無意識日記
宇多田光 word:i_
 



即ち、日本に於いても光は今後トラックメイカーを起用するかという問だ。光は既に日本でステイタスが堅い為市場の色に合わせたりハードなプロモを行う必要はもうナイ。ならばやはりじっくり自分の音を作り込むのが筋か。新しいのは、今迄以上に海外のファンが光の日本語曲に注目してくる事。ココでEMIukの出方が重要になる。今度は彼らがUtaDAの知名度を国際的に利用できるからだ。本社が国際的利益を目論んで光の日本語曲計画に口を出してきたら実にヤヤコシイ。英語版を作れ、ソレに合わせてリミックスしろ、なんて言われたりして。売れる程にこの2足のワラジは履き替えが大変になりそうだ。

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まずは年度内にアルバム1枚をリリースした素早い仕事ぶりに拍手だ。半年前は2ndが出る事すら半信半疑だったのだから更に本2冊の編集とトレボヘSPと米ラジオTV出演が続いている現状は正に夢見心地。このスピード感を支えた主な要因はスターゲイト&トリッキーらトラックメイカー達とのコラボレーションだとみる。とかく音楽性&市場との親和性が先に語られがちだが寧ろ人手が増えた分光の負担が減り作詞作曲のペースが上がった(筈)という単純な事実をこそ強調したい。そのフットワークの軽さがTiTOの聴き易さに繋がったと解釈するのは穿ち過ぎか。光の疲弊が少ないのが前作時と大きく違う風である。

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教授の旋律を弦とピアノで厳かに奏でる同曲はどこか硬質で寒冷な空気を持っていて、オートマ1の(特にヴァース~ブリッヂにかけての)絹様の柔らかさや白い手触りを欠いている。そのオートマ1の美点を継承したのが前曲のOnAndOnで、冒頭2曲の中間がオートマ1な構図が思い描ける。ただ、その美点だけでは口当たりが滑らか過ぎて曲としてフックに欠けるとトリッキーが判断したのか、同曲では始終男が後ろで叫び続ける。まるでホイップクリームに唐辛子を混ぜ込んだみたいに(アイスクリームに胡椒でもイイけど)。あの叫びを気に入る人は激辛好きなんでないか。シングル化の際は"サビ抜きミックス"も希望だなw

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今日からFYIの着ウタ着フル配信が始まる。日本ではファンの間で1番人気曲といってよく、ヒット確実のムードすらある。何故ココ迄なんだとアタマの中で説明を並べてみると、成程、10年前のAutomaticと同質の魅力を持っている事に気がついた。中庸なテンポ、歯切れよい独特のリズムの切り方、ほんのり漂う和のテイスト、上下上と動く輪郭のハッキリしたメロディライン。細部が似ているというより総体的に"オートマを気に入る人はFYIも気に入る"構図を思い浮かべた。となるとこの曲はAutomaticPart2と呼ばれてもよかったのだが、アルバムにその名の曲がある為ソレは回避される。強運を感じる楽曲である。

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iTunesJPではずっと1位付近に居るので売上伸びてもワカランな。CDは期待薄だしなぁ。寧ろ効果が出るのは次の日本語シングルか。タイアップ相手(在るとして)はホクホクだな。難儀なのは、ソレがEVA破である場合だ。6/27公開予定が決定とすれば、仮にアルバムが50位以内(ラウドネスを上回るのか)となった5/12にCD発売したばかりのニューカマーの身柄をアッサリ引き渡してくれるだろうか。私がIDJのA&Rならゴネる。TiTOの実力を鑑みれば、ツアーさえ行えば2年で50万枚位は現実的な数字だ、当然直後に3rdをリリースして一気呵成を…IDJの青写真vsEMIの意地のせめぎ合い。UtaDAのブレイクってホント悩ましい。

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今朝のTVでも紹介されたらしいがUtaDAのSephoraインストアイベントが大盛況の模様。"今の日本よりは集まるだろう"とタカをククっていたが、何十倍も集まったらしい。流石にこの数のサクラは用意できまい(如何に今日がサクラの日といえどw)。もうちょっとギークが多いと思っていたが、まぁ音楽ファンにしては大人しいとはいえソレでも十分騒がしい。ネット普及の影響で売上発表数と体感人気の乖離が進む中"人を集めた"映像のインパクトは大きい。が、あクマでまだ都心部の話である。米国の広大な田舎に向けどれだけアピールするか。ツアー予定がない以上ソコの戦略を十分に練る必要があるだろう。

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発売後第1波はコレ位かな。話題性が連鎖反応を起こしていくレベルには今1歩足りない。今後はファン層をどう読むかが鍵。a前作からbキンハでcCBtMで、と3大別するとして今の所はまだa>c>bとみるべきか。ビルボTop200もココ数年枚数減で6万枚台が1位になる事もあるから5月の順位予想は大変難しいのだが、cのみであればオンエアがこの後30位台迄伸びたとして100位以内、ココにabの非配信層を加えて45位程度と見積もっておく。CBtMでドコ迄引っ張るかIDJは今悩んでいる筈だ。FYIと相乗効果となるか共倒れとなるか。各種イベントでファンのカオをみたA&Rが、空気をどこ迄読めたか、だな。

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Poppinは当初からルパンとかピンクパンサーとか云われてる。ミュージカル風というのも多いが、ウエストサイドストーリーのイメージだろうか。Boys&Girlsって歌詞だし(然し自分引用が相変わらず古いなぁ)。シングル化から最も遠い曲に思えるが、PV作って一番遊べるのはこの曲でなかろうか。米では日本と比較にならん位PVを重視する。ラジオと違ってMTV他音楽チャンネルは基本全国規模だからね。なので"面白いPVを作る"目的でならこのPoppinのベタな曲調はハマると思うのだが如何せん光は踊らない。本人が一切出ないPVを作ってもよいがシングルにするとなるとナマで歌う事になるのでソコがキビシイかな。

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マイスペでも暫くイチオシだったし日米共FYIが(リリース形態はともかく)第2弾シングルとなりそうだ。CBtMはティピカルなバラードでラジオ向けだったが、正直「FYIをリリースして"何を"する気なのだろう」と立ち止まってしまう。春夏に"メリークリスマス"なんてね。曲調もエキゾチック(イヤ無国籍風、か)でCBtMの次としてはイキナリ冒険的である。i_ならDirtyDesireかMeMueroなんだけど。IDJはファンの反応を見ながらギリギリ迄戦略を練りCBtMでついた灯を巧くリレーしたい所。翻って日本はFYIからA&CかThisOneに繋ぎ宇多田新曲にバトンを渡せばバッチリだろう。光のメロディが浸透している国に遠慮は不要だからね。

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日本では発売迄が勝負だがUSではコレからだ。7時現在iTunesUSの音楽総合チャート26位、ジャンル別Popチャート5位。順調な滑り出しだ。早速現地では朝のニュース番組に出演、日本からでもktla.comにアクセスすれば光のナマ歌(CBtM)動画が観れる。便利な時代だ。歌唱は全体的にややフラット気味だったが上出来。TVでは見た目が肝心な訳だがあの髪型の童顔小柄な女子が直立不動で歌う様は何だかコケシから声が出てるみたいで光がTV短縮Ver.を真摯に歌ってるから余計に笑えた(スマン)。然しやはりヒカチュウとして拍手を送るべきなのは全米TV初登場(歌では)にクマTシャツで現れた事だろう。光GJ過ぎ。

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A面はどうなんだと云えば、そう、比較的未完成な印象がある訳だ。渋谷陽一氏がEXODUSのレビューで的確に指摘した様に、音楽家宇多田光の最大の問題点は己の"型"を持たない事にある。白鵬の左前マワシの如き"ココにハマれば力を大きく発揮出来る"フォームが定まっていないのだ。裏を返すと光はあらゆる曲調で力を発揮できる訳で、その結実がこの10年の捨て曲ナシ素敵アルバム群なのだがTiTOで遂に自身の"型"を模索し始めた様にもみえる。まぁ次作を迎える迄は判らないけど、光がTiTOを"デビューアルバムの様に感じる"のは今迄とは違う1歩を踏み出した感触があるからなのかも。

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光の地声をそのまま活かした直球のA面5曲と光の歌唱技術の幅広さを見せつける変化球のB面5曲という構成のTiTOだが、こと"商品"としての完成度通用度はB面曲の方が上だと思う。A面がUtaDAの唯一無二の歌の魅力を伝えるオリジナリティの高い作風であるのに対し、B面は既存の音楽と歌唱のフオーマットを素直に踏襲した作風である分アレンジがよりこなれていて耳馴染みがよい為リスナーに浸透し易いとみるからだ。1発目のCBtMもその"アメリカンDivaタイプ"の歌い上げる唱法は没個性的でソレがテイスターとしての肝だった訳だが果たして2ndシングルは個性でくるか完成度でくるか。注目だ。

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明日TiTOのUS配信開始。曲目曲順値段音質順位等気になる点は沢山あるが、TiTO日本発売後ラジオ本PV配信開始とEMI側からの加勢も出揃い、いよいよ光の軸足はコレからフィジカル発売の5/12迄UtaDA中心に移る筈。未々伸び続けるCBtMのラジオオンエアに更に配信開始後はMTV等の画面露出が加わる。TVとラジオで大きく違うのはソレが"全国ネット"である事だ。TheEarlyShow始め既に幾つか出演決定済だし、あの広大な国土を相手にするのにコレをハズす訳にはいかん。とはいえ、光の事だから特にキャラを作る事もなく居そうだなぁ。ギガントダンスを披露する位思い切った事を…ソリャ流石にムリか;

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光バラカン渋谷がPopMusicの未来について鼎談した訳だが、希望的観測の渋谷に対して絶望派の2人が揃ってアフリカ音楽をセレクトしていたのが興味深かった。コレは既存のPopsに飽きた人によく見られる傾向で、"新興国を探す"or"ルーツに還る"の2ッの動機があり得る。中にはこうした"音楽の旅"を経て民族性をコンテンポラリィなPopsに反映させて成功する例もある。ピーターガブリエルとかね。が、大抵は単なる聞き手側の倦怠期でシーンには然程責任がナイのが常だ。今の光が("自分という素材が新鮮じゃない"と吐露している通り)己の新側面を探している最中だという感触が益々強くなった。

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HSのときはアルバムを聴き終えるなり約1万字書いたのに
今回のTiTOではひとことふたことですませた。なぜか。
アタマに流れた文章が、書いたものばかりだったからだ。
なので、書く気を無くしてしまった。

ちょっと時間が経ったので、何か書く気が出てきた。
とはいえ、全部を書き下ろすまではいかない。そこで、
折衷案として、それらの“書いたもの”たちをつぎはぎしながら、
TiTOのレビューとしたい。


まず、決定版は、コレだろう。

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幾度もくどく書いた事又諄々と 天然啓語 / 2007-09-28 19:32:57

書きますが。UtaDA2ndに向けて参考になる曲はFlavorOfLifeだ。出来る所迄自分でやりきり光らしさ溢れさせた1stEXODUSはそのままFoLOVに対応する。いわば音にベッタリ光の指紋が付いたサウンドだ。翻って2ndは素材を人の手に渡して自らの個性がどう輝くか試してみたBVに対応すると予想出来る。そこでの収穫といえば、一旦ひとの手に渡った曲との新しい距離であった。ひとの手垢にも塗れる事でまるでカバー曲の様に対峙でき素直な感情移入促し歌唱面に進境見せる事となった。1stでは多彩なソングライティングが耳を引いたが、2ndではシンガーUtaDAの成長にも注目である。

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TiTOの発売17ヶ月前のエントリ。
時制を合わせれば、そのままTiTOのレビューになるような、
非常に簡潔な内容だ。EXODUSとTiTOの違いをFoLOVとFoLBVの差になぞらえてある。
また、FoLBVの成果から、EXODUSがソングライターUtaDAとしての側面が
強かったのに対し、TiTOではシンガーとしての成長が注目点であることも
述べてある。この限られた字数を考えると、非常によく要約してあるといえる。

自画自賛。、、、、、、、、、書いてて呆れるわ。(汗)

でも、当時までに集めた情報を元に考えれば、これは自然なことだった。
2008年3月4月の雑誌インタビュー等を総合すると、
UtaDA2ndで新しいトラックメイカー・プロデューサとコラボレーションするのは
ほぼ確実なことだったし、そうする動機の源流がFoLであったことも、
光の発言の中で示唆され続けてきた。
なのでタイトルが「幾度もくどく書いた事又諄々と」なのだ。
よって、実はi_の自画自賛なんてものではなく、
ただ光が有言実行を成し遂げただけなのである。
そう考えてくれれば、わかりやすいだろう。

また、TiTOについて「Distanceアルバムを思い出す」という意見も
2ちゃんやmixi等で見掛けたが、それについても同じ時期にこう書いている。

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同じ1人の人間が2 度2ndを作る妙。 天然啓語 / 2007-09-26 19:46:36

UtaDA2nd ときいてまず手にとった作品は1stのEXODUSでもなければ光の最近作UBでもない、Distanceだった。恐らく作風妄想するのに鍵となるのは英語な事や時代性よりも「2枚目の作品である事」だと思う。距離は"雑多な"作品だった。EXODUSやUBも多彩ではあったが、光が作品全体を強くコントロールしているという意味でアルバム全体にストーリーがあった(「額縁を選ぶのは他人」/"ThisIsMyStory")。距離は初恋成功後の模索の中で色々やってみた末の多様性でありジャケも確信や決意に満ちたDREXUBとは一線画する。UtaDA2ndで光は今度は"故意に模索状態に入る"のではとみる。

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こんな感じ。TiTOが「故意に模索状態に入った作品」であるかどうかについては、
追々このblogでも触れていくことになるかも、しれない。まだわかんない。

「UtaDA2ndときいて」とあるのは、ちょうどこのエントリの直前に、
光が英文メッセ(携帯PC)でIDJのひとたちとミーティングしたと書いていたからである。
(日本語訳はこちら)(そのときの私の反応はこちら
それが、2007年9月25日のこと。

で。この時期から半年経過した時点でi_はこう書いていたのだった。

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今年度はUtaDA2nd 祈願体勢でGO 天然啓語 / 2008-04-02 19:33:54

どんな作風になるか。予てから複数プロデュース・Ne-Yoクン的コラボ・歌重視と書いてきた。コレにHステALの存在が考慮に加わる。反動か延長か。童謡まで飛び出た作風の反動なら、アダルト&コンテンポラリィなR&B色が濃くなるか。目に映るのはフレディよりプリンスやMJ、ブラックだがPopsのスタンスを見失わないアジアンによる音楽。延長ならキーとなるのはPoLになる。日本語向け素材を英語でやろうとして結局日本語で名曲誕生、光の作曲と歌唱の"18番"とは何かを顕にした。このプロセスは今1度光に両言語の音楽的特性について考えさせる契機となった筈。その考察の成果が音に出てくる事に期待である。

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まさか、これを書いた時点で“今年度”中(2008.4~2009.3)に
UtaDA2ndが発売されるとは、実際思ってもみなかった。ごめん光。
Ne-Yoクン的コラボは結局日本盤アルバムでは為されなかった。
これは予想としてはハズれている。また、複数プロデュースは単に
光のインタビュー発言の引用であり予想ではない。歌重視に関しても、
半分は引用みたいなもんだ。しかし取り敢えず、
複数プロデュース&歌重視の作風はTiTOの大きな特徴となった。
勿論、その下に書いてある“アダルト&コンテンポラリィなR&B色が濃くなる”点も
当たっているといえなくもないが、i_はTiTOを聴いて、
「このアルバムにR&Bって単語使うのは控えめにしようっと」と
思っているので、自分の中では「予想をハズしたな」という心持ちだ。

PoLに関しては、この間一本エントリ(米欄も読んでくださいな)を
書いたところなので、まぁ確認のようなものだ。
前半5曲のマイナーキー哀愁の歌メロ重視路線のルーツを日本語曲PoLに求める。
このセンは、裏切られなかった。確かに、PoLそのものではないが、
その差異はいわば、光が日本語と英語をメロディに載せる際の必然的な差異だと
考えておけばいいだろう。

上記の2エントリをまとめて書いたのが、次の1文だ。

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自身の実力見定めつつあるのなら 天然啓語 / 2008-05-28 08:11:30

今後の光の成長は内面を研ぎ澄ますよりも外界や他者との相互作用を通じて為される事になる(以前指摘した様に)。具体的には新しい録音場所や共作者を探す事を指すのだが、一方で今迄築いてきた光の方法論…「自分の色で押す」を崩すのも得策でない。双方の両立は難しそうだが、FoLBV・PoLを思い出そう、演奏者を加える事で光当初の青写真を超えるものが達成された2曲を。光の外界・他者との相互作用とは、両者が融合して新たな展開を見せるというよりは、他者を己(の作品)の化学変化の助けとする=触媒として扱う様なものなのだ。コレなら両立は可能である。

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即ち、他者との相互作用を下支えするのは「自信の実力を見定めること」にある、
とそう説いているのであった。つまり、自信のようなものだな、と
まとめるのはちと我田引水が過ぎるかな。てへ。

こほん。それはさておき。

また、Ne-Yoクンとやったようなコラボレーションは結局叶わなかったが、
i_は、コラボについては次のようなエントリを書いている。

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無粋な仮定から未来を妄想する愚 天然啓語 / 2008-05-29 19:18:53

光がUtaDAでコラボ相手を択ぶ規準が「アルバム全体を聴けば光の音楽性の振り幅と中心が何処にあるか解る様なバランスを達成する為にその時点での光に技術的に足りない部分を補える人材」だと仮定しよう。Exodusではエレクトロ風味が前面に出たのとバランスを取るかの様に光元来の嗜好であるリアルなロックとブラックなR&B風味を加味せんとセオドアの生ドラムとティンバのリズムを採用した。2ndでも同様の傾向を見せるとすると、制作終盤に UtaDAは日本人アーティストと共演するのではと予想したい。その頃には光のUSA人としての面が出過ぎてんじゃないかな。宇多田やる余裕もないだろうしね。

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これは予想を大きくハズしてしまった。
しかし、“日本人アーティストの共演”は、
全く考えてもいなかった違う形でアルバムに収録されることとなった。
そう、“Merry Chirstmas Mr.Lawrence - FYI”である。
これは、坂本龍一とUtaDAとの共作曲といっていい。
(ブックレットのクレジットでは、作曲者としてUtaDAの名ではなく
 Ryuichi Sakamotoの名が、PublisherとしてBatonGirlではなく
 YanoMusicの名が書かれている為、
 正確には“Merry Chirstmas Mr.Lawrence - FYI”はカヴァー曲扱いである。
 曲名が当初の“FYI”のみから変更になった点も付記しておく。)

経緯も「日本人としてのバランス感覚から」でもなんでもなく、
「会った初日にStargateからの提案で」というものだった。
なにしろ、「宇多田をやる余裕があった」のである。ココもハズしたよ。
実際に作業に入る、というより話がきていた、という段階だったろうが。

然し、他に「日本人とのコラボレーション」についての予想や願望を
書いたコメントを見かけたことがなかったし、
“着眼点は悪くなかった”と自分を慰めておくことにする。なんか情けないけど。

ちな!みに、このエントリを書いた時点で、
坂本龍一氏とのコラボレーションの可能性はアタマから否定していた。
というのも、この時にも書いたが、以前光はこのように発言しているからである。

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FMFUJI「山本シュウのサタデー・ストーム」その5 文字起こし / 2005-12-17 19:40:00

(前略)
 ま趣味が合うかどうかわかりませんけどあの~、まぁ、僕がね、 ぅん、 あの~…ワガママ自由ないちリスナーとしては、 はい、 坂本龍一のピアノでこんな音数の少ない、ね、 はぁ、 ピアノで、Hikkiが歌ってんのは、「見たいなぁ」て思いましたねなんかw はぁ~ えぇ。 そんな畏れ多いって感じですけど。
交流は? 交流はっ・・・・・・ないっすねぇ(笑) あははははは(笑) あはは(笑) 「交流はっ・・・」って考えたあとに「ないっすねぇ」w ゃ、いちおうなんか娘さんとはぁ、まぁ、知り合いぃ~、、、ぅん、ですがぁ、、、 なんか俺の中では巨頭ですからね、アナタはね。 でも、ぃゃ、合わないんじゃないかな?ぇだってぇ、デュエット的な意識があれば出来るかもしれないけどぉ、 ぅん、 彼のピアノは伴奏にはならないんじゃないかな。 ぃやもちろんデュエットですよ?もちろん。 それもどうやるんだろう、っていうのがこう…なんか、なんかもうひとりの歌手とふたりで歌うって感じですねぇそうなるとねぇ、、、。 あぁ~。 そうなると伴奏が要るじゃん!みたいな。(笑) だはっどうなんだろう?w 誰かの伴奏が加わらなくてはいけないような気もするような・・・。 まぁでもアナタはねぇ、 ぅん、 結婚・・・・・・出来てますからねぇ。 ・・・? 大丈夫ですよ、 ・・・「結婚」?? 大丈夫ですよ。 ぇ、すいません、なんの? ・・・話の、飛びが、まったく見えないんですが。(笑) 大丈夫です。…次行きましょう。 あっはい。(笑) 行きましょうか。(笑)


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この発言がアタマにあったから「坂本龍一とのコラボはないな」と
決めつけていたのである。なので、FYIのことを聴いた時は心底ビックリした。
勿論、演奏上のコラボレーションではないが、この楽曲は結局、
歌も強けりゃピアノも強い、“まるでデュエット”のような格好になっている。
よくぞまとめきったもんだ、という思いが強い。光ならこの程度は
やってくれるだろうとは思っていたけどね。

FYIについては、アルバム発売直前にこんなことも書いている。

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Japan,USdomestic,International 天然啓語 / 2009-03-05 23:02:08

Exodus では"日本から米へ"というベクトルがハッキリしていた。TiTOは、CBtMにマンハッタンが出てくる事からも"米国内から"という雰囲気が強そうだ。そんな中FYIの存在は面白い。プロデューサの提案とはいえ国際的知名度のある日本人の音を引用するのだからコレは1stの"日本から"というベクトルに近いのではないか―そういう解釈も成り立ちそうだけど僕は寧ろこの曲が次作以降の日本も米も超えたInternationalな、イヤGlobalな UtaDAへの布石になるとみる。基本コンセプトは1stも2ndもコレからも"BetweenYou&Me"のままあり続けそうだけど。2nd もまだ出てないのに気の早い話だな私。

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この着眼点は(我ながら)面白い。というのは、
このときi_は、純粋にサウンド上の要請からFYIという楽曲を
「次作以降の日本も米も超えたInternationalな、イヤGlobalな UtaDAへの布石になる」
と書いた。然し、実際に聴いてみると、サウンドというより寧ろ、
歌詞の中に“スケールの大きなグローバル感覚”が見てとれるからだ。

まずは「NYC(ニュー・ヨーク・シティ)」と「Tokyo」の対比がベースにある。
この日米両都市を軸に、セニョリータ(スペイン語)、シャルドネ(フランス語)、
“オム・マニ・ペメ・フム”(チベット仏教の真言)と
どんどん地球規模で様々な単語が出てくるし、果てはピカード艦長で
宇宙に飛び出してしまう。最後には、
“The place where the grass is lime”という表現が出てくる。
ここがどこのことであるかは以後考察を要するがとにかく、
前作の“Exodus04”同様、非常にスケール感のある歌詞になっているとは
いえそうである。


他の曲に関しても、
例えば早くから曲名が出回っていた“Apple And Cinnamon”については
このように書いている。

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"Apple and Cinnamon" 天然啓語 / 2008-06-19 08:16:41

UtaDA の新曲かと話が出ている曲名(仮題?)。このキュートな名付けの由来を考えてみた。リンゴでまず浮かんだのは旧約聖書の創世記。YMMPVのテーマでもあるし、1stのタイトルも出エジプト記だからね。ならシナモンはその2記を含むモーセ5書と関係あるのかと調べたが、同じく旧約の「エゼキエル書」に記述がある、という位しかなかった。では"アップル&シナモン"を使う菓子の代表格"アップルパイ"はどうだと辞書(ヤフー!)を調べてみたら「非常にアメリカ的な」の意味があるらしい。ノルウェイの2人組Stargateがアジアンルックスな女子と結託し「純アメリカ風」について書いた曲に茶目っ気タップリでこう名付けたのなら面白い。

***** *****

まぁ、結局この題名についての考察と関係ない曲になっていた訳だが、
ここで注目するのはそこではなく、最後の

> 。ノルウェイの2人組Stargateがアジアンルックスな女子と結託し「純アメリカ風」について書いた曲に茶目っ気タップリでこう名付けたのなら面白い。

という一文である。
光は、UtaDAのビデオコメント@Sinternet.comにおいて、
次のように語っている。

Utada interview at Sinternet.com


3:06~
In the studio there were two Norwegian guys and a little Japanese girl, and we were making very like a pop main-stream US song like "Come Back to Me," and that was just hilarious. LoL

スタジオには(そういうスキージャンパーみたいな背の高い)ノルウェイ人2人と、ちっちゃな日本人の女の子が居て、一緒にアメリカのメインストリーム・ポップ・ソングを作ってたんだよね、“カム・バック・トゥ・ミー”みたいな。それってすっごくおかしかった!(笑)


と。
いや、予想が当たってなかったとかそういうことよりも、
光と笑いのツボ(?)がよく似ていたのが何より嬉しかったのでした。まる。
(はいはい。やれやれ(溜息))


更に他の曲となると、“Automatic Part2”かな。

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PersonaInterludeAutomaticPart2 天然啓語 / 2009-03-10 08:22:17

TiTO のボーカル重視路線は、考えてみれば本来日本語で実践する予定なのではなかったか。日米の活動を通じ日本のPopsは洋楽と比べて結局"うた"なんだと悟った。然し少なくともHステALは歌メロを強化しつつも"虹色バス"の名に相応しいカラフルなサウンドに彩られたものだった。このままi_の見立てのママTiTOが"うた"重視作品であるならば、「宇多田ヒカルとUtaDAは1ッ」宣言であるAutomaticPapt2は作中最もサウンド重視の楽曲となる筈だ。そうやってバランスを取るだろう。それにしても、曲と曲を繋ぐのみならず自らの2ッのペルソナを繋ぎ合わせる"インタールード"だなんて凄い発想だよね。

***** *****

「AutomaticPapt2は作中最もサウンド重視の楽曲となる」という予想である。
これは流石に意見が分かれるところだろうが、i_の耳には、
同曲がアルバム中“最もサウンドに遊び心がある”という印象はもった。
まぁ、これは人それぞれだなやっぱ。

字数がきたみたいなので今日はこの辺で!

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