなにあれやこれや音質にこだわって聞き比べなきゃいけないようじゃ、ダメじゃないかしらん。さて、ではSHMCDやハイレゾ音源はどうなるのか。またその話は来週ね。取り敢えずみんな、まずは明日昼の甘酔に向けて準備だ!

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昨日の補足。私と照實さんとのやりとりをコピペしておこう。昨年の10月3日のツイートである。

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u3music@u3music
そんなこと知って何になるの?秘密 teruzane RT @i_k5 @shogo5fuk @utadahikaru @hikki_staff マスターは何kHz何bitで録音されいるのでしょうか?
posted at 01:22:16


44.1KHz/16bitもしくは風前の灯火の48KHz/24bit。これでいいかな?teruzane RT @i_k5 @shogo5fuk @utadahikaru @hikki_staff マスターは何kHz何bitで録音されいるのでしょうか?
posted at 12:11:29

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こんな具合。昨日の引用はやや不正確だった。お詫びして訂正する。が、大勢に影響はないだろう。

ポイントは、今回発売されるハイレゾ音源が96kHz24bitである事と、一つ目のツイートと二つ目のツイートの間に半日の時間の開きがあるという点だ。同じ質問に対する答えで。後は推して知るべしだろう。

要は、昨日「別の話」として触れなかった「ソフトウェアレベルでの補完作業(アップコンバート)」の有無が大変重要になってきますよ、という話である。そもそも宇多田ヒカルの場合、マスター音源がCDと同等の音質である、と。これはマスターがデジタルであった場合で、マスターがアナログだった場合はこの限りではない(ビットレートなんてない)。ただ、1998年当時ならマスターがデジタルのみであっても何の不思議もない。あと、照實さんが何か勘違いをして、的外れな回答をくれた可能性もある。色々と拙速な即断は禁物だが、ハイレゾ音源の購入を考えている方の参考になれば幸いである。

にしても、もしハイレゾ音源を購入するとなると対応プレイヤーが必要なのだが、今んとこ廉価なのはSONYの位しかないのかな。私もリサーチ不足で、昨年12月には圧縮音源向けのアップコンバートソフトがアップデートされていたらしい。つまり、MP3などの圧縮音源を補完してハイレゾ"ちっく"(ここ重要)なサウンドを実現しようという試みだ。補完作業とは"主観的な"推定作業なので、今後どんどん改善され、音楽性毎に細かな分類が為されていくだろう。問題は、ハイレゾ向けにマスター音源からリマスタリングする際のソフトウェアというのが、そういった一般製品に対してどれ位レベルが高いかである。言ってしまえば、手持ちの音源をハイレゾ対応プレイヤーにぶち込んでアップコンバートしたサウンドと比較して、3月10に一曲400円で販売されるハイレゾ音源はどの程度音がよいのか、それが問題になってくるのだ。はてさて、何だかややこしくなってきたなぁ。FL15プロジェクト、盛り沢山過ぎて全然
ついていけてないや。って俺がそんな事言っててどうするんだっつーの。

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もう一度FLMFiTと従来の配信分を聴き比べてみた。うむ、全く一緒にしか聴こえない(笑)。どこがどう変わったんだろうなぁ…。

元々私は耳がよい方ではない。謙遜でもなんでもなく。視力でいえば0.3~0.4とかいった所だろうか。今目の前に居る人の喋りが、周りの人はちゃんと聞き取れているのに私は何と言っていたのかわからなかった、というケースは山ほどある。というかそれが普通だ。私が気にしぃならコンプレックスになるレベル。

それでも音楽の"いい音"、或いは"高音質"が何であるかがわかるのは、私がたくさん音楽を聴いてきていて、尚且つその記憶をすぐに参照できるからだ。つまり、聴力は低いが記憶力が高い為、過去の(多分膨大な)データと比較検討する事によって、目の前の不明瞭な認識が何であるか、どういう風であるかを推察する事が出来る。また、それをある程度分析して言語化する事が出来る。それによって私は自分の耳がいいかのように、自分は音を分かってるかのように"振る舞う"事が出来る。要するに偽物・偽者である。

という訳なので、リマスタリングの成果がよくわからなくても不思議ではない。しかし、となると、以前から照實さんが示唆していて、この度遂に現実となった"ハイレゾ音源"について、どうすればいいのか悩ましい事態になったと言うしかない。

照實さんに「そもそもマスターのビットレートはどれ位なんですか?」と質問した事がある。それに対する彼の第一声はこちらの予期していないものだった。「そんな事訊いてどうするの?」だ。いやいや、マスター音源を忠実に再現するのがハイレゾ音源のセールスポイントなんだから、マスター音源とハイレゾ音源のレート比は最も気になる点である。自分で言うのも何だが、私のした質問は至極当然のものだったのだ。

そもそも、配信されるハイレゾ音源のレートよりマスターのレートの方が低いとすれば、基本的にそれは無意味である。マスターがCDと同じレートでしか存在しないならハイレゾ音源の存在価値はない。DVDのアップコンバートのようにソフトウェアレベルでの補完作業があるなら別だが今はそういう話ではないだろう。

そんな感じなので、実は、上記のように照實さんに返された時、わざわざ返答してくだすった方に対して大変失礼なのだが、「このプロジェクトはあまりうまく行っていないのではないか」という感想を持った。ハイレゾ音源の音質に絶対の自信を持つのなら、こんな"不機嫌そうな"回答はしない。もし自信があるのなら、話題に出された時点で「よくぞ聴いてくれました」と音質向上自慢を始める方がリアリティがある。プロフェッショナルなミュージシャンの音質へのこだわりというのは一般人からみるとかなり尋常ではないものがあって、例えばどれだけ作曲がうまくいかず曲がつまらなくても、サウンド・プロダクションがうまくいけば「あのアルバムは素晴らしかった」と過去を振り返って絶賛してしまうような感じなのだ。曲がよくなくても音がよければ上機嫌でずっと聴いていられる。それがプロのミュージシャンという人種なのである。

さて、では、最終的なFL15のハイレゾ化はうまくいったのだろうか。機会があれば、また照實さんに質問をしてご機嫌を伺おうと思う。その時彼が上機嫌で返してくれるようだったら、購入してみようかな…。

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さてどこから手をつけたものやら…

差し当たって、昨日から配信になっていた"First Love [Mastered For iTunes]"をDLして聴いてみた。…うーん、どこがどう変わったのだろう。さっぱりわからん。比較対照の為、同じくiTunesで従来から販売されていた"First Love"も聴いてみる。うん、同じだね。(笑) プロパティをちらっと見てみると、ビットレート256kbps、サンプリングレート44.1kHzでこの条件は同じ。なぜかMFiTの方が0.3MBほどファイルサイズが大きかった。テッド・ジェンセンのリマスタリングの癖は幾らか知っているつもりだが、どのポイントから聴いても違いはわからなかった。次はCDの非圧縮音源と聴き比べてみたいが、ビットレート6倍のと較べても別になぁ…。結局、唯一明確にわかった違いといえば、配信されてきたアルバムアートワークの色味がちょっとだけ鮮明になっていた事位。うん、これは間違いなくリマスターされてたね(苦笑)。

圧縮エンジンというのはiTunesが更新される度に新しくなっている筈だから、CDを持っている人はMFiTを新しく買うより、新しいiTunesで改めて256kbpsにビットレートを変更してm4aファイルに圧縮した方が安上がりで済むんじゃないかなぁ。勿論圧縮音源向けにプロがリマスターしたっつーんだから違いはある筈なんだが、どんなものか聴いてみたい、という人以外は購入する必要もないのかもしれない。

そんな事より、0:13のノイズ(音の途切れ)が未だに消えていない事の方にガッカリ。まぁ、ここは、余計なノイズが乗ってるんじゃなくて音声そのものが欠落してるんだろうから仕方がないか。余計な音を除去する事は出来ても、失われた音を埋め合わせるのは無理なんだろうな~。これはCDの段階から同じ状況なので、マスターテープ由来のノイズという事なのだろう。これが来月発売のCD音源で覆ってたら凄いんだけどねぇ。無理難題だねぇ。

今回の感想は取り急ぎの第一印象なので、後日訂正するかもしれません。実は同じファイルを二回聴いてただけだったりしねーだろーなー自分?(笑)―みたいな事が、あるかもしれないからね。それだったら違いがわからなくて当然だわな~。

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FL15全貌発表。

――あ、あの、ちょっと待ってクーダサーイ! 情報量多過ぎて追い付けない。

そりゃあ15000円(+3月と4月で異なる消費税)も取るんだからこれ位はやって貰わないと…と思ってたけど、いざこうやって目に入ってしまうと目移りして目移りしてもう。「なんでも買っていいよ」と言われておもちゃ屋に連れてこられたこどもみたいな気分。いやもうどこから話の手をつけたらいいのやら。

どうにも何について語り始めても消化不良になりそうなので一点だけ。ヒカルがこうやって正式にDemo Versionをまとめて大量に発表するのは初めての事だが、これは実に画期的だ。というのも、ヒカルの性格上、「出来上がる前の段階の作品」の姿を人に見せるのは嫌い、或いは苦手な筈だからだ。もしかしたらポリシーかもしれない。彼女はどんな曲であれ中途半端な出来になる事を極端に嫌っている。一言で言えば、「まぁこんなもんかな」と"妥協"をする事を全くしないのだ。中には"Blow My Whistle"のように、出来上がりに不満を持つ例もあるが、それは大概自分ではどうしようもなかった外部的要因によるものである。兎に角、人の目と耳に晒すからには最高のものに仕上げる。それがこの15年だった。

それが、一体どういう心境の変化なのだろう。こうやって、沢山のDemo Versionを聴かせてもいい、となったのは。正直、わからない。もしかしたら、上記の話は私の勘違いであって、ヒカルはDemoを人に聴かせる事に大して抵抗がなかったのかもしれないし、或いはただ単に発表する機会が今までなかっただけなのかもしれない。

ヒカルの実際の心の動きはどうであれ、目に見えている変化は「Demo Versionを発表する事になった」という今の状況である。無意識日記みたいなものを書いている人間にとって、宇多田ヒカルの楽曲の制作途上を知る事が出来るのは、言わばCompletely Naked な Utada Hikaruを見せて貰う事よりExcitingかもしれない。いや、それは言い過ぎだな。裸の方がいいや。

それ位言いたくなる位、私にとっては途轍もなく興味をそそられる内容である。以前、Passionの没歌詞を発表してくれた時も(今思えば非常に稀有な機会であった)自分の目がギラつくのを感じたが、今回はそれ以上かもしれない。いや、勿論1stアルバムの時の制作行程は、ヒカルがまだまだ未熟な事もあって多分キャリア上では"いちばんつまらない"ものである気がするが、それでもやっぱり興奮せざるを得ない。何だか村上ちえちゃんになった気分である。心ゆくまでガン見&吟味してやるぜ。

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