哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

人生の終点

2010年03月26日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

Gerome_pifferarii

そのように、人生には終点がある。であるけれども、それがどうだ、という関心よりも、筆者などは、それがどうだ、ということに私たちはなぜ関心を持つのかに関心がある。

まあしかし、その人生について、人々はいろいろと思う。人生の成功、失敗。人の幸福、自分の不幸。芥川龍之介の作品に或阿呆の一生』(一九二七年 芥川龍之介『或阿呆の一生』)という小説がある。自殺の直前に書かれた。人生の終点に至る作家の日記、というよりツイッターのようなものです。人生というのはその終点のことだ、という作者の思いがつけた題名なのでしょう。

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時間軸上の有限線分

2010年03月25日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

若い人は、自分の人生はどうなるのか、という大きな疑問を持っている。それはかなり真剣な疑問であるようです。筆者のような、それがほとんど終わってしまった年寄りからみると、「人生がどうかなんてたいして重要なことじゃないよ、すぐ終わってしまうから」と言ってやりたい気もしますが、若い人にそういうニヒルな言い方をしてはいけない。

さて、若い人は、人生という長い旅路を、これから一歩ずつ踏みしめていかなければならない、と思っている。視界は霧がかかっているようにぼんやりとしていて、道はよく見えない。どちらへ歩を進めるべきか迷うのは当然でしょう。

実際、人生は昔、五十年といわれた。今は百年かもしれない。まあ、始点があって終点がある。時間軸上の有限線分ですな。筆者など終点に片足つっこんでいるのでしょう。しかしいつが終わりかは分からない。終わるはずでないときにそれは突然終わる。終わった後で、それが終点だったと分かる(拙稿15章「私はなぜ死ぬのか?」)。

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不幸な人生

2010年03月24日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

Gerome_pifferari

人生相談というコラムや番組が、新聞やラジオにある。

筆者の若いころにも人気がありました。このごろまた、人気が復活したようです。いじめなど人間関係の相談が多いようですが、個人の人生目標のような質問もある。「ぼくは小説家になりたいです。どうしたらなれますか」というような質問が読者から来る。回答者は、ふつう人生経験豊かな著名人で独特の回答が期待されている。「小説家を目指すと不幸な人生をおくることになります。芥川龍之介の例をみてください」などおもしろい回答が載る。

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芥川龍之介のニヒリズム

2010年03月23日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか

芥川龍之介は人生について語っていた。中学生の筆者は、そのアイロニーから立ち上るニヒリズムの匂いに酔ったものです。しかし年老いた今の筆者から見ると、当時のインテリの幼いヒロイズムしか感じられない。

まあ、良くも悪くも、西洋文明に出会ったばかりの幼かったその時代の日本人の感性をよく表しているのでしょう。あるいは、大正から昭和に変わるその時期に立ち上がってきた日本独自の小説という文芸の創始者たちの意気込み。人生の理想化を、その高邁な仕事の目標として掲げていたその時代の気分、というものだったのかもしれません。

拝読ブログ:『人生、しょせん気晴らし』 ニヒリズムがうむ奇妙なユーモア

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芥川龍之介のアフォリズム

2010年03月22日 | xx2私にはなぜ私の人生があるのか
Gerome_phryne_przed_areopagiem

はるかむかし、たしか中学生だったころですが、筆者は読書好きで、図書館の本だったのか親に買ってもらったのか覚えていませんが、芥川龍之介の著作を愛読していました。有名な短編も好きだったが、特にアフォリズムに陶酔した時期があったようです。ノートに懸命に書き写したような記憶があります。

人生は地獄よりも地獄的である(一九二七年 芥川龍之介『侏儒の言葉』)。

人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わねば危険である(一九二七年 芥川龍之介『侏儒の言葉』)。

人生は一行のボオドレエルにも若かない。(一九二七年 芥川龍之介『或阿呆の一生』)

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