無意識日記
宇多田光 word:i_
 

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今年最後の定期更新を気分じゃないのの記念日に綴れるというのは何とも幸せなことで。まぁ毎年この後に1回くらいは不定期な更新したりするんだけど取り敢えず形式上は明けて1月4日の朝までお休みということにはなります。今年1年ご愛顧ありがとうございましたm(_ _)m

嗚呼、全いいね&全RTにいいねして回りたかったな…。


さて、2022年はどんな年だったか。『BADモード』の一言で済みますね。ほんと楽。

散々繰り返してきたように、私が今まで生きてきた中でいちばん回数・時間聴いたのがこのアルバムだ。初めてCDプレイヤーを買って貰って最初の1枚を聴いてた時よりも聴いた。文字通り一年中聴いていた。他の作品の記憶が薄い。折角サブスクで何十年も後回しにしてきた名盤の数々を過去に遡ってなんぼでもチェックできる環境になったというのに私は毎日『BADモード』『BADモード』『BADモード』『BADモード』…そして下半期になって『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』がそこに加わり『BADモード』『LSAS2022』『BADモード』『LSAS2022』『BADモード』…ほんとに1年間『BADモード』モードだった。

この間漸く「そういや昨日は『BADモード』の曲聴かなかったかも!?」という日が出てきてまぁそれは『First Love』と『初恋』の種々のバージョンの聴き較べで忙しかったからでな…結局宇多田かよと。12月までなかったのかよと。

何だか、単なる妄想なんだけど、こと音楽に関してはヒカルさん、結構嫉妬深いような気がするのよね。特に熱心なファンに対して、彼ら私らが他の何かにもご執心だったりしたら対抗心を燃やしてるような…気のせいでしかないんだけど、これもしあるとしてもいい嫉妬心だからね─次はお前をもっと夢中にさせてやる!っていう気合いが入るんだから。『BADモード』ではその気合いにまんまと嵌められたというか。凄かったよ。

そしてこれも何度も繰り返して言ってきたことだけど、アルバム『BADモード』は「生まれながらにして最高傑作では有り得ない」作品なんですよ。これを作れた人はもっと凄いものが作れる。そういう性格のアルバム。音楽作品というのは常に唯一無二で別に過去や未来の作品と比較なんかしなくてもいいものだけど、ヒカルの作り手としての実感がもっと際立っていくという意味で未来を確約するアルバムだったと思うのね。だから私にとって過去聴いてきた数千枚のアルバムの中で最も愛聴した一枚なのに最高傑作と言いたくならない。ヒカルはヒカルで『でも今までで一番好きなアルバムかも』と言ってるのだけど、うむ、これ毎作言えるやつだからね!(笑) 実際は言ってないけどね。『ULTRA BLUE』以来かな言ったのは?


そんなこんなで、2022年はずっと『BADモード』モードで過ぎ去って過去になっていこうとしています。まだ3日ちょいあるけどなっ。そこらへんもしっかり噛み締めつつ、前に進んでいきたいと思いますよ。来年2023年のテーマは勿論「ライブ」です。(最後に言い切ってやったぜ!)

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そして『気分じゃないの(Not In The Mood)』誕生記念日当日を迎える。即日ではないにせよ、今年を席巻した傑作アルバム『BADモード』の完成が見えた日でもある訳で。毎年祝うことになりそうねこれ。

今年を総括するという意味でも、この曲が唯一“残った”のは感慨深い。

『BADモード』MV制作
『君に夢中』MV制作/ドラマ「最愛」主題歌
『One Last Kiss』MV制作/映画「シンエヴァ」主題歌
『PINK BLOOD』MV制作/アニメ「不滅のあなたへ」主題歌
『Time』MV制作/ドラマ「美食探偵 明智五郎」主題歌
『気分じゃないの(Not In The Mood)』
『誰にも言わない』サントリー天然水CMソング
『Find Love』資生堂キャンペーンソング
『Face My Fears』ゲーム「キングダムハーツ3」主題歌
『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』MV制作/カルティエ・キャンペーン・ソング

本編全10曲。『気分じゃないの(Not In The Mood)』だけがタイアップもつかずビデオも流されず、なんだか世間の喧騒からひとりぽつんと離れた場所に居るみたいで、そこが歌詞の内容とリンクしててヒカルが世界を観てるフィーリングが伝わってくるようで、メタ認知とはいえ、やけに心に来るものがあるのよねぇ。

勿論、このあと来年以降この曲にタイアップがついたりミュージック・ビデオが制作されたりする事もあるかもしれないけれどね。あと、既にどこかのローカルテレビ局がクロージングに使ってるかもしれないけれど(笑)。でも、どちらにしろこの曲らしいなぁと。聴いて直ぐに「今までの宇多田ヒカルの歌詞でいちばん好きかも」と言った気持ちはますます強くなり。何度聴いても、暖かくはないかもしれないけど妙に安らぐ。世間の冷たさと冬の寒さには、別に悪気があるわけじゃなくて。ロエベの財布から施せる立場でも、急性胃炎直後で気分は落ち込んでて、だけど薬を飲めたり医者にかかれたりするのも特権だもんね。ひとまず世間と世界はこうあるのだと「みる」とこから始まったこの歌、2021年の世界はこうだったと後世にいちばんよく伝えれるかもしれないな。

そしてやっぱり、ダヌくんの歌声が未来を運んでくるのが、なんとも言えず、いい。声変わりがあるから歌うなら今のうちとはいえ、引っ張り出すのも違うかな。音源を愛でるのが、今日の過ごし方ですかねぇ。

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ヒカルが英語でツイートした時はそのままスルーしてしまうという人も多いと思うが、先週土曜日のこのツイートはちょっと目を通しておいて欲しい。


@utadahikaru : It’s time for the most anticipated decennial event… "40 Dai-Wa-Iroiro♫" (40’s: It’s Complicated♫)
It’s going to be the WORLD’S FIRST livestream with “360 Reality Audio”!😳
Details here: https://www.utadahikaru.jp/40iroiro/en/

https://twitter.com/utadahikaru/status/1606359624470372353


グーグル先生に翻訳をお願いしてみよう。

@utadahikaru : いよいよ10年ぶりの大イベント「40代いろいろ♫」
(40代:ややこしい♫)
世界初の「360 Reality Audio」での生配信です!


こうなる。

…ん?「(40代:ややこしい♫)」って、何?


そうなのだ、ヒカルさん、『40代はいろいろ♫』の英語タイトルをこの時初めて呟いたのだがここが

『40’s: It’s Complicated♫』

ってなってるんですよ。「40代、それはややこしい。」って。

「いろいろ」ってのは普通英語にすると"40's varies"(40代は変化に富んでいる)とか"You have various things in 40's"(40代になるといろいろある)とかそんな感じになるんですがねぇ。"complicated"ってのは「複雑である」とか「込み入ってる」とかそんな意味になる。

恐らくダヌくん作であろう「いろいろ(色々)」の名に相応しいカラフルでポップなバナーで客引きをしておきながらヒカルさんの本音は「40代っていろいろあってややこしいんだろうな…」とバーのカウンターで一杯飲みながら溜息吐いてる感じの「いろいろ」であるようだ。いやはや、イメージと違いましたわな。

まぁ確かに酸いも甘いも噛み分けた大人になってくれば人生楽しいことばかりじゃないということなのか…それとも、複雑に絡み合った40代という10年が「楽しみで仕方ない」という意味かもしれんよね。難題を突きつけられた方が燃える人っているもんね。そっちの方が面白いでしょ、ってなもんで。はてさて、ヒカルさんの『complicated』はどっちなんでしょうかね!?


でもあたしらより下の世代にとって"Complicated"っていえばアヴリル・ラヴィーンのデビュー曲だよねぇ。あれからもう20年か。まさかヒカルがアヴリルのカバーを歌うとは思わないけど、本家が今年「ザ・ファースト・テイク」でアコースティック・バージョンの"Complicated"を歌ってんだよね。
https://youtu.be/_P9zR5KaPsc

確かにこういう雰囲気なら『代は』イベントにも合うとは思うけど、まさか、ねぇ? …もし万が一ヒカルがこの歌を歌ったら苦労するだろうなぁ。スタイルが違い過ぎるからね。……あ、歌のだよ!(笑)

でも、ほんと、なんでこんなタイトルにしたんだろう…?

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この日記は何日か経ってから読む人も居るし、ちとフライング気味に書くのもいいか。

明日は12月28日。今年はクリスマス以上に記念日な気持ちで迎えるのですよ。『気分じゃないの(Not In The Mood)』の歌詞が書かれて1周年の日なのです。


いやもうこれは本人の口から直接語って貰った方が早いわね。ライナーボイスプラスの出番です。


***** *****


アルバム『BADモード』、6曲目は『気分じゃないの(Not In The Mood)』。これは凄く不思議な体験というか、いい体験というか。話したかったんですこの曲のことを。アルバム最後の1曲で、途中まで出来てるし、出来てる部分はいいし、どうしても入れたかったけど歌詞がなかなかできなくて。でもこの日に出来ないとダメっていう日の朝になってまだ出来てなくて。唯一あったのがあのコーラスの英語の部分。それが最初の頃からあったんですけど─『Rain rain go away』っていうとこが。で「もうこれ本格的にダメかなぁ」と、思いつつ、とにかくいっぱい、歌詞書く時に外をいっぱい歩いて、感覚が纏まってくるとカフェに座ってみたりとか、その繰り返しをするんですけど。それまで懐(いだ)いていたイメージは─ちょうどこれが12月28日だったんですね。で、私がちょうどクリスマスの前の時期に大体気分が落ち込んじゃったりするっていうその時期だったので。で、クリスマスの日に急性胃炎にもなって「うー、体調も悪いし気分もちょっと落ちてるし」っていうその、その時の気持ちを書きたかったんですね。でも、どういう書き方をするかというかその糸口、入り口みたいなものがなかなか見つからなくて。なにかこう自分の、なんだろう?私生活をそのままただ書くっていうのもなんかかっこよくなくて。なんか違うなって思ってるときに、たまたま最初に入ろうとした、座ろうとしたカフェの外の席?が、食べ物を頼まないとダメって断られて、でやっと他んとこは外の席が今人気だからってなかなか座れなくて、凄い寒くて。で、やっと入れた、やっと座れた席のテーブルの色と椅子の色とコーヒーカップとソーサーの色が凄い組み合わせだなと思って。そこから、私の目に止まって、何か私に引っ掛かったもの、何か私にとって、なんかこう意味をもったもの?っていうのをそのまま私の目線を歌詞にしていこうっていうのを、もうそれくらいしか今日中に歌詞を書く方法がないと思って、それをやってみたんですね。そしたら凄くなんかこう手応えがあって。初めてやってみたことでもあるし、私の状況とか私の気持ちを書くよりも、私が曲の中で、ただ私の目線だけが存在してるっていうのが、逆に凄くその時の私の虚無感とかそういうものを表現できてるし、私が世界をどう見てるかっていうのを書いてるってことが書いてて凄く面白くて。なので、ホントに一日中、夜もカムデンの方までずっと歩いて、そこのパブであった事とかも書いて。とにかく歌詞の中の出来事は、ホントにその12月28日にあったこととか見たことそのままがこの曲1曲になってます。面白いのが、今までよく歌詞のことを「これは実話なんですか?」って訊かれることが時々あったんですけど、まぁそんなわけなくて。というか実際にあった出来事をそのまま書くなんてことは有り得ないというか普通ないから。そういうことではないんですっていう説明が凄く難しかったんですけど、この曲に関しては、ホントに、そのまま、なんかルポルタージュ的な実話です、って言える初めての曲なんですよ。

https://open.spotify.com/track/71tkPj72fYd5TonYOoW9EV?si=Wg4_h_F0Svmo4sUoBiAOmA


***** *****


うむ、付け加えることなんてないな(笑)。この曲のお陰で、報われたとかではないけれど、ヒカルさんが毎年クリスマスに体調を崩してきたという事実が回収されて昇華された気がしててね。こんな素敵な曲が出来たんなら、よかったと言うのも変だけど、それなりに意味のあることになったんだなって。いやまぁだから、今年からは遠慮なく良い体調で楽しくクリスマスを過ごしててくれたらいいなぁと思ってます。

歌は祝福であると共に呪いでもあって表裏一体なんだけど、こうやってクリスマスの時の塞ぎ込んだ気持ちが歌という形のあるようなないような何かに成って皆の心に分かち与えられた以上、この呪いはほどけてとけるのが成り行きなのかな。毎年また体調を悪くしてまた名曲を書く未来を想像してもいいのだけど、そのわざとらしさに歌はやってこない気もするし、気まぐれはまだ残ってる気もするし。

こちらとしても出来れば明日はどこかで倒れてるクリスマスツリーを見つけて起こしてあげたいところ。あ、私はスコッチは飲まないんで。そんなん飲んだら倒れるわ(笑)。コーヒーくらいは飲みますけれども。後は…指相撲する相手はいねーな! スマホはいつもいじってるな!


明日の日本全国の天気は全体的に晴れ、一部雪、午後から下り坂気味だそうですよ。ひとまず、雨はどっかに行っててくれてるの、かな?

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さて皆さん、カルティエのプレイリストはチェック済みだろうか。今宵は1曲サクッと取り上げてみようかなと。


ヒカルのコメントの中に

『愛し合って子供を産んで別れて何年も経った二人が歌うデュエット』

というのがある。これは恐らく7曲目の

エリカ・バドゥ「Hello」

のことだろう。この曲はエリカの歌と元アウトキャストのアンドレ3000のラップで構成されているのだが、この2人が元夫婦でこどもも居るということで、恐らく間違いないかなと。ただ、歌とラップの共演をヒカルが「デュエット」と呼ぶかというと…そうね、『Kuma Power Hour』でのデュエット特集の時もかなり広い意味で使ってたからこれもデュエットって呼ぶかもな。

同曲はカバー曲で、元々のオリジナルはトッド・ラングレンの1972年の「Hello It's me」という曲。なんだけど、エリカとアンドレが直接参照したのは1974年に発表されたアイズレー・ブラザーズによるカバーの方だ。つまり、この曲はカバー曲のカバー曲。なんとも、ややこしい。

なお余談になるが、このプレイリストの6曲目、アリーヤの「At your best ( you are love )」もアイズレー・ブラザーズのカバーなので、アイズレーの曲が6曲目7曲目と連続している。ここらへんヒカルさんが狙った曲順なのかもしれません。


で。まぁそうね、この曲の聴き所はエリカによるキャッチーなリフレインコーラスとアンドレによるキレ味鋭いラップのコントラストにあるのだが……、って、こう書くとヒカルのある曲を思い出しませんか? そう、この「Hello」って『Too Proud』のインスピレーションの源だったんじゃないかって思うんですよ。試しにこの曲を並べて聴いてみてくださいな。

ふうむ、とすると、エリカとアンドレが元夫婦なら、アルバムの『Too Proud』でラップを担当したJevonってヒカルの元カレだったりするの? んな訳ないか(笑)。ええかげんなこといわんときっw

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こんな記事まで出始めたか。

《宇多田ヒカル、最新作が海外の年間ベストを席巻…「First Love」も再ヒットで迎える黄金期》
https://www.cyzo.com/2022/12/post_331709_entry.html

媒体は兎も角、最近のメディアでの取り上げ方を顧みるに、出るべくして出てきたかなという内容。


アルバム『BADモード』
・Pitchfork アルバムレビュー10点中8点
・Popmatters アルバムレビュー10点中8点
・Slant Magazine「2022年のベストアルバム50」年間9位
・Pitchfork年間ベスト50
・Beats per minute年間ベスト50
・Pitchfork「2022年もっとも進歩的なポップミュージック」掲載
・GQ年間振り返り企画掲載

『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』
・Pitchfork「2022年のベストソング100」年間10位
・Slant Magazine「2022年のベストソング50」年間6位
・Resident Advisor「2022年のベストトラック」掲載

タイトルトラック『BADモード』
・NPR「2022年のベストソング100」年間32位


箇条書きにしてみるとこんな風。まぁ随分と多い。これだけ頻繁に目にすれば英語圏のファンもこの奇妙な(スワヒリ語で「なんくるないさー」を意味する“Hakuna Matata”みたいな!)Utada Hikaruという名前を少しは覚え始めてくれているのではないかな。

他にも同記事にはコーチェラでのアジア圏リスペクトやNetflixドラマ「First Love 初恋」などについても書かれていて2022年の総括的な一本になっている。やはり、今年の宇多田ヒカルの活躍をフォローするにはそのあたりは外せないやね。

1年前の時点ではこんな展開になっているとは私も全く予想していなくってな。「英語バージョンのミニアルバムが作れるくらいに英語曲が充実している」ことから、欧米での好評も少しはあるかと思っていたが、流石にPitchfork年間ベストテン入りだなんて、1年前に思い付いても「盛り過ぎだろ?」となってシリアスには受け取れなかったろう。コーチェラ出演に到っては88risingの一員でなんて全く発想もなかったしね。現実はこちらの想像を遙かに超えていった。

何より、Netflixドラマがこんなに話題になるなんてな! やはり感染症禍でサブスク入った人が結構居たってことなんだろうか。わからん。ここまで『First Love』がリバイバル・ヒットするだなんて、『Eternally -Drama Mix-』の時の無風っぷりとえらい違いだな。まぁ公式の入れ込み具合が全然違うけどさ。

ただ、過去の遺産に注目が集まった日本&アジアと、新曲に才覚を見出した欧米メディアとの間では、来年以降意識のズレや温度差が出てくるかもわからない。欧米での『BADモード』への好評価をどう日本とアジアに逆輸入していくかが今後の課題になりそうだね。

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カルティエからLINEが来てプレイリストの公開が告げられた。ヒカルが愛をテーマに洋楽の名曲の数々を16曲セレクトした、例の「カルティエポップアップのQRコードでしかアクセスできなかった」プレイリストが全世界に向けて公開されたのだ。てことで来週から遠慮なくネタバレをするので今のうちに読者の皆さんはプレイリストをチェックしておいて下さいね、と。

で前にこのプレイリストの中から1曲選んで『40代はいろいろ♫』でカバーを披露するのではないかとひとつ仮説を立ててみたのだが、ここに来て「360R生配信」という新しい要素が加わったので新たに予想をし直…さなくてもよかったわ、そういえば。ドルビーアトモスで空間オーディオについて考えてたから空間オーディオ向きの曲もいいよねって思ってたから。まぁその話はするとしても来週にしましょう。


さてその360R、ひとつ気になる事がある。ヒカルさん自身はもう試したの?ってこと。

『40代はいろいろ♫』でのヒカルは「撮られる方」である。歌声も姿も提供をする側だ。でも、こういう企画って、その撮られる側が「こんな凄いことになるのか!」っていう納得感がないと、イマイチよそよそしい雰囲気になったりしない?どうかな?

なので、1月19日の生配信時にヒカルさんが堂々と「どう?凄いでしょ!?」と自信満々に360Rを誇って歌ってくれるように、事前にヒカルさんに360R生配信の威力を教えておいてあげて欲しいかなと。いやま、この『40代はいろいろ♫』が世界初生配信らしいので、非公開なリハーサルを、ということになるとは思うが。どうでしょ?

そして、ファンとしては、その時のヒカルさんの生の素の反応をカメラで捉えておいて欲しいのだ。ほらアレだ、Nintendo DSのCMにUTADAとして出た時みたいに。嗚呼、記事を引用しておこうか。2004年9月16日付の電撃オンラインから。


《CMは、宇多田さんが初めて出会ったDSに触れた瞬間のリアルな表情やしぐさを収録。白いシンプルな部屋の中心に置かれた「ニンテンドー DS」に、宇多田さんが興味深げに近づき、たまらず「触ってみてもいいですか?」と周囲に問いかける……という内容となっている。》
https://dengekionline.com/data/news/2004/9/16/d7c742937e213b1e6631b9cbef938526.html


こういう感じに! で、そんときの映像を360R応募〆切日の1月10日までに公開しちゃえれば、これもんのすごく応募総数が増えるのでは…? …ええっと…、それってつまり、競争率が上がるのでは……?(汗) 痛し痒し!!(笑)

でも、何よりも宣伝になるよね。ヒカルさんがその音の良さに驚く表情が撮れたなら。まぁもうこうやって企画が通っている以上とっくに試してはいるだろうから今更言っても遅いのですけど、肝臓先生レポートみたいに誰かカメラ回しててくんないかな!(また懐かしい単語を思い出したなお前も…アレもうどこでも観れないわよね…)

ただ、「動く宇多田ヒカル」ってそれだけで図抜けて価値が高いので、1月19日までは一切動画の類いは新規公開しない方が戦略としてはいいような気もするなぁ。どちらがいいのやら? ふむ、はてさてここから4週間弱、どんなプロモーションをしてくるか。そこらへんの公式の手腕にも期待していきましょうかね。なんだか今夜は寒いので皆さん暖かくして過ごしてくださいね。(…っていういつにない挨拶が何かのフラグになりませんように!(笑))

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で昨日からその『40代はいろいろ♫』の360R受付が始まったのだけど、

「なんか新しく機械要るの?」

と疑問に思う人も在るかもしれない。それについては、

「要らんよ。」

というのが答だ。スマートフォンとイヤホンかヘッドホン持ってたら大丈夫。貴方がこのブログを読めてればOKだ。OSのバージョンとかややこしいこと書いてあるけど2022年に条件に当て嵌まらないスマホやガラケー持ってる人は逆に機械に詳しくないとやってけてないだろうからそちらも細かい説明は要らないだろう。

となると、

「じゃあなんで立体音響なんて出来るの?」

という疑問が次に湧く。なんかいい音で聴けるらしいのに新しい機械は要らないなんて都合よすぎないか?と。それにはこんな理由がある。

「耳の写真撮るから」

これなのだ。この奇妙で面倒な手順によって立体音響は威力を発揮するのだ。

360Rは専用アプリをインストールして、ひとりひとりが耳の形を登録することで、ひとりひとりにカスタマイズ(オーダーメイドと言った方が近いか?)された音声を微調整して立体音響の精度を高めてくれている。耳の形状の情報をアプリが分析して立体音響をアプリレベルで制作してくれるので、新しい機械は特に要らないという訳だ。

この説明でも「よくわかんないな?」となるかと思う。人間の両耳で立体感…つまり、音を出す源までの距離と方角/位置関係を把握する感覚を認識するのに、外耳の形状が重要なのだ…けど、うん、確かにその説明始めたら日が暮れるね。やめとこ。


まぁそんなこんなで(…投げましたね?)、ヒカルがまるで自分の身の回りに居るような(360度!)現実感で(Reality!)その歌声を聴く(Audio!)ことが出来るんですのよ幸運な1万人は! スマートフォンとイヤホンorヘッドホンを持ってる人は応募するがいいさ。…って下手にオススメすると競争率が上がるな…。

ただ、これヴォーカル1本だけだと立体感の恩恵はなかなかわかりづらい。やはり、「右耳の耳元で囁いてくれる」とか「足元から話し掛けられる」とかの体験をして初めて立体音響の恩恵だと認識できるので、『40代はいろいろ♫』に関しても、やはり何らかの企画が要るだろう。

すぐ思い付くのはダミーヘッドの活用だろう。こちらはもうドルビーアトモスや360Rといった立体音響規格が動き出す以前からある録音の方の技術で、上記のような「耳元で囁いてくれる」感覚を普通の再生装置用に録音してくれる優れ物だ。その手のCDを買ったことがある人もいたりするかな。

でも、それをヒカルさんがやるの?? わざわざスタジオにダミーヘッド用意して?? そういうニーズは…いやあるにはあるけど公式という感覚はないぞ(笑)。どちらかといえばコアなファンがこそこそ隠れて愛でる愛で方であって、全世界に生配信する企画でやるこっちゃないよなぁ。インスタライブでもギリギリだろう。それに昔からある手だから新鮮味もないし。

となると、やっぱりトーク部分じゃなくて歌のパフォーマンスで立体音響を聴かせてくれるのが有難いわね。というか、それを期待するのが大多数だろうね狭い界隈の性癖に気を取られてる場合じゃない(笑)。しかし、となると、ならばどんなパフォーマンスが考えられるかという話は長くなるのでまた次回かな。

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『40代はいろいろ♫』の詳細が発表された。


《配信イベント「40代はいろいろ♫」 「360 Reality Audio」による世界初のリアルタイム配信で実施決定!》
https://www.utadahikaru.jp/news/detail.html?id=548180


だそうな。…妥当!

「360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティ・オーディオ/以下360R)」というのはソニーの空間オーディオの規格のことだ。対比してアップルの空間オーディオの規格のことを「ドルビーアトモス」という。『First Love』と『初恋』の新音源はこのドルビーアトモスでの配信だった。

なぜソニー系列のエピックソニー所属の宇多田ヒカルがソニーの規格である360Rでなくアップルのドルビーアトモスで配信を行ったか、その点が不思議だったが、なるほどこうやってしっかり手前方の空間オーディオ規格を大々的にアピールする機会をちゃんと設けていたんだなと。少し納得。まぁ主たる理由は「着々と実積を積み重ねているアップルのドルビーアトモスに対して360Rはまだまだ音源が出揃っていない」といった所なんでしょうけども。


さて。


360Rとか書くと「ん?なんだか6年前の“3DVR”とやらに似ているな? ひょっとして今回も無意識日記さんは1ヶ月間怒り散らして荒ぶるのか??(笑)」と期待された方もいらっしゃるかもしれない。だが残念(?)。今回の企画に関しての私は、

「大いに結構!
 失敗しても構わないから
 大胆に挑戦して欲しい!」

という態度を表明する所でありますよっと。

何がどう違うか。理由は単純。前回の『30代はほどほど。』の3DVRが映像技術であったのに対して、今回の360Rは音声技術だからだ。

前回なぜあれほど(1ヶ月間にもわたって)ずっと怒っていたのかといえば、3DVRの導入が『代は』企画の価値を毀損するものだったからだ。『代は』企画の肝は、宇多田ヒカルの喋りと歌なのだ。音なのよ、主役が。ミュージシャンなんだから当然なんだけど。

前回6年前はそこのところを見失っていた。映像をぐりぐり動かして何が起こったかというとネットの接続不良を巻き起こして『人魚』『忘却』2曲のパフォーマンスをちゃんと聴けない人が続出したのだ。みんな歌を聴きに来ていたというのに。何が大事か優先順位を見誤っていた。

ちょっと思考実験。もし接続不良か何かが起きて、ヒカルさんの「映像のみ」か「音声のみ」かどちらかしかストリーミング出来ないという緊急事態が起こったら、あなたならどちらを選ぶ? 恐らく100人中100人が「音声のみ」の方を選ぶだろう(1万人だと9998人くらいかもしれんが)。映像だけ流されても歯痒くて悔しいだけだが(いやかわいいけどね)、音声のみならラジオのつもりで接すればいいだけだからだ。優先順位なんてほぼほぼわかりきっている。「宇多田ヒカルの寝顔を2時間撮影したDVDがあったら買います」と普段から公言して憚らない正真正銘の変態である私ですら即決なんですよこの二択は。

今回の360Rは、音声技術である。宇多田ヒカルの歌声をよりよく届けたいという狙いは明白だ。それなら大いにチャレンジすればよろしい(←えらそう)。狙い自体に共感できるので、もし失敗に終わったとしても大いに称えたい。何しろ360Rのリアルタイム配信は世界初だそうなので。前人未到の領域に挑戦するならそりゃ試行錯誤は必須となる。大事なのは「宇多田ヒカルの歌声をよりよく届けたい」という心意気なのです。それさえ見せてくれれば納得できる。今回は、そこが違いそうだ。だから大いに支持したいし、楽しみだ。

勿論、無事成功する事をまずは祈っている。抽選で1万人か。当たるといいな。珍しく素直に応募する気になってるよ私。

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さて今日は『40代はいろいろ♫』の参加方法発表予定日。2023年1月19日も木曜日だからぴったり4週間前だね。果たしてわざわざ日付指定までして参加方法を告知するって、一体何を企んでるの!?

有料か無料かという二択をまず考えるけど、「部分課金」とかやったりしないのかねぇ? ニコニコ動画だとプレミアムユーザーはコメントが読まれやすいとかあったりしたけど、そういう付加的なメリットのみ有料で基本無料、みたいな…ないかな。

今は宇多田ヒカルが旬扱いかもしれへんもんね。その気になればスポンサーもすぐつく気がするし、わざわざ有料にするメリットがないような。ストリーミングって収入が一極集中になりがちだけど、このままいくとアナログ盤の売上と併せて億単位の数字になっちゃうんじゃないの。いやほんとこんな事態になろうとは夢にも思ってなかったよ。Netflixの普及度を見誤っていたなぁ私ゃ。


そのドラマの評価も凄いことになってるみたいで。


《【2022年】国内ドラマランキング…No.1は『First Love 初恋』》
https://filmaga.filmarks.com/articles/210151/


だそうな。ドラマランキング? それって誰が何して決めるもんなの?と思ったら、同頁にこう書いてある。


《国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」内のデータに基づいた「2022年 国内ドラマランキング」を発表!》

《2021年12月1日から2022年11月30日までの間に、国内で放送・配信された「レビュー数1,000件以上」を超える国内ドラマを対象に、Filmarksのデータを基にしたスコアランキングを算出しました。》


だそうな。要は「いいレビューを沢山貰った」ランキングね。ふむ。

いやまさか並み居る地上波ドラマを差し置いてNetflixの作品がNo.1だなんてね。

先日発表されたストリーミング週間ランキングで『First Love』は第3位だったが、つまり更に上が2曲あった訳だ。それが第2位の米津玄師「KICK BACK」とOfficial髭男dism「subtitle」の2曲で。「KICK BACK」はアニメ「チェンソーマン」のOPテーマ曲、そして「subtitle」は地上波ドラマ「silent」の主題歌だ。アニメ「チェンソーマン」は前評判今年一番ともいえる話題作、そして「silent」は沢山の人が今年No.1のドラマだと評価していてTverの再生回数記録も更新中…いう話だったのに、レビューサイトではこの『First Love』を遥かに上回る再生数を稼ぐ曲を擁するこの無料地上波ドラマよりも評価が上なのだということか「First Love 初恋」は。

思えばちょうど1年前、『君に夢中』を主題歌とするドラマ「最愛」が物凄く評価が高く、今年軒並みドラマの賞という賞を受賞する「2021年を代表するドラマ」としての地位を築き上げたのだった。つまり、2021年No.1ドラマの主題歌を歌ったのが宇多田ヒカルならば2022年No.1ドラマの主題歌を歌ったのも宇多田ヒカルという構図に落ち着きつつあるのが。なんなんだこれは。

これ、来年もというか恐らく現在進行形でヒカルの許にドラマ主題歌のオファーが来まくってるんじゃないの? 毎度の事ながら断られた依頼は基本的に未来永劫我々の耳まで届くことはないと思うけど、いやまさかデビュー24周年を迎えたアーティストが「連ドラ主題歌の女王」みたいなことを言われるかもしれない位置にいるとかほんと笑っていいやら感心していいや、反応に戸惑うわね。凄ぇよ今の宇多田は。ほんまに。


でもいちばん面白いのは、それだけ支持されるドラマ主題歌を作って歌ったヒカルが、恐らくどちらの作品も全話観てはいないだろうこと。米津玄師もOfficial髭男dismも作品を調べ尽くして歌詞を書いてる感じがするのに、ヒカルは大枠を把握しただけで絶妙な歌詞に仕上げてくる。それがいちばん凄いやね。…えっとね、小さいこどもを持つお母さんは日々彼らの親しむ作品をチェックするのに忙しいんだよ会話を合わせる為にね!(適当なことを言って〆)

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今週の『First Love』のチャート成績は先週より更に凄いことになっているのだな。


《満島ひかりと佐藤健が主演するNetflixシリーズ『First Love 初恋』の世界的な好評を追い風に、宇多田ヒカル「First Love」は、ダウンロードが対前週約200%増の3,879DLとなり84位から15位に上昇。ストリーミングは約15%増の7,792,651再生となり6位から3位へ上昇するなど、ダウンロード、ストリーミング、動画、ラジオ、カラオケで順位を上げ、前週7位から総合5位となった。》
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/120228/2

《そして3位の宇多田ヒカル「First Love」は、前週から3ランクアップ。再生回数は114%の7,792,651回を記録した。同曲は1999年にリリースされた1stアルバムの表題曲で、11月24日に配信開始した、本曲と「初恋」からインスパイアされたNetflixシリーズのオリジナル・ドラマ『First Love 初恋』によって、再び注目を集めた。12月7日に18位で251週ぶりのチャートインを果たし、さらには12月9日にドルビーアトモス版の「First Love(2022 Mix)」と「初恋」が配信、7インチアナログ盤『First Love/初恋』も発売されるなど、アーティスト・サイドの自発的な発信もあり、12月14日のチャートでは6位まで順位を上げた。その時点で当チャートにおける同曲の最高位だったが、当週さらに記録を更新した。》
https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/120221/2


なんとビルボード・ジャパンの週間総合第5位、ストリーミングで第3位なのだと。779万回再生て先週より100万回上乗せか? 物凄い大ヒットではないですか。最早2022年を代表する楽曲のうちのひとつになったのかなこれ。上がOfficial髭男dismの「subtitle」と米津玄師の「KICK BACK」なんだもんねぇ。

何が驚きって、そんなに皆Netflix観てるの!?ってこと。これは本当にドラマのお陰が大きい訳で感謝しきりだが、まぁ向こうも宇多田ヒカルのお陰と思ってるか。歌もドラマも素晴らしい。相乗効果。加入者も増えたかな。

ここまで大成功すると、前から言ってるようにまた歌を題材にしたドラマ企画が立ち上がるんじゃないかと思いたくなるが、これはこれでもう美しい思い出にしておいた方がいいような気もする。似たような事をするなら、少し違う分野で…例えば歌を題材にしたゲームを開発するとか? 『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』をベースにしたゲームなど…それぞれロンドンとパリを出発して同じ日同じ時刻にマルセイユ辺りに到着するのを目指すゲームとか…勿論そこは銭形警部に追い回されるルパン三世よろしくそうは問屋が卸さないよと敵キャラが邪魔しに来る展開で…って誰か作らん?(笑) 『First Love』みたいに昔の歌を引っ張り出してくるなら『traveling』がいいかな。あれをベースにしたゲームとかちょっとやってみたい。タクシーもすぐつかまるとびのる…めーざすはきみっ♪


…って余計なこと書いたな。ということで今年の『First Love/初恋』リバイバル企画はアーティスト側からみても大成功、と。

でも、私なんかこうやって毎日宇多田ヒカル宇多田ヒカル言ってるともっと外から見た盛り上がりとかがよくわからなくなっててね。最近はどのポータルサイトも個々人のアクセス趣味にカスタマイズしてオススメ記事を寄越してくれたりするし、なかなか「広く人口に膾炙する」感覚が掴めてないのだが、これは普段宇多田ヒカルに関心の無い邦楽ファンやドラマ視聴層の間でも話題に上っているのかな。だとしたら凄ぇなぁ。

ところがこちらは毎日どちらかといえば、空間オーディオもアカペラも、『初恋』をメインにして歌と接しているのでどうにもテンションの位相が合わない。ほんと凄いなドルビーアトモス。そしてアカペラよな。

初恋のアカペラの何がいいって、歌だけで楽曲としてきっちり成立しているところ。特に『First Love』と比較するとよくわかる。『First Love』は前奏・間奏・後奏がいずれもがっつりあって、特に間奏は無音のまま暫く待たなくてはいけなくて如何にも間が悪い。15周年記念盤収録のデモ版がわかりやすいのだがそもそも『First Love』はリズムセクションありきの歌メロなので、小節毎にも間が空いたりしていてそこまでアカペラ向きじゃない。それでも聴かせ切る15歳の歌唱力が凄まじいのだけどね。

一方『初恋』は、冒頭イントロ無しでいきなりサビから入る構成だからサマになる。バックの演奏がないハンデを感じさせない。『First Love』では暫く待たなくてはいけなかった間奏部分もこちらでは悉く『I need you ...』の分厚いコーラスで塗り固められているから間が空くこともない。終始ヒカルの歌唱が張り付いた状態でエンディングまで途切れなく淀みなく流れていくのである。元々ただ単にヴォーカル(とバック・コーラス)を抽出しただけのトラックなのに、これだけでアカペラとして完成されたテイクと相成った。恐るべき歌の強さだ。

なので、将来ライブ・コンサートでアカペラを披露される可能性がより高いのは『初恋』の方だろうな。『First Love』はやってもピアノの弾き語りまでかなと。いやま、勿論どちらをやってくれても嬉しいのですが。バックコーラス隊さえ呼んで来れれば(出来ればシナジー・コーラスの皆さんがよいような?)、『40代はいろいろ♫』で『初恋(A Cappella Mix)』を披露するのもひとつの手じゃありませんこと? 明日発表になる参加方法云々も含め、そろそろ要注目ですよ誕生日当日生配信イベントに関しては!

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前回は「日本以外のファンは宇多田ヒカル名義とUTADA名義は区別していないだろうし、キングダムハーツ関連曲の支持が非常に高い。」という話をした。

それで思い出すのは13年前の『Utada In The Fresh 2010』だ。自分が観たのは初日のホノルル公演だが、土地柄なのか世界的になのか、それはそれは多種多様な客層でね。日本語や英語以外の言語も飛び交うまさに老若男女が集う一夜となっていた。

初日ということでそこまでショウが固まっていなかったのか、途中急遽『ぼくはくま』がワンコーラスだけアカペラで歌われたりして、客席もそれに合わせて歌っていた。ここまでは『WILD LIFE』でもみられていたけれど、驚いたのは『Come Back To Me』と『First Love』も大合唱が巻き起こった事だった。

その時『Come Back To Me』がハワイ地元のFM局で1位を取っていたという情報はあった為、同曲が大人気だろうことは想像がついたが、この聴かせるバラードで俺らが歌うんかい!というのはちょっとした衝撃だった。私はメタラーかので観客合唱は大歓迎なのだがヒカルの歌唱をじっくり聴きたい向きにはどうだったんだろうか。

そしてそれと同等の合唱が巻き起こったのが『First Love』だった。こちらは更に驚きで。いやだって、幾らハワイには日本からの渡航者や移住者、日系人が居るといってもそこまで多数派ではないんだから。私は公演まで最も会場前で待っていた人間なので交わされていた会話の言語に日本語が少なかった事はよくよく承知していた。そんな母語でない日本語で歌われる『First Love』の歌詞をよくぞお前ら…! まぁサビは半分英語だけどね。

ここに至って、少なくともその時ホノルル公演に居合わせた聴衆は、宇多田ヒカル名義だUTADA名義だと活動を区別して捉えてはいないんだなと私は推測したのだった。現地のことはわからないが、他の国々、アジアの国々でも同様な状況ではないかしらん?

勿論キングダムハーツ関連の楽曲も大人気で、『Passion/Sanctuary』は日本を遥かに上回る大歓声で迎えられたし(その日初めての日本語曲でもあったしな)、『Simple And Clean』もセットリストの要所で歌われ…ってこれは日本での『光』も同じか。

ということで、海外のファンは宇多田ヒカル名義からのファンもUTADA名義からのファンもキングダムハーツ由来のファンもそれぞれ居るだろうが、それらは分断されず、彼らはヒカルの実積をひとりのUtada Hikaruの活動として認知している模様だ。

アルバム『First Love』の売上実績は全世界で1000万枚弱といわれているが、日本での数字は765万枚。200万枚以上は海外での売上になる。そしてそのうちの大半はアジア圏での数字だろう。日本より人口が少ない国の方が多いことを考えると、この数字は幾つかの国ではかなり伝説的な威光を発していると思われる。

ここにUTADAでの『Come Back To Me』とキングダムハーツ関連曲それぞれから流入したファンが加わるが、彼らも『First Love』を、同じアーティストの名曲・名盤として認識しているだろう。そういった背景があってのコーチェラでのリスペクトであり、今回のNetflixドラマ「First Love 初恋」のアジア圏での大ヒットだった、というのは押さえておくべき事実…かどうかはわからないが、そういう可能性も結構あるのではないかと思った次第です。


となると、次のツアーでどこを回るかという話になってくるのだがそんな話はまた日を改めて。

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リアルサウンドになかなか面白い記事が掲載されている。

https://realsound.jp/2022/12/post-1214925.html

要点を搔い摘まむと

「『First Love』のドラマに伴うリバイバルヒットは、英欧米での『BADモード』への高評価や4月のコーチェラで見せたアジア圏での宇多田リスペクト再確認などの文脈も考慮に入れて捉えるべきだ。」

という感じだろうか? 違ってたらごめんなさい。

これは重要な指摘で、確かに日本国内で『First Love』は常にスタンダード・ナンバーで、今回のドラマはその事実を一斉に再確認したみたいな雰囲気なのだが、アジア圏でのこのドラマのヒットはどう捉えるべきか。

何の根拠もない私見だが(今年風に言えば「それって私の感想ですよね?」ってとこね)、アジア圏でのドラマの大ヒット自体、宇多田ヒカルと『First Love』の威光なのではないかなと。つまりドラマの評判がよくて『First Love』が見直されたというよりは、宇多田ヒカルと『First Love』が関連付けられたドラマだから注目を集めたのではないか、という話の順序。その後何週間も失速していないのは偏にドラマ自体の力だとは思うが、初週の瞬発力は宇多田ヒカルの知名度のお陰だったのではないかなと。ここらへん、満島ひかりと佐藤健のアジアでの知名度を知らないからなんとも言いづらいのだけど。


で。海外での宇多田ヒカルの知名度を推し量る時に忘れてはいけないのは、UTADAでの活動とキングダムハーツの主題歌だ。日本に居るとここを見誤る。

日本では、日本語の歌と英語の歌でヒカルの名前の表記が変わっていた。宇多田ヒカルとUTADA。更に最初はレコード会社も違っていて、かなり両者の活動は「別物」という感じで捉えられていた。辛うじてヒカル自身もCM出演した「Nintendo DS」と『Easy Breeay』に関しては宇多田ヒカルの印象で覚えられている(お陰で『エキソドス』はミリオンセラーになった)のだが、以降の英語での活動はまるで別のアーティストであるかのようだ。

日本以外での国ではそういった現象がない。そりゃそうだ、僅かな漢字圏以外では表記の違いったってUtada HikaruとUTADAなのだからすぐに同じアーティストとして認識される。歌われる歌詞が日本語か英語かというのも、アジア圏の多くのリスナーにとっては「母語ではない」という点ではどちらも大して変わらない。つまり、宇多田ヒカルの活動とUTADAの活動は、日本ほど別々に捉えられてはいない筈なのだ。

それが何故重要なのかというと、『Come Back To Me』と『Sanctuary』がUTADAの時期にリリースされた楽曲で、この2曲の人気が大変高いから。

『Come Back To Me』に関しては、これまでも何度も触れてきた通り、日本以外では結構スマッシュヒットした楽曲なのである。YouTubeでのPV再生回数は、カウント開始時期が異なるため単純な比較は出来ないのだが、オフィシャルに置いてあるビデオの中では6曲しかない「3000万回再生」を達成した楽曲のうちのひとつなのだ。これが日本以外の国では「宇多田ヒカルの代表曲のひとつ」として数えられている。『First Love』『Flavor Of Life』『Come Back To Me』みたいな並びだね。ここを、日本のリスナーは普段から見落としている。

更に『Sanctuary』は、アルバムでいえば2009年の『This Is The One』に収録された楽曲ということになるのだが、キングダムハーツ2の主題歌たる同曲の海外人気は凄まじい。勿論1の『Simple And Clean』や3の『Face My Fears』&『Don't Think Twice』も同様だ。日本では『This Is The One』は黙殺されているし日本語バージョンの『Passion』は2005年にリリースされているしなので、ここの重要さも見落とされがちである。

コーチェラでの選曲を思い出そう。そう、宇多田ヒカルの代表曲である『Automatic』『First Love』、そしてキングダムハーツ主題歌である『Face My Fears』『Simple And Clean』が選ばれていた。米国のファンにとって、そして共演したアジアのアーティストたちにとって、宇多田ヒカルの代表曲とキングダムハーツの主題歌は同等に重んじられている事がよくわかる選曲だった。

つまり、アジアと欧米のファン達は、宇多田ヒカル名義の代表曲と、UTADA期の活動、そしてキングダムハーツ主題歌が総て同じアーティストの実積として捉えられているのだ。ここの感覚を知っていないと、日本から海外の宇多田ヒカル人気を推測する事は難しいのではないだろうか。ここを踏まえずに分析をしても物足りなくなる恐れがある。…っていう辺りの話は些か捕捉が要るかな。次回気が向いたら書きますね。

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"Utada Hikaru Remix by taku from m-flo 2022/12/17"の詳細については、触れるとしても来週以降にするかな。今週末アーカイブを聴く人も居るだろうという想定で。ああいう一期一会なテイクはサプライズがいいので、ネタばらしはある程度時間が経ってからにするわ。そこら辺までいくとサプライズで釣るより中身を晒して釣った方がいい…って警察の公開捜査のタイミングみたいな話になっとるな…。

でも来週触れる気分になれるかというと、なんとも言えないのよね。『40代はいろいろ♫』に関して

『参加方法は2022年12月22日に発表予定』

ってオフィシャルに出てるんすよ。
https://www.utadahikaru.jp/40iroiro/

これがどんなものかによって日記の筆致が大分変わってくる。

何しろ前回の『30代はほどほど。』に関していやそれはもう執拗に「そんな企画止めとけ」って言い続けてたからね私ね。1ヶ月弱くらい。で、結果は「3DVR生配信」という企画はアクセストラブルで頓挫、後日VR用の簡易メガネ購入者全員に返金対応が行われた(返品は不要だった)。まぁ一言で言えば「企画が失敗に終わった」んだけど、ヒカルのパフォーマンス、『人魚』と『忘却』での歌唱の素晴らしさで帳消しになった感じだった。ただ、そのパフォーマンスも配信トラブル/接続不良で観れなかった人が多かったのか、後日イベントはオンデマンドで再配信された。

今回は一体どうしてくるんだろう? 有料配信にするのであれば、多くの人が『Hikaru Utada Live Sessions from Air Studios 2022』で利用しているのでほぼ同じシステムでよいだろう。人数の目処が立てば接続不良なんて…と書こうと思ったけど前回(ほどほど。)は参加する人数把握した上で接続が切れたからね…油断は出来んな…。

兎も角、その6年前も書いたが、新たな試みにチャレンジする事自体は大賛成だし、そんな時に失敗はつきものなんだから目くじら立てる必要はないとも思っている。しかし前回は、宇多田ヒカルの歌と喋りが主役だという所を削りに来たからそれを楽しみにするファンとして怒っていたのだ。

流石に今回は学習しているだろうと思われる。担当者が同じかどうかはわからんけど。あとは、ソニー系列になったということでどんな技術を試してくるかだわね。『20代はイケイケ!』にもインターネット配信技術の進展を象徴するイベントとしての側面もあったが、20年経って印象に残るのは楽しそうに喋るヒカルと『少年時代』他計3曲でのヒカルのパフォーマンスだ。人類史に名を刻むレベルの音楽家が生歌唱するのだからそれだけでもう成功が確約された企画なのだ(まだ今回歌うとは誰も言っとらんがな)。新しいチャレンジがあるのなら、是非その本筋とは関係ないところでやって欲しいな。果たしてどんな企画でどんな参加方法なのか。なるべくニュートラルに待ちたいと思います。

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