そして人間は、「心が動いて欲望や意思や意図を作り出し、それが筋肉を動かして力を出し、人体の運動が起こる」という人体のモデルを考え出した。このモデルを認めて、会話を進めていくことで、人間は、自分たち自身の身体と精神の活動や社会活動を言葉で語り合うことができるようになった。こうして、人間は、欲望→意思→意図→運動神経信号→筋肉収縮→人体運動、というものからなる人間行動の理論モデルを作ったのです。
背景に対して動いているものの位置の変化を速度、と感じ取る機能が人間の脳にはあります。向うの山裾を列車が走っていくのを見ると、人間はその速度を直感で感じる。コンピュータのように位置情報を時間微分して速度を算出しているのではない。人間の脳は、(オービスやスピードガンなど)ドップラー速度計のように速度そのものを感知する。橋の上から下の川の流れだけを見ていると、自分が流れとは逆の方向へ飛んでいるように感じる。速度を直接感じる脳の機構が働いているのです。海の波を見ていると、波が沖から走ってくるように感じる。脳が物質の運動を自動的に感知してそれに注目し、運動形成回路を同期させるのです。これで動いている物体に乗り移ったような気持ちになれる。それが速度を感じる脳の機構です。
波を構成している海水は、実は沖から岸へ移動しているわけではない。一箇所で上下運動をしているだけです。それでも人間には、波が岸へ向かって走るように見える。錯覚です。しかし、人間は、波が岸に向かって進む力を感じる。
拝読ブログ:赤紙
拝読ブログ:波源が波の進行速度より速い現象
確かに海を構成している海水はある特定の分子に着目すれば、大きい円運動か小さい円運動かの違いはありますが、円運動しているというのは本当でしょうが、波が岸の方に動いているというのは目の錯覚というのはどうでしょうか。実際に波が動いているというのは動かせないのではないかと思います。
もちろん海水が津波とかとは違って沖から岸の方へ押し寄せているのではないことはおっしゃるとおりです。