哲学はなぜ間違うのか

why philosophy fails?

哲学をやめて大人になる

2007年05月26日 | 5哲学する人間を科学する

大人は、特に、社会的地位の確保、生計の維持、蓄財と自分や子供の出世、そのためのビジネスと人付き合い、情報収集、などなどに熱中して忙しく、他の問題は忘れてしまいます。現代、特に、確実にお金を稼げるビジネスは、どの人間にとっても魅力的になっています。お金を稼ぐという表向きの目的ばかりでなく、実は、仕事といわれるものは、社会的認知を得て自尊心を満たすために必要とされます。さらに、ワーカホリック(仕事中毒)という言葉があるように、ビジネスは、それ自身が麻薬の働きを持っています。脳神経が休みなく刺激されて神経伝達物質を分泌させられるので、継続的に興奮し続けたくなり、仕事というゲームに熱中させられるのです。

育児やビジネスやギャンブルのように、いつも熱中できることがあれば、人間は、ややこしくてわずらわしい問題を忘れることができます。解決不可能な問題はとりあえず放っておいて,手近の雑事をこなす、現実というゲームに集中する、という大人の態度を身につけるわけです。最近の情報戦略論では、「一定時間に解決しない情報探索は中止してしまって、最新で多数の人が検索している情報の検索に集中する」という単純な戦略が実務上成功しやすい、という理論が提起されています(二〇〇〇年 ゲルド・ギンガレンツァ、ペテル・トッド他『かしこい単純発見的方法』』)。

人生において、こういうやり方は悪いことではありません。いつまでも答えが出ない哲学のような難問にこだわるのはやめて、最近流行っていること、多数の人がしていること、に取り組んで毎日がんばればよろしい。逆に言えば、何でもよいから多数の人がしているような、毎日しなければならない仕事のようなものを持つ、ということが、大人になる、ということなのです。

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